晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

セバスチャン・フィツェック『ラジオ・キラー』

2019-07-16 | 海外作家 ハ
さて、ここんとこずっと1か月に1回しか投稿できてませんが、
本が読めていないというわけでもありません。

病院など待ち時間が長いだろうなという場所に出かけるとき
に、長編の単行本は持って行くのが面倒なので、そういうと
きに重宝なのが短編の文庫。
「鬼平犯科帳」「剣客商売」など何度も読んでも面白いので
非常に助かります。
でも1~2時間で1冊読み終わることもないので、家に帰って
も続きを読むわけ。すると1巻を読み終えて次は2巻・・・と
全部読んでしまうことに。

相変わらず与太話ですが、このままじゃ未読の本がいつまで
たっても未読なままなので、ついに手に取ることに。

海外の小説です。久しぶりです。

ツイッターで本好きな方や出版関係の方や評論家、翻訳家の
方などをフォローしてまして、セバスチャン・フィツェック
という名前はチラチラと出てきまして、いつか読もうと思っ
てはいました。

海外の小説というとアメリカとイギリス、まれにカナダやア
イルランドやオーストラリアといった英語圏がメインになる
とは思うのですが、最近読んだ中ですとピエール・ルメート
ルですか、フランスの作家ですね。フィツェックはドイツ人。

ベルリンのラジオ局で、人質立てこもり事件が発生します。
犯人は、ラジオの生放送中にリスナーに電話をかけて、相手
にキーワードをしゃべらせます。ですがそのキーワード以外
の言葉をしゃべってしまったら人質を一人ずつ殺していく、
というサイコっぷり。

警察は、ある「交渉人」を呼ぶことに。イーラという女性で
犯罪心理学者。しかし彼女はプライベートで問題を抱えてい
てアルコール依存となり、とうとう自殺まで考えます。
そんなときにベルリン警察特別出動隊からこの事件が知らさ
れ、イーラは現場に。
ところが現場を指揮する本部長はイーラに犯人との交渉の任
務をさせることに反対。

ところでこの犯人、奇妙な要求をします。

それは、先日、交通事故で亡くなった恋人を連れてこい、と
いうもの。もしかしてこの犯人、頭がアレなのかしらと思う
イーラでしたが、本部長の反対を振り切って犯人と交渉に。

すると、恋人はたしかに生きている、その証拠もあるという
のです。イーラは、犯人との会話で言葉の特徴からこの犯人
は非常に知能が高く、特殊な資格(医学や法律関係)を所持
していると分析します。

そうこうしていると、犯人のいう「ゲーム」がスタート。
リスナーに電話をすると、出た相手は「もしもし」とキーワ
ード以外の言葉を話してしまいます。すると受話器の向こう
側から銃声が・・・

犯人の要求とは本当なのか。犯人はもっと影響力のあるテレ
ビを使わずなぜラジオなのか。

イーラにとって最悪の知らせが。なんと人質の中にイーラの
娘がいると・・・

犯人の恋人が死んだというのが嘘だとしたら交通事故も偽装
だったということになるのですが、話はこの問題だけにとど
まらず、最終的に国を揺るがす大問題に。

久しぶりに読んだサイコスリラー。海外のミステリー系に
ありがちな、犯人は人間離れで捕まえる側も神がかり的な
やつではなく、しっかりと「人間対人間」で描けていて、
ストーリー展開もスピーディーかつ重厚で、とても充実。

この作品は2作目で、本の帯に「話題作『治療島』に続く第
二弾!」とあったので、てっきりデビュー作と登場人物が
一緒の続編的なやつかと思ってたのですが、違いました。





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