緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

日本のこれからは?

2011-08-27 23:06:13 | 時事
こんばんは。
今日の夜は涼しくて、外に出てみると気持ちがよかったです。
秋の虫がたくさん鳴いていました。もう夏も終わりに近づいています。
日本の首相が変わるようですね。1年ちょっとの任期だとか。短すぎます。
大きな会社であれば普通、社長の任期は最低でも3年はあると思います。
1年で成果が出せなければクビということなのか。厳しいですね。
重責を担うポストでたった1年で大きな成果を出すことは非常に稀だと思い
ます。他国の首相だって余程の失策か、スキャンダルがなければ辞任あるい
は解任されることはない。もう少し長い目で見てあげられないものなので
しょうか。
同じ政党内での足の引っ張り合いもあるという。野党だけでなく仲間内で
も闘いにエネルギーを使っていては、日本を良くすることはできないで
しょう。
政党全体の問題なのに何故か首相だけがクローズアップされている。なんか
嫌な組織に感じてしまいます。
なぜこんなに早く人を変えたがるのか。贅沢な暮らしができたバブルの時代
を生きた人からすると、今の日本は苦しくなって昔のように豊かな暮らし
が出来なくなってきているから、成果があがらないとすぐにけしからん、
辞めてくれ、ということなのでしょうか。
でも日本がバブルの時代に比べて、だんだんと苦しくなってきているのは
事実です。何百兆円という借金を抱えているのに、昔のようなもっといい暮
らしができるようにしてくれと言っても無理ですよ。
日本の絶頂期は1980年代前半から1988年頃までだと思います。
その頃は、日本のメーカーが安くて品質の高い製品をどんどん開発して、海外
に売り込んで巨額の貿易黒字を生み出していた時代です。日本の電気製品や
自動車は品質が高くて安いから海外でバカ売れしたんですね。
また国鉄や電信公社を民営化し、成功させたのもこの時代。
同時に金満症と言われ、余った金で企業が財テクするようになってきたのが
この年代でもあります。
第二次大戦の敗戦でどん底から這い上がった当時の日本の人たちは、日本
を豊かで幸せな国にしようと、一生懸命ものすごく働いてきたんです。
1960年代後半から1970年代まではすごく活気があった。テレビ番組
もマンガもアニメも映画も真剣勝負の意気込みで作られたものばかりでした
。だから夢中でそれらを見た。
だけど1980年代終わりから1990年代初めにかけてのバブル経済を
経て、バブルの崩壊で日本の成長は止まってしまった。
日本が絶頂期だった頃、本業を忘れて金儲けに走ることなく、どうしたら
日本はもっといい国にしていかれるかということを考えていく政治の動き
というものは無かったと思います。
今の日本の悪さはこの1990年代からここ2、3年前までの時代の帰結
なんだと思います。
現首相がたった1年で今の日本を駄目にしたとは思いません。巨額の財政赤字
もこの期間の政治の悪さが招いたことです。この20年間、真剣に日本の
将来を考えて具体的なことをしてこなかったことの結果ではないかと思いま
す。
金がなければ具体的な対応を出せないのも当然といえば当然でしょう。
この20年間、中国や韓国は日本とは逆に着実に力をつけていた。日本の
知らない間に。だから電化製品などは日本と同じ品質だが安い韓国製が海外
でたくさん売れている。日本の家電業界は経営統合など苦しい状況に追い込ま
れている。中国や韓国よりももっと付加価値の高い高度な製品を生み出して
いかなければならないのに、バブルに浮かれ、豊かさに安住し、バブル崩壊
の後始末をしているうちに先を越されてしまった。
日本製品が売れなくなると企業の収入も減りますから国家の税収入も入って
こない。収入が減っているのに、昔の豊かなころの暮らしを維持しようとして
莫大な借金をしているのが今の日本の現状だと思います。
だからこれからは我慢して国家の建て直しを根本からしていかなければなら
ないと思います。その場しのぎの国債乱発などせず、とにかく我慢できるこ
とは我慢して借金を返し、身の丈に合わせた国家運営をしていって欲しいと
思います。同時に教育にもっと力を入れて、優秀な若い人を育ていかないと。
今は社会人なのに小学校の算数ができない若い人がたくさんいる。仕事を教え
るのにそこから始めなければならない。気が付いたら自分の仕事をする時間
が無くなっている。
日本が1980年代に世界の主要国の仲間入りができたのは、敗戦から立ち上
がり、教育に最も力を入れたからです。私は小学校、中学校と成績は悪かった
が、物事を深く考えたり、真剣に取り組んだりする精神は学校から身につけて
もらった。それが基礎にあるから、ある時期から勉強に力を入れることが
できるようになったんです。





