緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

金属の魅力-銅ワッシャ-

2021-02-12 20:50:01 | 金属
1か月ほど前だったか、インターネットの広告に、真鍮を加工したアクセサリーのようなものがコロナ対策として販売されているのをたまたま見かけた。
真鍮とは銅と亜鉛の合金である。
銅は導電性が高く、電線等、身近な製品を構成する素材として幅広く利用されている。
銅はまた、抗菌性に優れた金属素材だと言われている。
最近はあまり見かけなくなったが、流しの三角コーナーにたわしやスポンジを入れる銅の箱のようなものを見たことはないか。
これは箱に菌が繁殖しないようにするために選ばれた素材が銅であることを示している。

Wikipediaに次のような記述があった。
「多くの抗菌効果の研究において、A型インフルエンザウイルスやアデノウイルス、菌類だけでなく広範囲にわたる細菌を不活化するための銅の有効性について10年以上研究されてきた。研究の結果、建物内の給水管に使用した場合、表面に生成される酸化膜や塩素化合物の影響により短期間に不活化能力が低下する現象のほか、残留塩素の低減作用が明らかとなっており、実用上の課題として認識されている。
銅合金の表面には広範囲の微生物を不活化する固有の能力があり、例えば腸管出血性大腸菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA)、ブドウ球菌、クロストリジウム・ディフィシル、A型インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどを不活化する。
(中略)
銅製のドアノブは病院で院内感染を防ぐために用いられ、レジオネラ症は配管システムに銅管を用いることで抑制することができる。抗菌性銅合金製品はイギリス、アイルランド、日本、韓国、フランス、デンマークおよびブラジルにおいて医療施設に用いられている。また、南米チリのサンティアゴでは、地下鉄輸送システムにおいて銅-亜鉛合金製の手摺が2011年から2014年の間に約30の駅に取り付けられることになっている。」

つまり銅及び銅の合金である真鍮は抗菌性に優れているおり、水道の蛇口、ドアノブ、流しの三角コーナー、使用頻度の高い小銭(10円玉等)など、菌が繁殖しやすい、または菌が四六時中付着するような環境の物質に使用されるということだ。
目下、新型コロナウィルスが蔓延している最中、もし菌が多数付着している可能性の高いものに触れてしまった場合、しかもアルコール消毒用のスプレーが備え付けられていなかった場合や、携帯用の消毒スプレーをうっかり忘れてしまった場合、感染の確度は増大する。
このような場合に遭遇することを念頭に用意周到に準備をしておかなければならない。
ではどのような対策を取ったら良いのか。

先日たまたまホームセンターに行って、なにげなくボルト類の売り場を通りかかった際に、赤銅色のひときわ目立つものが目に入った。
それは「銅ワッシャ」であった。



サイズは外径Φ32、内径Φ16、厚みt2.5、2個入りだった。結構大きい。



ワッシャは裏と表がある。平の方が裏だ。





これを抗菌対策に使えないか考えてみた。こっちのほうが安上がりだ。

これをいつも持ち歩き、公衆トイレなどに入った後にこれを握ることで消毒しようというわけだ。
そこでこの2個の特大銅ワッシャを手持ちのカラビナに吊るし、ショルダーバックのファスナーの紐に取り付けてみた。



これはいい。ちょっとしたアクセサリーにも見える。

ただ銅は新しいうちは赤銅色に輝き、美しく見えるが、古くなるとどうしても茶色く変色してしまう。
下の写真は昭和49年の10円玉と昭和51年の5円玉だ。
ともに日本が最もいい時代だったころに作られたものだ。



このように変色してしまうのが銅の宿命だ。
この銅ワッシャもいずれこげ茶色に変色していくに違いない。

下は新品の時は鮮やかな赤銅色だったカップだが、使用に伴いえび茶色に変色してしまったものだ。



しかしこのような状態の方がかえって渋くていいかもしれない。
写真のカップはいいあんばいに銅の表面が変化してきている。

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金属の魅力-真鍮(2)-

2020-12-09 21:09:43 | 金属
昨日在宅勤務だったのだが、朝トイレに入ってみると、朝日を浴びてほのかではあるが、淡く美しく輝くものが目に入った。



