緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

樹脂製弦止めを試してみた

2020-06-28 16:36:01 | ギター
1週間前の記事で取り上げたアルミ製弦固定具と同時購入した樹脂製の固定具を試してみたので、今回その感想を記事にしたい。

商品名は、ROSETTE ロゼット ストリングタイ DIAMOND SECURE TIBLOCK D2WH。
価格はアマゾンで税込み2,800円。アメリカ製。

アマゾンの商品紹介をそのままコピーさせていただく。
・3つの穴を使い弦を固定するストリングタイ。
・強度は保ちながら1つ0.5gと軽量化されています。
・弦を張るのが簡単になり、弦の先が表板を傷つける心配も軽減。
・ブリッジに弦を直接留めない事で明瞭なサウンドを生み出します。
・White, 7個入 (色は確か黒もあります)









材質は樹脂。
表面はザラザラしている。
らくがんとかラムネのような手触りだ。
強度があると書いてあるが、自分の感覚ではちょっと脆そうかなという感じ。
そもそも樹脂というのは経年劣化により硬化し、割れることが多い。
メーカーでは10年、20年に渡る劣化診断などしていないだろうから、長年に使用による強度の劣化度合いは未知だ。
超高級ギターで、このチップの突然の破損による弦の飛び跳ねで、痛々しい傷を付けたくない人は、使用しない方が無難かもしれない(あくまでも私の主観だけど)。

型で製作しているのか。3Dプリンターでの製作の可能性もある。

1個余分に入っているのは、予期せぬ破損を想定した予備なのか(その時は既に遅しで、痛々しい傷が付いてしまっているだろうが)、紛失による予備が目的なのかは不明。

厚みは5mmと結構あるが、ブリッジと接触する側に深さ1mmほどの空洞があり、この部分に弦が収まることで、弦とブリッジとの接触を回避していることが、従来の3つ穴象牙製チップに比べ進歩、改善していると言える。

5日ほど前に実際に装着してみた。
穴は3つなので、弦が抜けにくいと思われ、弦の装着もそう苦にならなかったが、6弦はかなり手間取った。



説明書に1弦はループ部分を2回通した方がいいと書かれていたが、私は過去のトラウマにより2弦と4弦は2回、1弦は3回ループ部分に巻き付けた。

音の方はどうか。
やはり前回のアルミ製固定具と同様、弦を張った直後は音がこもってしまっていた。
この商品は私の楽器の場合、6弦が著しくこもってしまった。
今日まで少しずつ慣らして、ようやくこもりは解消された。
弦を張り変えてすぐに演奏しなければならない場合は使えないかもしれない。
それともこの固定具が楽器にとって初めてだからなのかもしれないが、しばらく試してみないとこのこもりの解消度合いは分からない。

実際に弾いてみて、装着する前の音と比べた印象だが、あまり変化がない、といった感じ。
劇的な変化はない。
全く感覚的な感触ではあるが、前回のアルミ製と同様、わずかに音に芯が加わったかな、といったところか。
甚だ頼りない感想だが、正直そんなところだ。

前回と同様、この商品を装着して演奏した曲(抜粋)をいくつか録音してみた。
装着前との比較でないので参考になるかどうかは分からないが、ギター独奏曲3曲の一部抜粋と、マンドリンオーケストラ曲ギターパートの抜粋を弾いてみた。
独奏曲の最初の2つは10年くらい前に、3つ目は20年くらい前に弾いていた曲、マンドリンオーケストラ曲は学生時代に演奏した曲。

使用楽器:ホセ・ラミレスⅢ世 1986年 (前回録音した楽器にはアルミ製固定具が付いているので、今回は別の楽器です)
使用弦:オーガスチン黒
音加工等一切していない。

ダイヤモンド・セキュアー タイブロック試し弾き(2020年6月28日)



ある方のYoutubeチャンネルで、弦止めだけでなく、糸巻きのパイプや、ブリッジの構造、ブリッジの弦の固定方法などの画期的な変更により、音が見違えるほど改善したというレポートを見たことがある。
超高級ギターを追い求めることも音を良くするためのひとつの選択肢には違いないが、今ある楽器の音を出来るだけ良くしようと、いろいろ考えて試行錯誤して改善するのも楽しいのではないか。
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邦画2本見た

