晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

北村薫 『水に眠る』

2020-09-12 | 日本人作家 か
9月に入って、日中はまだまだ暑いですが、夜はいくらか過ごしやすくなったような気がします。でももしコロナが無ければ、あの8月の猛暑の中でオリンピックをやってたと考えたら、大量の熱中症患者の対応で大変だったでしょうね。どうせだったら夜は墓場で運動会でもやればいいんですよね、参加資格は生きてる人間じゃないですけど。

そんなワイドショーみたいな戯言はさておき。

北村薫さんの短編です。シリーズものでの短編と中編は読んだことはありますが、1話完結の短編ははじめて。

親からお見合い話が来るような年頃の女性の家に、不思議な電話が・・・という「恋愛小説」
状巣に連れて行ってもらった特殊なバーの特別な水が・・・という表題作の「水に眠る」
同僚の男性の高級そうなネクタイが・・・という「植物採集」
ある家電メーカーで新商品を開発した男の娘が・・・という「くらげ」
不思議な発想の妻が放った蚊と蝿の対戦・・・という「かとりせんこうはなび」
一妻二夫という法律がある世界で、とある一家に二番目のパパが・・・という「矢が三つ」
書店を開いて、そこにアルバイトの女子高生がやって来て・・・という「はるか」
むかし俳優をやっていたという老人の話が・・・という「弟」
妻の妹が受験で家に来て・・・という「ものがたり」
あるカップルがドライブデートで海へ行って・・・という「かすかに痛い」

なんといいますか、全体的にふんわりとしたファンタジーっぽく、まあたぶん北村薫さんは殺伐とした気が滅入る文章とかあまり書かないと思いますから、そこらへんは北村薫さんぽい作品だな、と。


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