目に入ったのは写真の緑色の粉のようなものだ。
写真では暗く写ってしまっているが、私が見た時は黄色っぽい太陽の光を浴びてとても美しい緑色になっていた。
この緑色の粉は一体何であろうか。
これは金属である銅が酸化して出来る「緑青(りょくしょう)」と呼ばれる錆びである。
でも写真に写っているもの、これはトイレのタンクに水を補給する金具なのであるが、どうみても銅には見えない。
外見では鉄にメッキをしたものか、ステンレスに見える。
しかし鉄やステンレスに発生する錆びは赤錆であり、緑青が付くわけがない。
であればこの金具の素材は鉄やステンレスではなく、銅を含有する金属の可能性が高い。表面は銀色のメッキ加工が施こされている
ではこの金属の素材は何か。
これは恐らく真鍮ではないかと思う。
真鍮にクロームメッキをしたものであろう。
何故、そう思ったかというと、以前、公衆の洗面所などで使われている水道の蛇口の金属の表面が、銀色が剥げ落ち、黄銅色となっているのを何度か見たことがあるからだ。
例えば下のような状態だ。



真鍮は銅と亜鉛の合金で、加工性に優れ(機械加工しやすい)、耐久性がありメッキしやすいので、水回りの金具やドアノブなどによく使われている。黄銅とも言われており、身近なものでは5円玉がある。
私は金属の中では真鍮は一番好きな部類である。
金のような輝きがないところが好きだ。何となくくすんでいるが、暖かみ、親しみやすさを感じる。
写真のトイレタンク用の金具に緑青が付いたのは、メッキ前の素材が真鍮で銅を含んでいるからであろう。
しかしメッキを施しているのに何故、緑青が発生したのか。
これは不思議だ。
メッキは剥げていないし、傷も付いていないようだ。
以前、「鉄は錆びたがっている」ということを記事に書いたが、真鍮も錆びたがっていたのだろうか。
メッキで覆われていても、恐らく真鍮の中の銅がメッキ層の極めてわずかな隙間も見逃さず、その隙間から酸素(水)を吸い寄せたとしか考えられない。

緑青が発生した理由は結局分からないが、この緑青の色は美しいと思う。
エメラルドグリーンに近いが、もう少し落ち着いた感じか。
因みにこの緑青は昭和の時代まで長い間、有毒だと言われていたが、実際は無害、無毒だそうだ。
驚くことに、この緑青、顔料の原料にもなっているという。
やはりこの美しい自然の色を、「錆び」という悪者にしておくのは勿体ないと考えた人がいたようだ。
この緑青を取ってしまうのは勿体ない。
トイレタンク用金具についた緑青はそのままにしておこう。

家の中で真鍮のものを探してみたが、意外に少ない。
下の写真は勤め先の工場の現場の廃材置き場から拾ってきたもの。
「埋込座」と呼ばれる金属加工部品だ。





底面にタップが切ってある。頭部の球体がすっぽ抜け防止の役割をしている。

下の写真も現場で拾ってきたもの。





切り欠きがある変わった形状だ。
これも底面にタップが切ってあった。

次にこれは歯磨き用として愛用している銅製コップの取っ手。真鍮製だ。



銅は熱をすぐに伝えるので、熱い飲み物をこのコップで飲むと唇をやけどしてしまう。
取っ手は真鍮なので熱くはならないに違いない。
コップ本体は長年の使用で、夥しい範囲に渡って銅が腐食しているが、渋く、いいあんばいになってきている。



セーム皮で磨いてみた。



エビ茶色の独特のいい色合いだと思う

あとはめずらしい、真鍮製の六角ボルトがあったはずだが、どこへしまいこんだか見当たらなかった。



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鉄製鍛練棒買った

2020-08-29 01:12:19 | 金属
写真の鍛錬棒という商品を買った。



鉄製、六角棒を旋盤加工し、黒色の焼付塗装をしたものだと思われる。

何のために使うのか。
それは、貧弱な坊やのような白く、か細い腕を太くするためである。
男らしい頼り甲斐のある腕に変化させようというわけだ。

学生時代は日曜以外はほぼ毎日運動をしていた。
(最後の1年だけは勉強に専念したが)
だから社会人になって東京に出てきて社員寮に入ったとき、寮生から、結構腕、太いね、なんて言われたこともあった。
しかしそれから30数年、運動らしいことはせず筋力はすっかり衰えてしまった。