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2011年度NHK合唱コンクールの課題曲を聴いてみた

2011-08-21 22:20:54 | 合唱
こんばんは。
今日も涼しいというかちょっと寒いぐらいの1日でした。明日からまた仕事
です。私の好きな合唱曲の全国コンクールが毎年10月始めに開催されるの
ですが、出場校や課題曲がどうなっているんだろうと気になって、NHKの
ホームページを見てみました。
早いところでは来週後半に地区ブロック大会が行われるんですね。がんばっ
てほしいです。是非いい歌を聴かせて欲しいですね。
さて高校の部の課題曲「僕が守る」を聴いてみました。作詞・作曲者共に
若い女性の方なんですね。
まず詩を読んでみました。シンプルだけどいい詩です。こういうシンプルな
詩ってストレートに気持ちが伝わってきますね。
装飾もなく、また解説も一切要らない。生きるうえでほんとうに大切なこと
をそのままの気持ちで伝えようとしているんですね。
こういう気持ちを歌を通して人から伝えらるってことは、1年前に合唱曲に
出会うまでに殆どなかったですね。
1日の大半が、会社の仕事に追われ朝早くから夜遅くまで仕事をこなすマシー
ンになっていた時、合唱曲に出会ってむさぼるように聴くようになって、
すさんだ心が次第に洗い流されていくことに気付いた。
もちろん私の好きなギターやピアノでも気持ちが癒されることもあるが、合唱
曲で歌う人から伝わる気持ちのエネルギーって凄いです。
合唱曲を歌う生徒の気持ちから多くのことを得ることができる。誰もが持つ
根源的な優しさや、無心で真っ直ぐな気持ち、前に向かっていこうとする強い
決意などを感じることができる。
だから合唱曲を聴きたくなるんです。人の最も大事なものを伝えてくれるから。
テレビで見れるのは全国大会だけであるが、今年も感動する演奏をしてくれ
ることを願っています。
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弦止めについて

2011-08-20 22:35:26 | ギター
こんばんは。
昨日、一昨日と涼しい日が続いていて、暑さに弱い私は助かっています。
以前の私のブログで、クラシックギターの弦をチップで固定する写真で
紹介したことがあります。
通常は弦をギターに固定する際には、下の写真のように弦をブリッジ
(下駒ともいう)に空けられた穴(糸道という)に通して、ブリッジ
上部に固定されているサドル(写真の白い細長いもの)と弦穴上部との
間で1回からませて、弦穴下部で1~3回程度巻きつけて固定します。
巻きつける回数は弦によって異なります。私は1,2弦は3回、3弦が
2回、4~6弦は1回です。



以前3台目のギターを買った時のことなのですが、2台目までは1弦の
弦を固定するために巻きつける回数が2回でも大丈夫だったので、3台
目のギターも何の迷いもなく2回巻きつけて糸巻きのつまみを回して、
調弦していきました。しかし何故か糸巻きのつまみを回しているのに音が
上がっていきませんでした。
なんかおかしいと思いながらも糸巻きのつまみを回し続けたとき突然、
「ピシャン」というものすごい音と衝撃を感じました。
一瞬何が起こったかわからなかったのですが、ブリッジを見たら1弦が
抜けていました。それだけならいいのですが、ブリッジ下部の1弦側の
表面板に痛々しい深い傷が出来ていました。
いわゆる「弦の跳ね傷」というやつです。買ったばかりのギターだったの
すごいショックでした。結構長く落ち込みました。
それに懲りて1弦と2弦は必ず3回巻きつけるようにしています。アリアン
スのカーボン弦のような細い弦は4回巻きつけた方が良いでしょう。
しかしこの弦の跳ね傷というやつは、中古ギターなどでも結構見かけます。
私と同じ失敗をしたんですね。中には跳ね傷を2箇所つけているギター
もあります。傷が出来た原因がわからず、同じ失敗を繰り返したんです
ね。教えてくれる人がいないと繰り返してしまうかもしれません。
さて、弦をブリッジに固定する方法は上の写真のような方法が一般的です
が、この方法ですとサドルと弦穴上部との間で1回弦を絡めるために、その
絡めた弦が上側に持ち上がる力が働くためにサドルと絡めた弦との角度が
浅くなり、サドルに掛かる弦の張力がその分落ちてしまうのです。また、
絡めた弦が上側に持ち上げる力が働くことにより、弦穴上部が調弦時の
弦の摩擦により次第に削れて行き、サドルとの角度ますます浅くなって
弦の張力が落ちていくという悪循環となります。
このような固定方法の欠点を解消し、弦の振動を効率よくブリッジに伝える
ためのツールとして、チップというものがあります。