2020-06-27 21:22:10 | 映画
1週間前に見た邦画2本のうち、1本をその後今週4回も繰り返し見てしまった。
アマゾンプライムなので、いつでも繰り返し見れるということもあるのだけど。
それにしてもこんなに短期間に同じ映画を繰り返し見た、ということは今までなかった。

何故繰り返し見たくなったかというと、もうこれは理屈ではなく、自分の中の感情が求めているからなんだと思う。
その作品を初めて見たとき、何か自分の心の中に長い間眠っていた感情とか、古い記憶とか、そういうものが呼び覚まされ、意識に強く昇ってきたのだと思う。
映画って今まであまり見て来なかったけど、そういう意味では音楽を聴くのと同じような感覚がする。

作品の一般的な評価とか、評判とか、人気度とか、賞の有無などはあくまでも目安、客観的なものに過ぎない。
この映画のアマゾンカスタマーレビューでのたくさんの評価の中で、星1つとか2つの批評のいくつかを読んでみたが、こういうとらえかたもあるんだな、という一種の、驚きというか意外感があった。
ただその評価が意味するのは、その人にとっては、その映画から心が共振するものが得られなかったということに過ぎない。
登場人物の生き様とか信念、価値観といったものとは全く別次元のものを持っているからなのかもしれない。

映画というのはある意味、非日常、非現実を描くことによって、見る人が普段の日常で感じることが出来ないでいる人間としての根源的感情を引き出すことを目的に創作されているものなので、ストーリーに飛躍や非現実感があるのは当然であり、そのこと自体をとりわけ鑑賞の主眼にしてもあまり意味がないと思う。
それよりもこの作品を通して、作者は何を言いたかったのか、何を訴えたかったのか、ということを感じとることを意識しながら見た方が、鑑賞の奥行きが広がると思う。

今回この映画を1週間の間に結局5回見たけど、見るたびに何を感じて欲しかったのか、ということが分かってきた。
ここではあえて具体的に書かないけど、出演者のセリフやしぐさ、表情を通して伝わってくるものの、ひとつひとつの重みが繰り返し見るうちに分かってきた。
何か自分に教えてくれる重大なことが含まれているから、「繰り返し見てみたい」という気持ちになれたのだと思う。

昨日、今日と、1週間前に見た映画と同じジャンルの映画を2本、アマゾンプライムで見てみた。

昨日はアマゾンカスタマーレビューで評価数が800を超えていた映画、
今日はアマゾンカスタマーレビューで評価数が700近い映画を見てみた。
今日見た映画の方が力のある作品だと感じた。

この作品はまた繰り返し見るだろうか。
多分すぐには見ないと思う。もしかすると1回だけで終わるかもしれない。

この1週間で見た映画で感じたのは、良い意味で人を変えられるのは「人」しかいない、ということか。
人をいい方向に変えさせてくれる人との出会いというものの大切さについて考えさせられた。

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アルミ製弦止めを試す

2020-06-21 12:58:58 | ギター
アマゾンでたまたまギターの弦をブリッジに固定する器具を見つけ、買ってみた。
アルミ製、樹脂製の2種類を買った。
今回はアルミ製の固定具を付けた感想などを取り上げることにしたい。

通常ギターの弦はブリッジに開けてある穴に弦を通し、巻き付けることにより固定するが、サドルの頂点とブリッジのサウンドホール側を結ぶ弦の角度が低くなるため、低いサドルのギターの場合は音の伝達に不利に働く。
この弱点を解消するために考案されたらしい。
(だいぶ以前にこのことを記事にしたことがあった)

