晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

リチャード・ノース・パタースン 『罪の段階』

2009-08-08 | 海外作家 ハ
この作品は、「ラスコの死角」という作品の続編で、経済犯罪対策委員会
クリス・パジェットとメアリ・キャレリが裏金問題の絡む政界スキャンダルを
暴くというもので、『罪の段階』は、その後、クリスはカリフォルニアで弁護
士事務所を開業、メアリはジャーナリストに転身してからの話となります。
ふたりの間に生まれたカーロという男の子は、はじめメアリの実家で育て
られていますが、心を閉ざしてしまい、クリスはカーロを引き取ります。

と、ここまでは、クリスとメアリ、そしてカーロの背景で、事件はメアリがカ
リフォルニアを訪れクリスとカーロに数年ぶりに再会、その翌日、メアリは
ある男を銃で撃ってしまいます。

その男とは、マーク・ランサムという有名作家で、メアリはサンフランシス
コのホテルでランサムと面会する予定があり、レイプされかけて銃が暴発、
警察に連行されたメアリはクリスを呼ぶのです。
ランサムはメアリに、事故死したある政治家と有名女優との異常な関係を
証明するカセットテープを持っており、この女優の本を書いて、メアリの出
演する番組で宣伝してほしいと依頼している最中に襲われたと供述。
クリスは、正当防衛と、この醜悪なテープが世に出ることを防ぐために不
起訴を要求しますが、検察側はホテルの捜査、遺体の検死の結果、メア
リの供述は疑わしい部分が多く、メアリは殺人で起訴されてしまいます。

さらに、ランサムの自宅からは、15年前の政界スキャンダルでメアリが
嘘の証言をしたと告白する、カウンセリングを受けている時のテープが
発見され、このテープが公になれば、クリスも嘘の証言を手伝っていた
ことがばれてしまいます。

はたして、クリスはメアリの無罪を勝ち取ることができるのか、そしてこの
事件によって明るみになるメアリ・キャレリのもうひとつの罪とは・・・

『罪の段階』で描かれた裁判から数年後、クリスは法律事務所の助手テリ
ーザと恋に落ち、ふたりがイタリア旅行に出かけている時に、テリーザの家
で離婚係争中の夫が銃で自分の頭を打ち抜いて死亡しているのが発見され、
側には遺書があり、警察は自殺を疑い、死亡推定時刻はクリスとテリーザが
イタリアに出発する前夜と判明し、クリスは殺人容疑で逮捕…というのが
「子供の眼」というタイトルの続編。
先にこの続編を読んでしまっていて、文中に「キャレリ裁判」がたびたび出て
きておおまかには説明されていたのですが、ようやくその詳細がわかって、
スッキリしました。
コメント
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