このチップを使って弦を固定すると、サドルと弦穴上部との間で弦を
絡ませないので、サドルに掛かる弦の張力にロスが生じなくなり、音が
明瞭になります。実際私のギターに使用していますが、使用前に比べて
若干ですが音は良くなりました。
ただこのチップは値段が高いです。ギター専門店で買うと象牙製で6
千円以上します。とても買う気になれない金額ですね。なので私はいつも
の習慣でネットで安くていいものがないかと探して、2千円くらいの
ものを使用しています。
先日、ギターのネットオークションを見ていたら、ある方がチップでは
なく金属性のビーズで弦止めする方法を写真つきで紹介していました。
この方は古いヤマハのクラシックギターについていた弦止めにヒントを
得てビーズで弦を止める方法を試行錯誤の末に考案されたとのことです。
これを見た私は早速このビーズによる弦止めを試してみようと思いました。
まずビーズというものがどこに売っているかわからないので、とりあえず
東急ハンズに行ってビーズを捜しました。アクセサリー売り場にそれは
ありました。しかし金属性のビーズはあるものの穴が大きすぎて使えそ
うにないのであきらめかけた時、裏の方に場所を移すと天然石のビーズ
が売っているのを見つけました。大きさも弦を通す穴も良さそうだった
のでこれは使えると喜びました。
天然石は何種類かあって、名前は忘れましたがエメラルド色のものが
欲しかったのですが、直径6mmのものが無かったのと、強度(硬度)
に不安があったので、結局6mmサイズ(ヘマタイト、252円、12
ケ入り)と8mmサイズ(スモーキークオ、504円、9ケ入り)の
2つを買いました。



早速家に帰ってギターに試してみましたが、直径8mmのものは大きすぎ
てギターの表面板に下部が接触してしまうことが判明、6mmのものを
試すことにしました。しかし6弦と3弦は穴が小さいため穴を広げる
必要があります。
とりあえず、まずは6弦と3弦以外の弦をこの天然石ビーズを使って
固定してみました。糸巻きのつまみを回して調弦していったときビーズ
から弦が外れて表面板を直撃するかわからないため、セルロイドのシート
を下に敷いて固定しました。1弦と2弦は3回巻きつけて結び、3弦と
4弦は2回、(後で5弦と6弦は1回)巻きつけて固定しました。
6弦のビーズがごくわずか表面板に接触しているようなので、後で少し
ビーズの下を削ろうと思っています。





上の写真で分かるかと思いますが、通常の固定方法による6弦と3弦のサド
ルとの角度とビーズで固定した1,2、4,5弦のサドルとの角度を見比べ
てみると、1,2、4,5弦の方が角度が深いことがわかります。
そして6弦と3弦は穴が小さいため、写真のようなナットの溝調整用の金属
ヤスリで穴を拡げて固定しました。







写真を見ると、1~6弦全てサドルとの角度が深くなっています。
全てのビーズの取り付けが終わった後、糸巻きのつまみを慎重にゆっくり
回して調弦していきました。
一応弦が抜けたり、ビーズが割れたりすることなく調弦できました。
で、肝心の音の方ですが、高音弦は取り付けの直後のこともあり、ちょっと
にぶい感じがします、音の立ち上がりが悪いかんじです。しかしこれは
チップを新しく取り付けた直後にもみられたことなので、しばらく弾いて
なじむのを待って成果を判断することになります。
もし象牙のチップと同等以上の効果があれば安価なので嬉しいのですが、
音が良くなるかどうかの判定はしばらく弾いてみないと分からないのと、
ギターとの組み合わせにより効果が得られない可能性もあるため、違うギター
で試したり、天然石の材質を変えてみたり、8mmサイズの下側を削った
もので試してみたりなど試行錯誤が必要と考えます。
なお、この固定方法は強度が完全であるか未だわかりません。
よって試す場合はギターを傷つけないないよう十分注意して、自己責任で
お願いします。
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ナットの自作

