心の苦しみの解決に取り組むこと約35年。
自らの実体験の過程から、ここにきてその原因と解決方法についてかなり理解が深まってきたので、整理しておきたいと考えた。
では、心の苦しみとは何か。
それは、怒り、憎しみ、恐怖、不安といったマイナス感情が解消されずに、絶えず心に生じている状態のことであろう。
これらの感情は心身共にエネルギーを奪い取る。
では、このような心の苦しみが起きる原因は一体何か。
今回、その原因について考えてみた。
心の苦しみが発生するきっかけはどういうことだろう。
私はこんな風に感じている。
過去の体験で記憶した情報、例えば、ある体験の結果により自ら受け入れた、自分は他人から責められるだめな人間だ、なまけている人は許せないといった、自分に対する認識(受け止め方)、価値観(善悪、優劣など)というものが、潜在意識の深淵に内面化され、その後の同様の体験の積み重ねにより、より強化され定着していくことで恒常的に発生するようになるということだ。
この、心の深い所で内面化した自己認識や価値観により、マイナス感情が意識せずとも自動的に反応し発生しているのだが、大抵はこのことを明確に意識化することが出来ない。
そしてその内面化した自己認識や価値観によりマイナス感情が自動発生していることを理解できず、ただ苦しみのあまり、ある人はそのマイナス感情を弱い立場の人間へのいじめ、パワハラ、ネットでの特定の人間に対する誹謗、中傷、デモ・抗議活動、度を越したクレーム、不祥事を起こした政治家などに対するバッシングといった形で表出し、一時的に解消しようとする。
一方である人はマイナス感情を意識できないか、意識できても表出出来ないためにそのマイナス感情を自分自身に向け、蓄積されたマイナス感情がオーバーフローするとうつ病などを発症する。
いずれにしてもこのような対応は本質的な解決ではないので、マイナス感情は日々、絶えず継続的に生産され、蓄積されていく。その不快感に耐えられない人は先述したような方法で吐き出そうとするであろう。
多くは過去に自分がされて傷ついたのと同じ方法を無関係の他人に適用して解消しようとする(感情転嫁による一時的、疑似的な解決方法)。
このようなマイナス感情発生のメカニズムを放置したまま、プラスの暗示を定着させようと試みる心理療法(催眠暗示療法やイメージ療法、エネルギーワークなど)を見かけるし、実際に体験したが、その方法が成功しない理由が、この点に見いだされる。
ではその恒常的に発生するマイナス感情を根本的に解決するにはどうしたらよいのだろうか。
まず、自分の心の中で起きていることに気が付くこと。
心の中で絶えず起きているマイナス感情を意識化することが最初だ。
次に、マイナス感情発生の原因となっている、潜在意識の深いところに定着している自己認識や価値観を丹念に観察、具現化させていく作業が必要となる。
そしてこれらの定着化した自己認識や価値観が自動回路のようにマイナス感情を発生させ、そしてさらにそのマイナス感情が新たなマイナス感情を生み出す強迫的行動を発動させていることにも気が付きたい。
マイナス感情を発生させる自分に対する認識と発生する感情の具体例
・自分は周りのみんなから嫌われる駄目な人間だ⇒恐怖、怒り、不安
・周りの人間はみんな私をいじめようとしている、批判しようとしている⇒恐怖、怒り
・自分は誰からも相手にされない価値のない人間だ⇒孤独感、無価値感、怒り
・相手が怒るのは自分が悪いからだ⇒恐怖、怒り
・相手が無視するのは自分が至らないからだ⇒恐怖、怒り
・相手が自分のことを嫌う、避けるのは自分に原因があるからだ⇒恐怖、怒り
・周りの人たちに貢献しないと相手にされない、嫌われる⇒恐怖、不安
・相手は私のことを見下している⇒怒り、憎しみ、劣等感、恐怖
