晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

鈴木光司 『リング』『らせん』『ループ』『バースデイ』(再読)

2012-04-15 | 日本人作家 さ
『リング』『らせん』『ループ』の3部作、そしてこの3作のアナザー
ストーリーの『バースデイ』は、このブログをはじめた当初に投稿
して、記事を読み返してみると、あまり内容を理解できてなかった
印象があって、もう一度ちゃんと読んでみることに。

『リング』
新聞記者の浅川が偶然乗ったタクシーの運転手から、心臓麻痺で
死んだバイクに乗った青年の話を聞き、浅川の姪も同じく心不全で
突然死したことを思い出し、しかもそれらの日時がほぼいっしょと
いうことに気付いて、調べていくうちに他にも2人がこの時刻にやはり
心臓麻痺で死亡していたことがわかり、4人は生前に箱根のリゾート
施設に泊まっていたことを突き止めます。

4人が泊まったリゾート施設のコテージに行った浅川は、あるビデオを見ます。
不思議な文字が出て、火山の噴火、方言を話すお婆さん、悪意を持った顔が
いっぱい出てきて、そして肩に傷のある男のアップ、丸い枠から何かが降って
きて、最後に「この映像を見たら一週間後に死ぬ、死にたくなければ」と、ここで
重ね撮り。浅川は気持ち悪くなってしまいます。

これはひとりで解決できる問題じゃないと、浅川は高校時代の友人、高山に
相談。高山はダビングして見せろと言い、この映像の解明に。どうやらこの
映像は、誰かの念写らしいということで、超能力者の研究をしていた人の資料
を見てみると、お婆さんの話していた方言=伊豆大島、火山は大島の三原山、
そして、大島出身の、山村貞子という女性を探し当てるのですが彼女は生きて
いるのか・・・

『らせん』
ビデオを見てから一週間後に高山は死んでしまい、浅川は生き残ります。
浅川は、死なずにすむ方法はビデオをダビングすることだと分かり、映像
を見てしまった妻と娘を助けるために、ダビングした映像を他の人に見せ
ますが、なんと妻と娘は死んでしまい、ショックで交通事故を起こし、意識
不明の重体。

高山の大学時代の同級生、安藤は高山の遺体を解剖。そこで、解剖後の遺体
の縫合部分から、新聞の切れ端のような紙が出てきます。そこには謎の数字が。
高山が死ぬ間際に電話を受けたという高野舞という女性は、安藤から死因は
心臓に出来た“腫瘍のようなもの”と聞き、生前の高山は健康体だったので
不思議に思います。
電話口で最後に発した絶叫は何だったのか、舞は調べてみることに。一方
安藤も、この腫瘍は絶滅したはずの天然痘に酷似していると知り、調べてみる
と、亡くなった浅川の妻と娘にも同じく心臓に天然痘のような腫瘍が。

この腫瘍を詳しく分析してみたら、そこに奇妙なDNAの配列があることを
見つけます。
高山は生前、浅川と「暗号遊び」に凝っていたことがあり、これは高山からの
暗号メッセージなのか・・・

舞は、高山の原稿を探しに実家に行きますが、そこでビデオを発見。例のビデオ
を見てしまいます。浅川は舞に連絡を取ろうとしますが電話に出ず、心配になって
大家から鍵を借りて部屋に入ると誰もいません。しかし浴室に何者かの気配が・・・

数日後、高野舞は、マンションの近くの雑居ビル屋上で死体となって発見され
ます。しかしそこで奇妙なことが。なんと彼女は妊娠、出産していた痕跡があった
というのです・・・
安藤は、高野舞の姉と名乗る女性と出会うのですが、この女性の正体は・・・

『ループ』
馨は好奇心旺盛な小学生、ある日、世界地図と重力の分布図を照らし合わせて
みたら、アメリカの西部、砂漠地帯に特に極端な重力異常があり、いつの日か、
ここに家族旅行に行こうと約束。
しかし、馨の父、秀幸はガンにかかってしまい、それから十年、馨は医大生に。
「転移性ヒトガンウィルス」という新種のウィルスは、父の勤めていた研究所
の職員が多く罹病しているらしく、その治療法はまったく分かりません。

秀幸が研究をしていた「ループプロジェクト」を聞きに、元同僚を訪ねる馨。
そこで、「ループプロジェクト」の元研究者のアメリカ人から、転移性ヒト
ガンウィルスの治療法が見つかったかもしれない、と教えてもらいます。
「その鍵をにぎるのは『タカヤマ』だ」と・・・

そんな中、馨はガンで入院している男の子の勉強を教えてあげることに。その
母親、礼子の美しさに馨は恋に落ちてしまいます。
やがてふたりは結ばれますが、息子にバレてしまい「あとはちゃっかりやってよ」
という遺書を残し、息子はビルの屋上から・・・

失意の中、なんとかウィルスの治療法、そして「タカヤマ」とは何かを探しに
アメリカへ旅立つ馨ですが・・・

『バースデイ』
これは、3作の短編になっていて、高野舞がどうやって妊娠、出産し、そして
死んでしまうのか、の経緯という話の「空に浮かぶ棺」、大島から上京し、劇団
飛翔に研究生として入った山村貞子と、彼女と交際をしていた男の話の「レモン
ハート」、そして、馨の子を妊娠した礼子の話の「バースデイ」。

久しぶりに読んでみて、また怖くなって夜中にトイレに行けなくなったら嫌
だなあ、と心配しましたが、免疫ができていたせいか、そこまでではありま
せんでした。
『ループ』は、はじめて読んだときは話の展開にあまり納得できてなかった
のですが、改めて読んでみて、そもそもビデオを見て病気になったり、あまつ
さえ妊娠などという現象をどう説明できるのか、今度は「なるほどー」と満足。
要は理解力が無かったということですね。反省。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朝倉卓弥 『四日間の奇蹟』... | トップ | J・R・R・トールキン 『... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本人作家 さ」カテゴリの最新記事