30代前半の頃、ブルーワーカーという商品を結構な値段で買ったことがあった。
たくましい筋肉質の体に変身させるための器具だという。
しかし数日使ってやめてしまった。
今は埃をかぶって部屋の隅に追いやられてしまっている。勿体ない。

この鍛錬棒は手で持って、ただ振るだけでいい。
手軽で、何かをしながらでも鍛錬できる。
ものぐさな私にピッタリの器具だ。

学生時代、ある高齢の武道の宗家と呼ばれる方の手首が、普通の男性の3倍以上の太さだったのを見て驚いたことがあった。
その方は若い頃、極寒の地で丸太をのこぎりで切って鍛えたという。

1年後くらいには、太くたくましく、鋼鉄のような硬い腕に変化していることを夢見ている。
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金属の魅力-超高級ドイツ製総鉄製フライパン買ってしまった-

2020-05-31 15:39:20 | 金属
5日くらい前に、超高級ドイツ製、総鉄製のフライパンを通信販売で買ってしまった。
ドイツのターク(turk)というメーカーのもので、熟練した鍛冶職人のアルバート=カール・タークが1857年に創業、150年前の当時と変わらぬ製法で作られ、 現在このフライパンを作ることができる職人は3人しかおらず、 そのため年間8000本しか製造できない非常に手のかかった製品とのことだ。
この謳い文句にすっかり魅了され、結構な値段であったが、金属好きの私は我慢できずに買ってしまったのである('◇')ゞ。

サイズはΦ20cm。
既に総鉄製の厚底フライパンの16cmと24cmのサイズを持っているので、その中間というわけだ。
アマゾンで検索したら結構な数が出品されていたが、並行輸入品が多く、並行輸入品はリスク(偽物?、失敗作?)があるので、ちょっと割高だったが、正規代理店から買った。
サイズは1号(18cm)から8号(36cm)まであり、1号から6号までは2cm刻みのサイズだ。

届いたタークをパッケージから開けてみたら、いかにも手造りという感触。



持ち手が別パーツのリベット止め(下の日本製参照)ではなく、継ぎ目の無い一体成形ものだ。







まず、持ち手以外の鉄の表面が全て、アバタになっていたことである。





ツルツル、スベスベ、モチモチで無い。
表面を艶のあるコーティングなどして見栄えを良くして、ごまかそうとしていない。
アバタ肌でも中身で勝負ということだ。

そしてよく見ると持ち手と皿の境目のカーブが不揃いで、持ち手が少し曲がっているよう見える。
すなわち、日本人のように几帳面で高精度な仕上げをしていないのだ。
少しぐらいの不揃いや形のゆがみは全く関係ない、気にしないということなのだ。
要は見てくれで判断しないで、使ってみてからこの商品の真価を評価してくれ、ということなのであろう。
これがドイツの職人魂なのか?。
日本人とは全く異なる価値観だ。
神経質な日本人だったら、これを見てクレームをつけて返品するだろうな。

このフライパンは初めて使うときに、「焼き慣らし」という作業が必要だ。
商品と一緒に入っていた説明本にこの方法が載っていたので、今日早速やってみた。

まず洗剤をつけて、たわしで洗う。



水を拭いて、フライパンの深さ1㎝くらいまで油を入れる。
新品の油がもったいない。
つい先日、賞味期限を3年くらい過ぎた油が戸棚の奥に隠れていたのを見つけて捨ててしまったが、捨てなければよかった。