・相手は自分のことを心の中で嫌っている⇒不信感、憎しみ、恐怖
・周りの人たちは陰で私の悪口を言っている⇒怒り、恐怖、憎しみ、不信感
・自分は協調性のない人間だ⇒恐怖、怒り
・対人恐怖の自分は人から愛されない⇒失望感、孤独感、怒り
・うつ病の自分は重荷、お荷物に思われる⇒悲しみ、孤独感、寂しさ、恐怖
・人前であがったら変なやつだと思われる⇒恐怖、不安
・人前で上手く話せない自分は価値がない⇒失望感、恐怖、不安
・わきがや口臭で周りの人が迷惑がっている⇒恐怖、不安
マイナス感情を発生させる価値観と発生する感情の具体例
・努力しないで怠けていると人から嫌われる⇒恐怖
・貧乏人は馬鹿にされる⇒怒り、屈辱感、恐怖
・時間を守らないと怒られる、ルーズな人間だと評価される⇒恐怖、怒り
・特別なことをしないと、特別な才能がないと周りから相手にされない⇒恐怖、怒り、不安
・間違えたり、ミスをすると怒られる、馬鹿にされる、嘲笑される⇒恐怖、怒り、屈辱感、憎しみ
・歩きスマホなどルールを守らず自己中心的なやつは許せない⇒怒り
・歩くのが遅いと、後ろの人から怒られる⇒恐怖、不安、怒り
・いい大学を出ていないと見下される⇒恐怖、怒り
・夜中に大きな音を立ててはいけない⇒恐怖
・わがままはいけない、自分勝手は人に迷惑をかける⇒恐怖、怒り
・物知りだと人から尊敬される(無知だと人から馬鹿にされる)⇒恐怖、怒り
・約束を守らなかったら人から信用されず、相手にされなくなる⇒恐怖、不安
・気くばりの出来ない人間は大人とみなされない⇒恐怖、不安
・たいして苦労もせず、おいしいものばかり食べ、高級品を次々に買っている贅沢なやつが許せない⇒怒り、憎しみ、劣等感、妬み
・汚いことを言うと馬鹿にされる⇒恐怖
・身だしなみにルーズなやつは我慢出来ない⇒嫌悪感
・うそついたり、ミスを上手に隠そうとするやつが許せない⇒怒り、憎しみ
・すぐに心変わりする人は軽蔑すべきだ⇒嫌悪感、怒り
・世渡り上手な人が嫌いだ⇒嫌悪感、妬み
・優秀な人間でないと相手にされない⇒恐怖、不安、怒り
以上、いろいろ書いたが、これはあくまでも私の主観によるもので、人それぞれ異なって当然であろう。
しかしマイナス感情を常に発生させる自己認識や価値観がどういうものか、ということは凡そつかめるのではないかと思う。
心が苦しい人はまず、これらの自己認識や価値観でかんじがらめになって、身動きできない状態のなか、これらにより絶えず生み出されてくるマイナス感情に苦しめられていると考えていい。
心が苦しい人の多くはこの状態から抜け出そうとするが、なかなか抜け出せない。
何故ならば、この苦しい状態の自分を嫌うからである。しかしこの苦しい状態を憎み否定している限り苦しみから抜け出すことは不可能と言える。
あるいは、この苦しみをもたらすマイナス感情が何故発生してくるのかその原因が理解出来ないでいるからである。
苦しい自分を受け入れるようになり、マイナス感情を発生させる自己認識や価値観から解放されるには、程度にもよるが膨大な時間と忍耐力が必要となる。
自分と向き合い、どんな自己認識や価値観に支配されているか、丹念にひとつひとつ観察していく作業が求められる。
時間はかかるがこの作業をすることよってしか解決は得られないと考えている。
これらの作業をするうちに、自己肯定感の光が差し込んでくるようになる。
自己肯定感は自己否定が解消されて初めて自然に芽生えてくるものなのだ。自己否定をそのままにして自己肯定を試みることの無意味さと弊害がここにある。
それは言い換えると、自分が嫌いだからという気持ちを動機、背景にしてその嫌いでない自分になろうと努力することで、ますます自分が嫌いになっていくことを意味している。
今の自分のままではいけないと思って、自分を変えようと努力する人が破綻する理由がここにある。
