緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

弦止めについて(使用上の注意)

2011-09-26 22:33:58 | ギター
こんばんは。
だんだんと寒くなってきました。これからいい季節になってきます。
晩秋から真冬にかけて体調が一番良くなります。
さて以前のプログで、ある方がオークションで金属性のビーズを使って
弦を固定しているのを見て、私も天然石のビーズを使って試みてみた
ことを話しましたが、先日オークションを見ていたら、金属性のビーズ
により弦を固定していたと思われるギターが出品されており、そのギター
のブリッジとビーズの接する部分が破損している写真が掲載されてい
ました。
ブリッジの材質が柔らかいと、ビーズの当たる箇所が凸状にへこむ可能性
がありますので、楽器によっては注意が必要です。
このブリッジの変形を防止するためには、ビーズとブリッジとの間に
当て板を挟む必要があります。
私の場合は、以前スーパーチップを買ったときに付属していた、弦穴付き
の当て板があったので、すぐにこれを利用することができました。



サドルの製作に使用する骨棒や、木片などを加工しても出来ると思い
ます。
下の写真は当て板を装着したところです。





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ユーロ安になってもギターの価格は下がらない

2011-09-25 21:28:37 | ギター
こんばんは。
この3連休は初日は天気予報が外れて雨模様でしたが、昨日は晴天でした。
久しぶりに新宿に行きましたが凄い人の数でした。
昨日の新聞にユーロ安、円高が進み市場不安になっていることが載っていま
した。
円高になると輸入品は安く仕入れられるので、特に輸入ギターなどは価格を
下げて欲しいのですが、いったん定価が決まるとギターの価格は絶対に下
がりません。
逆にユーロ高になると信じられないような上げ幅で値上げしてきます。
2005年に入ってユーロが高騰したことがありましたが、輸入ギターの
中でも販売台数の多い、スペインのホセ・ラミレス(杉・ローズ)の場合、
国内の販売定価がそれまで140万円くらいだったのが、その後ほどなくし
て168万円まで上がってしまいました。
このホセ・ラミレス、1980年代前半頃は65万円、1990年代前半
で85万円1990年代半ばに100万円と20万円前後で上昇してきまし
た。
この動きと連動して、国産ギターもそれまで15年くらい最高価格が80
万円だったのが100万円に引き上げられました。
この30年近くでこれほど値上がりした商品はないのでは? 自動車だって
こんなには値上がりしていない。
つまり生活必需品はそんなに値上がりしていないが、高級嗜好品はすごく
値上がりしたと思う。
あんまり値上げするから、新品のギターは最近なかなか売れなくなってきて
いる。日本経済もかつてほど活況がなく、人々の収入も伸びていないから
おいそれと高い新品のギターを買うことも出来なくなってきています。
だからここ10年くらい中古ギターの販売台数が非常に増えています。
新品は高いから程度が良く、定価の半額以下で購入できる中古品に目が行く
のは当然と言えば当然でしょう。
新品が売れないと、新品を中心に販売しているショップやギター製作家は
大変ですね。だからギター製作などは後継者が育っていないように感じます。
日本でも優れた銘工、例えば星野良充さん、今井勇一さんなどは弟子を
とっておらず一人で製作しているようです。もったいないですね。自分の
持てる技術を後進に継承していく気持ちはないのでしょうか。
自分の製作技術に自信と誇りを持っている方は案外、他人に自分の苦労して
築き上げたものを安易に継承することを拒むのかもしれません。
あと、中古品でも特定の年代に製作されたギターに異常に高い値段が付くこ
ともあります。
先のホセ・ラミレスⅢ世の1960年代に製作されたギターには製作責任者
のイニシャルがギター内部にスタンプで表示されているのですが、信じられ
ないくらい高い値段で販売されています。
1960年代のラミレス工房には後年、独立して有名になった製作家、例えば
パウリーノ・ベルナベなどがいたのですが、そういう人たちが職長となって
製作したギターに高値が付くというわけです。
よくラミレスは1960年代が一番いい、という意見を聞くことがあります
が私はあまりその意見を信じていません。
なぜなら1970年代や1980年代初めのラミレスに非常にいいものが
あるからです。ラミレスⅢ世は常に研究熱心で、楽器の改良に日夜努力
していた方なので、後の年代のギターが優れていることもあるわけです。
巨匠セゴビアだって1960年代のラミレスをずっと使っていたわけでは
なく、70年代、80年代と変遷している。晩年は若きⅣ世の製作したギター
を愛用していたようだ。
高い金額を出してまで古い60年代のラミレスを買おうとは思わないですね。
60年代のイニシャル・スタンプ付きラミレスは後の年代のラミレスよりも
優れている、という話は60年代のラミレスの販売価格にプレミアムを付け
るための口実にされているのではないかと思えてしまう。
今販売されている中古の60年代のものは傷んでいるものが多いです。
また、ある有名な製作家が亡くなった後、その製作家に関係する製作家の
値段がいきなり上がったこともあります。
2005年頃にスペインの銘工、アルカンヘル・フェルナンデスと共に
同じ工房で一緒に仕事をしていたマルセロ・バルベロ・イーホが一番仕事
の出来る年代なのに惜しくも亡くなったのですが、アルカンへルの監修を
受けて製作していたマヌエル・カセレスのギターがいきなり40万円くら
い値上がりしたのです。
2004年頃までは国内定価140万円でしたが、マルセロ・バルベロ・
イーホが亡くなってからいきなり180万円まで上がり、その後数年で
240万円まで上がりました。これほど短期間に値上がりしたギターは聞いた
ことがありません。
カセレスのギターは人によっては絶賛する方もいますが、専門店の中には
あまり評価していない店もあります。
私もかつて4本試奏させてもらったことがありますが、芯の強い個性的な
音がするが、コンサートでは使いにくいギターではないかと感じたことが
あります。
実際プロでコンサートで使っている人は殆どいないのではないでしょうか。
世界的に不況の中、ギターの価格が数年間で数十万円単位で上がっていって
しまうと、極く少数の人しか買えないものになってしまいますね。
海外の銘器と呼ばれる楽器は今まで多くが日本に入ってきていましたが、
これからは中国に流れていくのではと感じます。
中国のクラシック・ギター人口も増えてきているようだし、国際コンクー
ルで優勝する人も出てきています。
これから輸入ギターも国産ギターも、いい楽器を手に入れるチャンスはだん
だん減ってくるのではないかと思います。
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ヴィラ=ロボス 12の練習曲のベスト盤