2011-08-18 23:44:07 | ギター
こんばんは。
今日はものすごい暑さでした。北海道とは15度くらい温度差があると思い
ます。
以前お盆休みに北海道に帰省した時、夜に寒くてストーブを点けたことが
ありました。そして自宅に帰ったら灼熱地獄で、あまりの温度差に驚いた
ことがあります。
北海道はお盆が過ぎるともう秋です。
さてクラシックギターは弦を張って音を出すのですが、弦の両端を固定する
ための部品として、ナット(上側)とサドル(下側)があります。色は白
っぽく、材質は殆どが牛骨です。下の写真の白い部分がナットです。



サドルの方は以前、ブログに写真を載せたことがあります。
ナットは6本の溝を付けて、その溝に弦が固定されるようにします。サドル
は溝を付けません。
サドルは弦高(フレットと弦との間隔)を調整する必要があるときに、既に
ギターについているサドルを削ったり、あるいは望む高さにするために、新
たに作り直すことが結構あります。材質を牛骨から象牙に変える時も当然新た
に作り直します。
一方ナットの方は、サドルに比べ削って調整したり、新たに作り直すことは
少ないです。それは既に楽器が新品のときにベストの高さで製作されている
からです。サドルの高さが低いと弦をはじいた時にびりつき、逆に高いと
左手の押さえがきつくなります。
左手の薬指で3フレット(フレットのすぐそば)を押さえた後、その薬指を
離さずに、左手の人差し指で1フレットを押さえてまたすぐ離してみると
たいていは1フレット上でわずかな隙間があることが分かります。この隙間
が無いと弦をはじいたときにびり付く可能性があります。隙間が大きいとロー
ポジションの弦高が高くなっていると思われます。この原因として製作後に
製作者の手を離れてからギターのネック(棹とも言う)が順反りした可能性
があります。このような場合はナットを少し削るか、新たに作り直す必要が
あります。
私の持っているギターで、ネックが順反りしたためにローポジション(1フ
レットから3フレットくらい)の弦高が高くて弾きづらいものがあるので、
思い切ってナットを自作することにしました。
今までサドルの自作は結構何度もやったことがあるのですが、ナットの方は
4回目となります。しかし過去3回のうちうまくいったのは1回だけで、後
の2回のうち1つは完全失敗、もう1つはちょっと削りすぎたが、まあ許容
範囲という出来具合で結構難しいのです。
ナットは高さや幅の設定が厳しく、また固定するための溝を彫らなければなら
ないので、その溝の深さによって失敗することもあります。
今回用意したナットの材料が下の写真です。これをベストのザイズになるよう
慎重に削っていきます。



削るための道具一式です。



万力に材料を固定してヤスリで削っていきます。ある程度削れたら、包丁とぎの
砥石やサンドペーパーですこしずつ慎重に削っていきます。斜めに削られないよ
う、下に板を敷きます。そして写真の物差しやノギスでサイズを確認します。





これはナットに溝を彫るための専用のヤスリです。各弦の弦の太さに合わせて
溝を付けるのですが、ヤスリのサイズも弦の太さに合うよう板厚が異なります。




今回は17年度のNHK合唱コンクールのCDを聴きながら作業しました。
これが失敗でした。CDの音楽に気をとられて削りすぎました。ギターに取り
付けたらユルユルです。これでも高さが確保できていれば何とか使えるので
すが、溝も深くしすぎた(あるいはナットの高さが低すぎた)ため、弦を張って
みたら、見事に弦がびりついていました。失敗です。
今度作業する時は作業そのものに集中しなければならないと思いました(
言うまでもなくものづくりの基本ですが)。
失敗はしましたが結構やってみると楽しいものです。