自らの実体験の過程から、ここにきてその原因と解決方法についてかなり理解が深まってきたので、整理しておきたいと考えた。
では、心の苦しみとは何か。
それは、怒り、憎しみ、恐怖、不安といったマイナス感情が解消されずに、絶えず心に生じている状態のことであろう。
これらの感情は心身共にエネルギーを奪い取る。
では、このような心の苦しみが起きる原因は一体何か。
今回、その原因について考えてみた。
心の苦しみが発生するきっかけはどういうことだろう。
私はこんな風に感じている。
過去の体験で記憶した情報、例えば、ある体験の結果により自ら受け入れた、自分は他人から責められるだめな人間だ、なまけている人は許せないといった、自分に対する認識(受け止め方)、価値観(善悪、優劣など)というものが、潜在意識の深淵に内面化され、その後の同様の体験の積み重ねにより、より強化され定着していくことで恒常的に発生するようになるということだ。
この、心の深い所で内面化した自己認識や価値観により、マイナス感情が意識せずとも自動的に反応し発生しているのだが、大抵はこのことを明確に意識化することが出来ない。
そしてその内面化した自己認識や価値観によりマイナス感情が自動発生していることを理解できず、ただ苦しみのあまり、ある人はそのマイナス感情を弱い立場の人間へのいじめ、パワハラ、ネットでの特定の人間に対する誹謗、中傷、デモ・抗議活動、度を越したクレーム、不祥事を起こした政治家などに対するバッシングといった形で表出し、一時的に解消しようとする。
一方である人はマイナス感情を意識できないか、意識できても表出出来ないためにそのマイナス感情を自分自身に向け、蓄積されたマイナス感情がオーバーフローするとうつ病などを発症する。
いずれにしてもこのような対応は本質的な解決ではないので、マイナス感情は日々、絶えず継続的に生産され、蓄積されていく。その不快感に耐えられない人は先述したような方法で吐き出そうとするであろう。
多くは過去に自分がされて傷ついたのと同じ方法を無関係の他人に適用して解消しようとする(感情転嫁による一時的、疑似的な解決方法)。
このようなマイナス感情発生のメカニズムを放置したまま、プラスの暗示を定着させようと試みる心理療法(催眠暗示療法やイメージ療法、エネルギーワークなど)を見かけるし、実際に体験したが、その方法が成功しない理由が、この点に見いだされる。
ではその恒常的に発生するマイナス感情を根本的に解決するにはどうしたらよいのだろうか。
まず、自分の心の中で起きていることに気が付くこと。
心の中で絶えず起きているマイナス感情を意識化することが最初だ。
次に、マイナス感情発生の原因となっている、潜在意識の深いところに定着している自己認識や価値観を丹念に観察、具現化させていく作業が必要となる。
そしてこれらの定着化した自己認識や価値観が自動回路のようにマイナス感情を発生させ、そしてさらにそのマイナス感情が新たなマイナス感情を生み出す強迫的行動を発動させていることにも気が付きたい。
マイナス感情を発生させる自分に対する認識と発生する感情の具体例
・自分は周りのみんなから嫌われる駄目な人間だ⇒恐怖、怒り、不安
・周りの人間はみんな私をいじめようとしている、批判しようとしている⇒恐怖、怒り
・自分は誰からも相手にされない価値のない人間だ⇒孤独感、無価値感、怒り
・相手が怒るのは自分が悪いからだ⇒恐怖、怒り
・相手が無視するのは自分が至らないからだ⇒恐怖、怒り
・相手が自分のことを嫌う、避けるのは自分に原因があるからだ⇒恐怖、怒り
・周りの人たちに貢献しないと相手にされない、嫌われる⇒恐怖、不安
・相手は私のことを見下している⇒怒り、憎しみ、劣等感、恐怖