2011-09-19 22:23:16 | ギター
こんばんは。
クラシック・ギター界に大きな影響を与えたブラジルの作曲家、ヴィラ=
ロボス(1887~1959)の12の練習曲集の聴き比べをしてみました。
手持ちのレコードやCDの中での聴き比べです。

①レントレ(Wolfgang Lendle)
②フェルナンデス(Eduardo Fernandez)
③山下和仁
④福田進一
⑤バルエコ(Manuel Barrueco)
⑥イエペス(Narciso Yepes)
⑦ピエッリ(Alvaro Pierri)
⑧リンハレス?(Ragoberto Linhares)
⑨ペリング(Thomas Muller Pering)
⑩サントス(Turibio Santos)
⑪ブリーム(Julian Bream)

①のレントレ、結構聴き応えがあります。解釈がおもしろい。平凡な演奏
ではない。
②上手いのだが、音が細くて心に残らない。この人の録音は他にも何枚か
聴いたが、音に力強さが無いんですね。いい演奏だとは思うのだが。
③常軌を逸した速さ、心が痛くなります。ポンセの録音の時もソナタ・ロ
マンティカの最終楽章をものすごい速さで弾いているのを聴いて、心が痛く
なったことがあります。
④音が細すぎ、心に伝わってくるものがない。厳しい言い方になるかもしれ
ないが、この人の演奏はどの曲を聴いても後に残らない。
⑤1980年代初めに、セゴビアとは異質の新しい奏法と演奏スタイルを
掲げ、ギターの第2の黒船の到来と言われ絶賛されたが、1990年代に
入ってからあまり絶賛されることも無くなった。90年代の初めにコンサー
トに聴きにいったが、客が驚くほど少なかった。バルエコ本人はそのことに
不満の表情を浮かべていた。
80年代初めの録音と思われるが、無機的な演奏でつまらない。同時録音
のブラジル民謡組曲などは感情が入っていないと思われても仕方が無いと
いうような演奏。
⑥第一番は6弦時代の演奏の方が迫力があった。恐らくこのテンポより早く
正確に弾ける人はいないだろうと思う。中学校時代にロック・ギターをやっ
ている奴にこの演奏を聴かせたら、さぞかし腰を抜かすだろうな、と思って
いた。第9番と12番の演奏が良い。
下の写真は12の練習曲集の出版譜の表紙と第1番の冒頭部の譜面。





⑦パリコンの優勝者で結構知られている。あまり印象に残らない。
⑧聞かない演奏者。演奏は平凡。
⑨佐々木忠の生徒。演奏は平凡でテクニックも甘い。
⑩1965年のパリコン優勝者。1971年に初めて12の練習曲全てを録音した。
演奏はオーソドックスで教科書的な感じがするが、いい演奏だと思う。
使用楽器はフランスの銘工、ロベール・ブーシェだとか。

