緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

中国地方ローカル線の旅(2)

2023-08-16 22:22:37 | 旅行
(前回からの続き)

可部線の車両は電車だった。ローカル線という感じはしない。1番先頭の車両に乗る。座席は長椅子ではなく、両側縦並びの2人掛けだった。







次の駅で中学生の大群が押し寄せて来た。休日なのに学校に行くのか。
沿線はごくありふれた風景だ。住宅、スーパー、マンションなどが密集する。しかし駅は小さい。

古市橋で少し長めの停車。反対側から広島方面の列車が入線してきた。ということはもしかしてこの路線は単線?。単線だ。これは意外だった。線路の両側は住宅などが密集して立ち並んでいる。しかし駅のホームの作りは粗末な感じだった。
陽が差し込んで来たが、気温は高くはない。体が冷えている。

列車は山の方角に向かっているようだ。山の頂上は濃い霧がかかっている。しかし電車で単線というのもめずらしい。通勤、通学の時間帯は過密ダイヤにならざるを得ないだろう。
未だ景観は変わらない。あと10分ほどで終点のあき亀山だ。駅の数が多く、間隔が短い。
可部駅に着く。ここが以前は終点だったようだ。山に近づいている。駅はどれも比較的新しいが粗末な作りだ。

だいぶ陽が差し込んで来た。この分だと、明日は晴れだろう。景観は殆ど変わらない。多分、山に迫ってきているのは間違いない。この山が亀山というのか。平地からいきなりそびえているという異様な感じのする山だ。

12:52あき亀山着。駅舎というものは無い。殺風景な駅だ。無人駅で切符はボックスで回収する。









駅のそばに大きな病院が目立つだけだ。それ以外は、乗車している間、終始見えていた山がすぐ近くにあるくらいだ。
一応、観光マップが掲示してあったが、沿線に古くからの酒蔵がいくつかあるようだ。これらの酒蔵を訪れるとなると半日を要するだろうからやめた。



13:03発の広島行に乗って引き返す。途中、大町という駅で広島高速鉄道(アストラムライン)に乗り換え可能で、可部線の新白島駅で合流可能であることが分かったが、次の芸備線への乗り換え時間に間に合うか分からないのでやめた。



しかし今日はトイレが近い。東京駅で買って飲んだホットほうじ茶300ml入りしか飲んでいないのに3回トイレに行って、今もトイレに行きたいくらいだ。
各駅の周辺には大型店舗も目立つ。人口の多い地域なのだろう。途中、広島駅近くの駅付近、左手に大きな川と河川敷が見えた。行きのときには見えなかった風景だ。

13:44広島着。改札を出る前に立ち食いそば屋でそばを食べる。かき揚げそばにした。520円。かき揚げは大きくて紅しょうがが中に入っている。衣が大きく、関東で食べるかき揚げとは全然違う。広島のかき揚げはみんなこんな感じなのか。



ショルダーバックをテーブルの下の棚に置いていたら、いつの間にか床に落ちてしまっていた。床にこぼれていたそばのつゆがバックを直撃し、染みを付けた。ウヒャだ。
ウェットティッシュに店の消毒用のアルコールを大量に染みこませてふき取る。

14:35発、芸備線の発車まで時間があるので駅構内のみやげ物屋に入って日本酒を見ることにした。広島の有名な酒が置いてあったが、自分としては今日の宿泊地、三次の地酒が飲みたいので見送った。三次の地酒、美和桜が置いてあったが、1,744円と高いのでやめた。三次駅前に酒屋があるかどうかだ。無かったら失敗だけど。

(次回に続く)
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ヴラディーミル・ソフロニツキー演奏、シューベルト作曲「即興曲Op. 90, D. 899 : No. 3」を聴く

2023-08-16 00:01:15 | ピアノ
シューベルト作曲「即興曲Op. 90, D. 899 : No. 3」でなかなかいい演奏が見つかった。
ヴラディーミル・ソフロニツキー(1901-1961)演奏。

ソフロニツキーの演奏に初めて触れたのは今から7、8年くらい前だったろうか。
ベートーヴェンのピアノソナタの聴き比べをしていた時に彼のCDを何枚か買って聴いたことがあった。
録音は少ないが、評価は高いという印象だった。

西側諸国には全くといっていいほど演奏旅行に行かなったことや録音が出回らなかったために、20世紀末まで殆ど知られていなかったようだ。
ウィキペディアに次のようなコメントがあったので掲載させていただく。

「ソフロニツキーは西側において、全くと言ってよいほど演奏旅行を行わず、また録音も出回らなかったため、ほとんど無名の存在だったが、ソ連国内においては高い評価を受けていた。スヴャトスラフ・リヒテルとエミール・ギレリスは、ソフロニツキーを巨匠と呼んで心酔していた。ある日のこと、ソフロニツキーが陶然として、「ギレリスは天才だ!」と叫んだ時、リヒテルは「ギレリスが天才ならあなたは神です」と答えたという。またギレリスは、ソフロニツキーの訃報に接した時、「世界で最も偉大なピアニストが亡くなった」と語ったと言われる。
ソフロニツキーの録音は、西側では少ししか入手することができない時代が20世紀末まで続いたため、リヒテルより幻の存在であった。BMGレーベルの“Russian Piano School (ロシアのピアノ楽派)”シリーズにおけるシューマンの演奏が、このピアニストの本質を良く捕らえており、摩訶不思議で夢見心地で、しかも移り気な表現が特徴的である。フィリップスの「20世紀の偉大なピアニスト」シリーズでは、ショパンのマズルカやワルツの繊細多感な解釈に加えて、スクリャービンの《トリル・ソナタ》や《焔に向かって》の圧倒的な演奏を聴くことができる。
日本では、デンオンから数々の音源がCDに復刻されていた。現在はVista Veraが遺された録音の全集の復刻作業を進めており、西側のみならず全世界で購買が可能となっている。ソフロニツキーの録音は、極めて強烈で個性的なピアノの魅力を効果的に引き出した、20世紀屈指の個性の記録である。」


この曲の演奏を聴くと、まず音に力強い生命感があり、聴き手の心の奥まで届くような感情に満ちていることが分かる。現代の綺麗に上手くまとめている奏者とは全く対照的な演奏と言える。
この曲は美しい旋律の裏で、かなり生々しい陰陽の感情に満ち溢れている音楽であり、この感情をいかに芸術性を持って表現できるかが最大のポイントと言える。
そのために小品でありながら表現力を問われる極めて難しい曲なのではないかと思う。

ソフロニツキーのこの録音は、最初かなり特異に聴こえるかもしれないが、何度も聴きたいという衝動に駆られる。
恐らくこの曲のベストのうちに数えられる名演だと思う。
下にYoutubeの録音を貼り付けさせていただく。

4 Impromptus, Op. 90, D. 899 (Excerpts) : No. 3 in G-Flat Major
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