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いい演奏は何度聴いても深い感動を得られる

2011-08-17 13:24:23 | 合唱
こんにちは。
わずかの期間ですが会社の夏休みに入り、北海道の実家に帰省しています。毎日
天気が悪いですが、気温は低く涼しいです。
いつもよりも時間が出来たため、普段は休日しか十分に弾けないギターを弾いたり、
CDを聴いたりしてくつろいでいます。
CDはNHK全国学校音楽コンクール高校の部(合唱)を中心に聴いています。
このNHK全国学校音楽コンクールのCDなのですが、過去の年度のCDがなか
なか手に入らないんですね。私は17~22年度の各年度と、13年度のCDを
手に入れましたが、それ以外の年度は廃盤になっており、中古品として出品されて
いたとしても値段が1万円くらいという信じられないくらい高いんです。
とても買うことができないので、手に入らない年度のCDは、上野の東京文化会館
音楽資料室に行ってCDを聴かせてもらってます。
今回の夏休みは17、18、20、21年度の4枚のCDを実家に持ち込んで、
じっくり聴いているところです。
結局、昨日までの3日間で一番数多く聴いたのは、以前ブログで紹介した21年度
(76回)大会の西条高校の演奏です。3日間で20回以上は聴いていると思い
ます。どうしてもこの高校の演奏のCDに手が伸びてしまうんですね。何度聴いて
も深く感動する素晴らしい演奏です。
今聴いているのは17年度の演奏です。課題曲は川崎洋作詞、寺嶋陸也作曲の「
風になりたい」です。この曲もいい曲です。詩も曲もシンプルですが、注意深く何度
も聴いていると、心に強く響いてくるものがあります。
この課題曲の詩や作曲をした人の気持ち、もっと遡れば人間誰もが持っている根源
的な感情、やさしさや前向きな気持ちといったものを生徒たちがどこまで聴き手に伝え
ているのかを聴き比べてみるのも楽しみです。
私は気に入った演奏があれば何度でも繰り返し聴くし、同じ曲で他の演奏者の演奏
もできるだけ聴くようにしています。そのような作業の過程の中で、聴いた曲や演奏
者が聴き手に伝えようとしているものを感じとることができます。
この17年度の課題曲も女声三部に限って聴き比べをしてきました。聴き初めてから
半年くらい経ちますが、女声三部で出場した高校、5校の中で聴き始めたころに
なぜか心に残る高校が2校ありました。
学校の名前は差し控えさせてもらいますが、2校とも全国大会の常連校ではありま
せん。でもその2校の演奏だけが心に響いてきて、この曲を聴くときはこの2校だ
けをどうしても聴いてしまうのです。
今回の夏休みでこの課題曲を集中して聴いたことにより、その理由が分かってきま
した。
曲の後半で「風のはたらきを心にとめて、私にできる役割を担いたい」という部分
があるのですが、この部分でこの2校の歌声に優しい気持ちがにじみでているんで
す。
この曲の詩は「風になって全ての悩みや悲しみをさっと、吹き飛ばし、うつむく人
の背を押して、太陽に一歩踏み出させたい」、「命の重みと喜びを地球のすみずみ
まで思いを伝えたい」という、内容から分かるように、誰もが根源的に持っている人
に対する優しさや、人に生きる喜びを与えたいという強い希望や前向きなエネルギー
を感じさせられます。作者はきっと、優しい人になってもらいたいという強い願いを
持ってこの詩や曲を作ったに違いありません。
この人に対する優しさや前向きな気持ちが、先の2校の演奏には自然に出ているの
です。聴き始めたころ、何で心に残るのか分からなかったのは、この気持ちが聴き手
に意識的に気づかれなくても、伝わっていたからではないかと思います。
このような気持ちを意識して歌で表現しようと思っても出来るものではないと思い
ます。もともと誰もが持っている根源的な気持ちを指導者が引き出したのでしょうか?
だとしたら凄いことだと思います。また生徒たちがそのような気持ちを出せる環境に
にいたのかもしれません(だとしたら私にとっては凄く羨ましいです)。
賞を取ろうとか、そういう打算的なものを意識におくと、こういう演奏はできなく
なってしまうと思う。だから全国大会の演奏で常連校でなく、また上位の賞を取って
いなくても素晴らしい演奏があることに気づくのです。
合唱コンクールの演奏を聴くと、学校によってカラーというものがあるのも分かるし、
目指しているものも様々であることに気づきます。
人の心の奥まで届き、いつまでも残り続ける演奏というのはそう滅多にないと思い
ます。高い技術に裏打ちされていることも必要です。
でも過去の合唱コンクールのCDを繰り返し聴いていると、少ないながらそのような
演奏に出会うことができます。そのような演奏は何度聴いても深い感動を与えてくれ
ます。
そして聴き手の心に力を与えてくれます。また自分が過去にやりたかったけど、
かなわなかったもの、そのようなものを感じさせてくれます。

PS.自宅に戻ってきたので、17年度CDの写真を下に載せました。
また一部意見を追加しました。





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