非国民通信

ノーモア・コイズミ

気にするべきはそこじゃない、と思った

2014-09-16 23:06:17 | 社会

「妊婦マーク」男性6割知らず=育児支援策、認知度低く(時事通信)

 内閣府が13日に発表した「母子保健に関する世論調査」によると、妊婦が身に付けて周囲に知らせる「マタニティマーク」を男性の6割近くが知らないことが分かった。ダイヤル「#8000」でつながる小児救急電話相談の存在を知っている人も1割にとどまった。少子化解消への取り組みが急務となる中、育児支援策が十分に浸透していない実態が浮き彫りとなった。

 同種の調査は今回が初めて。今年7月、全国の成年男女3000人を対象に面接方式で行われた。有効回収率は62.3%。

 公共交通機関などで妊婦への配慮を促すために導入されたマタニティマークについて、言葉だけも含め「知っている」と答えたのは、女性63.8%に対し、男性は41.4%。60歳以上は男女でも半数に満たなかった。

 

 ……という報道がありました。先日は朝日新聞の吉田「調書」報道に関して見出しを使った悪質なミスリーディングであると書きましたが、しばしば記事の中身以上に見出しの記述が印象を左右してしまうこともあるように思います。見出しの付け方にはセンスと共に誤解を生まない誠実さが求められるところ、この辺は私も苦慮することが多いのですけれど、今回の記事はどうでしょうね。率直に言えば、「大事なのはそこ?」という印象がないでもありません。

 問題のマタニティーマークは、これです。私などは結構、見る機会が多いのですが恥ずかしながら呼び名は初めて知りました。アンケート回答者の場合はどうなのでしょうか。見たことはあるけれど、マタニティーマークという名称までは知らなかった、「マタニティーマーク」という言葉を聞いて街中で目にしたあのマークのことであると分かった人が少なかっただけではないかという気もします。面接方式云々と伝えられていますが、果たして調査対象者にどんな尋ね方をしたのやら。実際に上のマークを見せて「このマークを見たことがありますか?」と聞いたなら、結果は随分と異なったのではないかと思われます。

 そしてこのマーク、読者の皆様がご存じであったかどうかはさておき、意味はおわかりでしょうか。マタニティーマークと言われてピンと来ない人でも、見ればだいたい何を示しているかは分かるような気がします。そして大事なのは、そっちの方です。言葉を知っているかどうかではなく、このマークと付けている人を見て、その意味するところを理解できるのかどうか、調査されることに意味があるとすれば後者の方ですよね?

 なおマタニティーマークを「知っている」と答えたのは、女性63.8%に対し、男性は41.4%。しかし60歳以上は男女でも半数に満たなかったとのこと。60歳未満では男女で認知度の差があるけれど、60歳以上では報道されるほど大きな差はなかったのでしょうか。そうは言っても、60歳以上の人にマタニティーマークを見せて、「これがどういうことか分かりますか?」と尋ねれば、大半の人は正答できるように思います。このマークを見て何のことか分からない人が多いとなれば問題ですけれど(そうであればデザインが悪いと反省されるべきでもあります)、「見れば意味するところは分かる」のなら、その名称が知られているかどうかは、あまり大事ではないはずです。

 

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