晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ケン・フォレット 『モジリアーニ・スキャンダル』

2017-09-24 | 海外作家 ハ
久しぶりの海外小説です。というよりは時代小説以外の
本を読んだのが久しぶり。どのくらいぶりかというと5月
のはじめ「万城目学『偉大なるしゅららぼん』」以来
ということで、というか、今年に入って今日現在まで
45冊分の投稿をしていて、うち時代小説ではない現代
小説(海外作品含む)は8冊。

このブログに(時代小説専門)というサブタイトルを
付けないためにも、ちょくちょく現代や海外の作品を
読まねば。

さて、ケン・フォレットですが、けっこう好きです。
まだ日本で発売されている分をコンプリートしている
わけではありませんが、未読の作品を見つけたらとり
あえず買います。先日も今回読んだ作品ともう1冊購入。

モジリアーニとは、アメデオ・モジリアーニという
イタリア人の画家。20世紀初めにパリで芸術活動。
35歳という若さで亡くなっているのですが、生前の
評価は低く、ゴッホのように、死後に評価が高く
なり、あとがきによれば、1989年に大阪市が購入
した「髪をほどいた横たわる裸婦」がなんと20億
円。「20円置くんちゃいますよ」と思わずトミーズ
のネタが出てきてしまいます。

まあ、酒とドラッグと貧困と結核によって夭折した
伝説的画家ということでだいぶ過大評価されたよう
ですが。

物語は、パリに夏季休暇で滞在している芸術学で
博士論文を書こうとしている女子学生のディーが、
モジリアーニの(幻の作品)がどこかに存在する
と知ったことから始まります。

これを、ディーの叔父でロンドンの画廊のチャールズ
・ランぺスに手紙で報告します。
姪からの手紙を見たランぺスは、ちょうど良いタイ
ミングだと(モジリアーニ展)の開催を計画します。

これに怒ったのが若手芸術家のピーター・アッシャー。
自分の個展を延期してモジリアーニ展をやると聞いて
パーティーの席でランぺスを罵ります。

アッシャーの作品は、ほんの前までは高値をつけたの
ですが、最近は1枚も売れず、現在は美術学校の講師
をしています。

家に帰ると友人のミッチが来ていて、恋人のアンが
何気なく「贋作を描くのは原作者と同じくらいの
才能がないとダメなの?」と質問すると、アッシャー
とミッチはサラサラとゴッホの絵を描きます。
アンは冗談で「もし失業してもこれで生活できるわね」
と言ったのですが・・・

一方、ディーは友人で女優のサマンサにも「これから
イタリアに行ってモジリアーニの幻の作品を探しに行く
わ!」と絵葉書を送っていて、これをサマンサの知人で
画廊経営をこれから始めようとしているジュリアンという
男がたまたま見ます。
ところで、サマンサは女優業で問題を抱えていて、そん
な時に出会ったトムという男にたちまち惹かれます。
じつはこのトム、詐欺師だったのです・・・

ディーは恋人のマイクとふたりでイタリアにいます。そこ
で、イギリス人の男に声をかけられます。その男は「ある
絵を探しています」と言うのですが・・・

ジュリアンもディーより先にモジリアーニの絵を見つけて
やると追跡します。

アッシャーとミッチ、アンはロンドンじゅうの有名画廊に
ゴッホやムンクの(贋作)を売ろうとして・・・

ディーは追っ手より先にモジリアーニの幻の作品を見つける
ことができるのか。
アッシャーとミッチ、アンは贋作を売って得たお金である事
をしようとしますが・・・

関係のなさそうな話が徐々ににつながって、最終的に「おー」
と驚くこと間違いなし。

この作品は、フォレットの出世作「針の眼」の前に書かれて
いたそうで、当時は別名義のペンネームだったそうです。
書かれた順番どうりに出版されるとは限らないもので、以前
読んだある海外作家の作品は、シリーズ3作目が国内初出版で、
1,2作目はその当時で発売未定という酷いものもありました。

いずれにせよ、裏表紙のあらすじでは「野心作」と評している
ように、その後書かれたフォレットの作品に比べるとプロット
に気を使いすぎてる感が強くて、作品にのめり込むまで時間が
かかりましたが、それでものめり込み始めたと思ったらあっと
いう間に読み終わってしまいました。



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