この手の固定具を最初に買ったのは今から15年くらい前だったと思う。
おにぎりの形をした薄い象牙製のチップで、3つ穴が空いていた。
某楽器店からかなりの高額で購入したが、いざ装着してみたら却って音が悪くなってしまい、もったいないけど1回で使用をやめてしまったことがある。
この商品を今日探したが、どこかにしまいこんだらしく見つからなかった。
次にその5年後くらいに、ヤフオクで安価(1,500円)な象牙製の固定具を見つけて試してみたが、私の楽器には合わなかったみたいで、これもわずかな期間で止めてしまった。



次にしばらくしてから見つけたのが、これもヤフオクで見つけたのだが、象牙製の厚みのあるチップだった。象牙なのにかなり安価(2,000円くらいだったと思う)で、装着もしやすく、音に対する効果も著しいとは言えないが、当りの商品だった。
この商品は10年くらい使っている。



今までは弦の固定具と言えば象牙だけだったと思うが、数年前から金属製(真鍮やアルミ製)のものが出るようになった。
今回試したアルミ製のものは現代ギター社から販売されている商品だ。
価格は税込み2,200円とそんなに高価ではない。

金属製かわからないが、このような固定具を標準装備した楽器も見かけるようになった。
スペインのパウリーノ・ベルナベの楽器がそうだ。
聞いた話では鉄のハンマーで叩いても破損しないほどの強度を持っているという。

昨日、このアルミ製の固定具を早速試してみた。
パッケージは下の写真にあるように弦のパッケージと同じようなものだ(中にビニール袋が入っている)。





固定具は意外に小さかった。



側面と断面に貫通穴が空いている。



弦の装着はいたって簡単。今まで使ったどのチップよりも簡単であった。
説明書では1弦のみ2回巻き付けるよう指示されていたが、昔、弦交換時に弦がブリッジからすり抜けて表面板に痛々しい傷を付けたトラウマを経験しているので、用心深く2弦と4弦は2回、1弦は3回巻きにした。

全ての弦に装着したところ。



肝心の音はどうか。
装着した直後は、高音弦、とくに③弦が鈍かった。
固定具を付けなくても、新しい弦を張った直後は、①~③弦のナイロン弦がこもってしまい、本来の音が出るようになるまでしばらく時間を要するのであるが、今回の場合は新しい弦と初めての固定具の装着による2重の影響が出ているような感じがした。
装着した当日はこのこもりはおさまらなかった。

翌日(本日)、1時間くらい弾いていると徐々に高音のこもりが抜けてきた。
まだもう少しかかるかもしれないが、客観的に効果の度合いを見るために録音してみることにした。

使用楽器:山野輝慈 1972年
使用弦:オーガスチン黒

なおこの楽器はとても張力の強い楽器なので、柔らかい音を期待する人には強すぎて聴こえるかもしれない。
なお音加工等、一切していない。
高性能のマイクではないので、生の音とはだいぶ違って聴こえるがそれはしょうがない。
今練習している独奏曲と1年前の演奏会で弾いたマンドリンオーケストラ曲のギターパートの一部で試してみた。

クリアトーン試し弾き2020年6月21日自宅にて

自分の感触としては、わすかながら、音に芯が加わったかな、という程度のもの。
本当に感覚的なものだ。
今までの象牙のチップがそうだったように、劇的に改善するものではない、ということだ。

音を改善するのであれば、サドルを交換した方が効果が期待できるかもしれない。
今までサドルやナットを何本も自作で交換してきた経験からいうと、サドルやナットの交換でかなり音が良くなったことがある。
プロに頼むと高額な料金を取られるので、細工が好きな人は自分で自作してみてはいかがだろうか。

あと、ブリッジに弦を固定するのではなく、サウンドホール付近の裏側の板に弦を固定し、その弦をブリッジの上部に開けた穴から通してサドルに接触させる、という方式の弦の固定方法を見たことがある。
この方が音が良くなるそうだ。
今後この方法が主流になる時代が来るのかもしれない。

※次回は同時に購入した樹脂製の固定具の感想を記事にする予定です。
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邦画2本見る