⑪このブリームの演奏を初めて聴いたのが高校2年生の時でした。1978
年の録音でブリームの最盛期の時の録音です。
この録音はブリームのベスト盤でもあるし、超名演だと思います。



左は高校2年の時に買ったLP、右は高くて買えなかったブリームのRCA
に録音した大全集のCDのコピー(偶然近くの図書館から借りることが出来た)


この録音は長い間廃盤となっていましたが、最近ブリームのRCAの録音か
らの抜粋で発売されたようです。是非聴いてみてください。
凄い演奏としかいいようのない演奏です。
ギターはこのように表現するんだ、ということを思い知らされます。
ギターの表現力を最大限に発揮した演奏、ギター演奏を聴いているというのでは
なく、ブリームの音楽を聴いているという感じです。
長い間廃盤となっていて聴く事ができませんでしたが、この練習曲を練習
中の人は是非聴いて欲しいです。ブリームの底知れぬ音楽の深さに触れる
ことができます。
特に12番のグリッサンドの表現は誰にもできないのではないでしょうか。



どの曲も素晴らしい演奏ですが、2番、7番、9番、10番、12番が特に
聴き応えがあります。
また同時録音のブラジル民謡組曲も超名演です。バルエコの録音と聴き比べる
と天と地ほどの違いを感じるでしょう(ちょっと極端かな。でも私にはそう
感じられる)。





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NHK全国学校音楽コンール(Nコン)ブロック大会を聴いてみた(2)

2011-09-19 21:28:36 | 合唱
こんばんは。
久しぶりの投稿です。ここ2週間ほど仕事が忙しくて平日は4,5時間くらい
しか睡眠が取れませんでしたが、この3連休はゆっくり休むことができました。
さて、私の好きな合唱コンクールでNHK主催のブロック大会(高校の部)が
全て終わり結果がホームページに掲載されていました。
今日は東北大会だったのですが、私の大好きな高校が全国大会に出場できず、
少なからずショックでした。
東北地方、特に福島は震災や原発の影響で大変だったと思います。家族のこと
、生活のこと、将来のことなど、不安な状態で合唱に集中することは至難なこと
だったと思います。
気持ちをすぐに切り替えることは出来ないでしょうが、また近い将来、コンクー
ルに出てきて感動する歌声を聴かせて欲しいと本当に願っています。
全体合唱の映像を見ましたが、泣いている子がたくさんいました。家族や
友だちや大切なものを失った子がいるのかもしれません。
時間はかかるでしょうが、早く地震の影響から立ち直り、安心して思いっきり
歌を歌えるまでに回復されることを切に願ってやみません。
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NHK合唱コンクール(Nコン)ブロック大会ライブを聴いてみた

2011-09-06 23:36:41 | 合唱
こんばんは。
NHK全国学校音楽コンール(Nコン)のブロック大会が行われていました。
Nコンのホームページを見てみるとライブが映像で見られるんですね。
九州ブロックから始まり、9月半ば過ぎまで行われるようです。
おとといは関東甲信越ブロックの大会でした。
早速審査結果を見てみたら、3校も金賞で全国大会に出れるんですね。
やはり地方と違って学校数が多いからなのでしょう。
さてその3校の名前を見た時驚きました。またいつもの常連校が金賞を独占
していると思ったら、私が8月半ば頃のブログで述べた、H17年度大会で
心に残る素晴らしい演奏をしてくれた高校の名前があったのです。
全国大会の直前ということもあり学校名を言うことは差し控えさせてもらい
ますが、正直嬉しかったです。
何年かに1回、10年に1回かもしれませんが、全国大会に出て、自分たちの
全てを賭けて素晴らしい演奏をしてくれる、そういう高校っていいですね。
早速この高校のライブ演奏を聴いてみました。すごくいい演奏です。この高校
いい学校ですね。
全国大会の直前なので、感想はこのくらいにしておきます。本当に頑張って
欲しいですね。陰ながら応援しています。
賞を目指そうというのではなく、聴き手の心を打つような、聴き手の心に長く
残り続けるような演奏をして欲しいですね。
時に音楽は凍りついた心を溶かすほどの力を与えてくれることがあります。
何度も繰り返し聴きたくなる演奏とは、心の奥まで気持ちが伝わる演奏なん
です。頭で色々解釈した演奏からは決して生まれないものです。
今まで高校時代の全てを賭けてがんばってきたエネルギーを出し切ってもら
いたいと思います。
合唱を通して自分たちの無心の思いを出し切ることができたなら、賞の結果
に関係なく、深い満足を得られるに違いありません。
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