・相手は自分のことを心の中で嫌っている⇒不信感、憎しみ、恐怖
・周りの人たちは陰で私の悪口を言っている⇒怒り、恐怖、憎しみ、不信感
・自分は協調性のない人間だ⇒恐怖、怒り
・対人恐怖の自分は人から愛されない⇒失望感、孤独感、怒り
・うつ病の自分は重荷、お荷物に思われる⇒悲しみ、孤独感、寂しさ、恐怖
・人前であがったら変なやつだと思われる⇒恐怖、不安
・人前で上手く話せない自分は価値がない⇒失望感、恐怖、不安
・わきがや口臭で周りの人が迷惑がっている⇒恐怖、不安
マイナス感情を発生させる価値観と発生する感情の具体例
・努力しないで怠けていると人から嫌われる⇒恐怖
・貧乏人は馬鹿にされる⇒怒り、屈辱感、恐怖
・時間を守らないと怒られる、ルーズな人間だと評価される⇒恐怖、怒り
・特別なことをしないと、特別な才能がないと周りから相手にされない⇒恐怖、怒り、不安
・間違えたり、ミスをすると怒られる、馬鹿にされる、嘲笑される⇒恐怖、怒り、屈辱感、憎しみ
・歩きスマホなどルールを守らず自己中心的なやつは許せない⇒怒り
・歩くのが遅いと、後ろの人から怒られる⇒恐怖、不安、怒り
・いい大学を出ていないと見下される⇒恐怖、怒り
・夜中に大きな音を立ててはいけない⇒恐怖
・わがままはいけない、自分勝手は人に迷惑をかける⇒恐怖、怒り
・物知りだと人から尊敬される(無知だと人から馬鹿にされる)⇒恐怖、怒り
・約束を守らなかったら人から信用されず、相手にされなくなる⇒恐怖、不安
・気くばりの出来ない人間は大人とみなされない⇒恐怖、不安
・たいして苦労もせず、おいしいものばかり食べ、高級品を次々に買っている贅沢なやつが許せない⇒怒り、憎しみ、劣等感、妬み
・汚いことを言うと馬鹿にされる⇒恐怖
・身だしなみにルーズなやつは我慢出来ない⇒嫌悪感
・うそついたり、ミスを上手に隠そうとするやつが許せない⇒怒り、憎しみ
・すぐに心変わりする人は軽蔑すべきだ⇒嫌悪感、怒り
・世渡り上手な人が嫌いだ⇒嫌悪感、妬み
・優秀な人間でないと相手にされない⇒恐怖、不安、怒り
以上、いろいろ書いたが、これはあくまでも私の主観によるもので、人それぞれ異なって当然であろう。
しかしマイナス感情を常に発生させる自己認識や価値観がどういうものか、ということは凡そつかめるのではないかと思う。
心が苦しい人はまず、これらの自己認識や価値観でかんじがらめになって、身動きできない状態のなか、これらにより絶えず生み出されてくるマイナス感情に苦しめられていると考えていい。
心が苦しい人の多くはこの状態から抜け出そうとするが、なかなか抜け出せない。
何故ならば、この苦しい状態の自分を嫌うからである。しかしこの苦しい状態を憎み否定している限り苦しみから抜け出すことは不可能と言える。
あるいは、この苦しみをもたらすマイナス感情が何故発生してくるのかその原因が理解出来ないでいるからである。
苦しい自分を受け入れるようになり、マイナス感情を発生させる自己認識や価値観から解放されるには、程度にもよるが膨大な時間と忍耐力が必要となる。
自分と向き合い、どんな自己認識や価値観に支配されているか、丹念にひとつひとつ観察していく作業が求められる。
時間はかかるがこの作業をすることよってしか解決は得られないと考えている。
これらの作業をするうちに、自己肯定感の光が差し込んでくるようになる。
自己肯定感は自己否定が解消されて初めて自然に芽生えてくるものなのだ。自己否定をそのままにして自己肯定を試みることの無意味さと弊害がここにある。
それは言い換えると、自分が嫌いだからという気持ちを動機、背景にしてその嫌いでない自分になろうと努力することで、ますます自分が嫌いになっていくことを意味している。
今の自分のままではいけないと思って、自分を変えようと努力する人が破綻する理由がここにある。