2020-06-20 23:10:36 | 映画
昨日、今日と立て続けに邦画を2本見た。
「陽だまりの彼女」
「君の膵臓を食べたい」

「陽だまりの彼女」は未だ映画化されていない頃、10年くらい前だったかな、新聞で佐藤優氏の書評を見てすぐさま読みたいと思い、文庫本を買ったのだけども、途中まで読んだままになっていた。
最近アマゾンプライムビデオでこの映画があることを知り、昨日見た。
「君の膵臓を食べたい」はアマゾンプライムビデオで、「陽だまりの彼女」を検索したら関連映画で出てきたのが見るきっかけとなった。
評価数が1000を超えていたので、どんな映画なんだろうと思って見てみたのだ。

「君の膵臓を食べたい」がとくによかった。
見て良かったと思う。
現代の映画に対する認識が少しは変わったかな。

見終わったあと、高校2年生のときの国語の教科書に載っていた「セメント樽の中の手紙」という小説の「今日はへべれけに酔っぱらいたいな」という一節が、何故か頭に浮かんできた。


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Nコン高等学校の部 マイベスト(心に深い感動を与えてくれる演奏集)

2020-06-14 22:03:39 | 合唱
数年前に、私が今まで聴いたNコン高等学校の部の過去の演奏の中でベストと思う演奏を10、選んで記事にしたことがあったが、それから更なる聴き込みにより、「とくに心に深い感動を与えてくれる」という観点から再度、ベストと思う演奏を選び出してみることにした。
(フォンテックのCDに収録されていなかったため、後でYoutubeで発見したことで選出した演奏もある)

ここに挙げた演奏以外にも本当にいい演奏はあるのだが、あくまでも私にとって、強く、深く心に刻まれるという観点からベストのものを選ばせてもらいたい。

今回は音源も付けた。
(但し、いずれもコピーのため、音質はオリジナルに比べてはるかに劣っている。聴くなら絶対にフォンテックのCDを聴くべきである。ただし1曲のみCDに収録されていない)

今回は個々の演奏に自分の感想は付けないことにした。
ただこれらの演奏はどれも、とても強い感情に満ちており、聴き手の心の深いところまで刻みこまれ、心の奥底で眠っていた感情を意識にまで呼び覚ますほどの力を持った演奏だと断言できる。
合唱演奏に対する評価は人それぞれであろうが、私はこれらの演奏こそが本質を突いていると感じる。
もっと注目されてしかるべき演奏だと思う。

1.あの空へ ~青のジャンプ 
 作詞:石田衣良 作曲:大島ミチル (平成21年度大会)
 演奏:愛媛県立西条高等学校
 評価:AAA

あの空へ ~青のジャンプ(愛媛県立西条高等学校)


2.混声合唱のための「ラプソディ・イン・チカマツ[近松門左衛門狂想]」から壱の段
 作詞:近松門左衛門 作曲:千原英喜  (平成21年度大会)
 演奏:愛媛県立西条高等学校
 評価:AAA 

「ラプソディ・イン・チカマツ[近松門左衛門狂想]」から壱の段(愛媛県立西条高等学校)

3.混声合唱のための「地球へのバラード」から 沈黙の名 
 作詞:谷川俊太郎 作曲:三善晃 (平成12年度大会)
 演奏:北海道立札幌北高等学校
 評価:AAA

「地球へのバラード」から 沈黙の名 (北海道立札幌北高等学校)

4.あしたはどこから 
 作詞:平峯千晶 作曲:三枝成彰 (平成15年度大会)
 演奏:神奈川県立多摩高等学校
 評価:AAA

あしたはどこから 混声合唱(神奈川県立多摩高校)

5.混声合唱のための「やさしさは愛じゃない」から さびしいと思ってしまう
 作詞:谷川俊太郎 作曲:三善晃 (平成13年度大会)
 演奏:北海道立札幌北高等学校
 評価:AAA

「やさしさは愛じゃない」から さびしいと思ってしまう (北海道立札幌北高等学校)

6.風になりたい 
 作詞:川崎洋 作曲:寺嶋陸也 (平成17年度大会)
 演奏:東京都大妻中野高等学校
 評価:AAA

風になりたい (東京都大妻中野高等学校)
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