晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

ジェフリー・アーチャー 『プリズン・ストーリーズ』

2010-03-30 | 海外作家 ア
この作品は、著者ジェフリー・アーチャーが2001年から
2003年まで、刑務所に収監されていたときに、囚人仲間
から見たり聞いたりした話を小説にした短編集。
刑務所内での話はノンフィクション小説として出版されて
いるものの、そのノンフィクションでは載せられなかった、
ちょっとした話をまとめて、ほかにも、海外の面白話など
もあります。

それぞれがユーモラスで、シニカルな作品になっているのです
が、ちょっと気になるのが、中には、ある一定レベル以上の英語
を理解できるか、あるいは海外の文学に詳しい人でなければ
その意味がわからない「オチ」があり、はたしてどれだけの人
が分かるのかと余計な考えを持ってしまいました。

それは、「もう10月?」という作品で、アイルランド人で出稼ぎ
でイギリスに来るも、仕事がなく、寒い冬をしのぐために故意に
軽罪を犯して10月から春の間、収監される、といった話で、この
オチが、
「リバプールの建築現場で働いてるときに、いまいましいイギリ
ス人現場監督が、偉そうに梁(ジョイスト)と桁(ガーダー)の違い
を知ってるか、と聞いたんだ。でももちろん知ってたさ、ジョイス
は『ユリシーズ』を書き、ゲーテは『ファウスト』を書いたんだよ」

かなり難易度の高いというか、高尚なというか、もちろん知っていれ
ば「ニヤッ」とすること請け合いなのですが。

他の作品「めざせダウニング街10番地」でも、イギリスの政党の
党首選挙に3人の立候補が出て、ひとりが本命のスマートな候補、
もうひとりが若いだけが取り柄の候補、そして最後に高齢の候補。
ある新聞がこの3人の候補者を豆に例えて、本命が「ストリング
ビーン(さやえんどう)、若いのが「ジャンピングビーン(ぴょんぴょん
豆)」、そして高齢の人が「ハズビーン(過去の人)」という、こちらも
ちょっと難易度の高いネタ、というかシャレ。

さまざまな知識を吸収することでより理解が深まるものもあるので、
学校での勉強以外にもまだまだ勉強は必要だなあ、と思わされました。


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