塩と野菜くずを入れる。
野菜くずは、昨日作ったカレーのじゃがいもとにんじんの皮を捨てないでとっておいたものを使用。





火を点けて、木べらで炒める。
説明書に木べらと書いてあるから、これを買った。
この木べらはスーパーで698円もしたのだ。高級べらだ。



野菜が茶色になるまでかきまぜながら炒める。



火を止める。油がかなり余った。



野菜と油が冷めていないのに、ビニール袋に捨てたらとんでもないことに。
高音の野菜と油がビニールを溶かし貫通し、床が焦げと油まみれに。
急いで新聞紙で拭く。

最後にフライパンの油を紙で拭き取ってから、お湯で水洗いする。
水を拭きとる。



再びコンロにかけて火を点けて水分を完全に蒸発させる。これで完了。



698円の高級べらの先が、たった1回の使用で焦げ染みとなってしまった。



熱が下がったタークを写真のように吊るしておく。



25年以上使っている24cmと16cmの総鉄製厚底フライパンと横並びで比べて見た。



24cmと16cmは年の離れた兄弟という感じだったが、実は真ん中に弟がいた、という感じか。
ドイツにしばらく行っていて、ドイツの習慣を身につけて帰ってきたので、雰囲気が変わってしまったというシチュエーションにしておこう。

16cmのフライパンの表面をよく見たら、以前赤錆にやられてできたアバタにうっすらと錆びが発生してた。



油断も隙もあったものじゃない。
前にNHKのチコちゃんに叱られるという番組で、鉄の本性は錆びたがっているということが分かったので、使用後は万全の錆び対策をしておく必要がある。

しかし持ち手も含めて一つの鉄の塊を熱し、ハンマーで叩いてこれだけのものを作る技術(これを鍛造という)は手間がかかるし、何よりも熟練を要するものであり、ユーザーにとっては使い甲斐(変な言葉?)を感じるものであろう。
半永久的に使用に耐えるとのことで、先祖代々受け継がれていく道具の一つだ。

こんないいものを買ったんだから、せっせと料理しないとな。





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金属の魅力-超特大銀メッキ加工アルミ製鍋つかみ買った-

2020-05-30 21:26:27 | 金属
1か月くらい前に買った、総アルミ製鍋には弱点が2つある。



1つは、持ち手がアルミ鋳物製なので、鍋に火を通すとすぐにこの持ち手にも熱が伝わり、手で持てない程の温度になってしまうことである。
初めてこの鍋を使ったとき、何も知らなかった私は、今までの雪平鍋(その取っ手は木製だった)と同じ感覚で持ち手を掴んだ時、あまりの熱さに、ギャー、熱い!、と叫ぶほど驚かされた。
2つ目は注ぎ口が無いことである。しかしこういう弱点があってもこの鍋が好きだ。

予期せぬトラウマを経験してから、この鍋の持ち手を掴むときは、持ち手をタオルにくるむことにした。
しかしこのタオルのくるみ方が不完全だと、タオルからはみ出た手が直接持ち手に触れて熱い思いをしなければならなかった。
そこで何かいいものがないかと探しているうちに、実家にいる母が未だ料理が出来ていた頃に「鍋つかみ」というものを使っていたのを思い出したのである。
かすかな記憶では布製の、ちょっと大きめの手袋、それは私が幼い頃に冬にはめていた、親指と指4本の2つに分かれた手袋のような形をしたものだった。
これと同じものがないかアマゾンで探してみたら、けっこうたくさん出品されていた。
いろんな種類があったが、耐熱温度200℃という、表面の素材をアルミに銀メッキを施したものがあったので、これを買うことにした。
サイズも「左右兼用で男女も問わずのタイプなので、どの方でも簡単にご利用いただけます。そして、滑り止め機能高い網状のデザインで作られ、手に持っているものはしっかり固定られ、落ちにくいです。」と記載があったので、これがいいと思った。

一昨日この商品が配達された。
ビニール袋には中国語が。中国から直接仕入れたもののようだ。



袋から出してみたら、これが超特大。
手袋なんてもんじゃない。
長さを測ってみたら40cmあった。



ひじがすっぽり隠れるほどの長さだ。
サイズは余裕。きつくない。

早速、手にはめてみる。



上腕がほぼ覆われる。
これは何のためか。
恐らく、揚げたての天ぷら鍋を掴んだとき、高温の跳ね油が腕の皮膚を直接攻撃してくるのを防御するためなのではないか。
貧弱な坊やのような、いかにも弱々しい腕の白い皮膚を守るのに最適なアイテムと言える。

これはいい。気に入った。
早速これで総アルミ製鍋を掴むために使うことにした。

この超特大手袋にはフックに吊るすことのできる輪っかが縫ってあった。
真鍮製のフックをホームセンターから買ってきて柱にねじ込み、超特大手袋をすぐにはめられるよう吊るした。



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