非国民通信

ノーモア・コイズミ

そのうち消えると思う

2010-04-11 22:59:43 | ニュース

藤井氏「サムライ」石原氏「たちあがれ」 新党名で議論(朝日新聞)

 「ありがとう日本」「頑張れ日本」――。平沼赳夫元経済産業相らが結成する新党の名前をどうするのか。まとまるまでには、新党メンバーらと「応援団」の石原慎太郎・東京都知事の間で熱い議論があった。

 党名をめぐっては、藤井孝男元運輸相が「サムライ」を主張。だが、他のメンバーが「日本」を入れることにこだわった。「サムライ日本」は似たタイトルの流行歌があるため採用されず、いくつかの案から、石原氏が言った「たちあがれ日本」に決まった。

 この新政党が国政に影響を及ぼせるとは考えられないのでスルーしようかとも思ったのですが、色々とネタ度が高いので「せっかくだから」取り上げます。まず党名は「たちあがれ日本」だそうで、なんだか「フォルツァ・イタリア」の二番煎じみたいな印象を受けますが、サムライ云々に比べればまだオリジナリティはあるでしょうか。どうせなら「障子を突き破れ日本」と称して、党旗は中央に赤丸の入った障子紙を突き破るデザインにすれば彼ら「保守」が体現する家父長的、男根主義的な理念にも適ったデザインとしてばっちりではないかという気がするのですが、まぁお爺ちゃんばかりですから難しいですよね。

「与謝野・平沼新党」のお笑い(日刊ゲンダイ)

 なぜ、新党を結成するのか、まったく分からない「与謝野・平沼新党」。予想通り、国民の評判も最悪だ。「期待する」は、わずか27%、「期待しない」は65%に達している。7月の参院選に10人程度の候補者を擁立する予定らしいが、当選者の見込みは限りなくゼロに近い。早くも参院選後の解党・消滅まで囁かれる始末だ。

 新党は8日にも旗揚げされる。主要メンバーは、与謝野馨(71)、平沼赳夫(70)、園田博之(68)、藤井孝男(67)、鴻池祥肇(69)の5人。鳩山邦夫(61)もいずれ参加とみられているが、全員、還暦を過ぎた老人。年齢は近いが、思想信条はバラバラだ。

(中略)

 これでは、40代、50代の中堅・若手がついていくはずがない。平沼グループの城内実(44)や、与謝野を慕っていた後藤田正純(40)も合流しない方針だ。

 で、見事なまでに高齢者が揃っています。この辺は何かと揶揄されるところで、巷には「シルバー新党」などと呼ぶ声すらあるそうです。引き際を考えざるを得ない年代の議員ばかりでは、そのうち自然消滅してしまうことすら懸念されます。しかし、この点だけはむしろ評価したいですね。とかく政治の世界は年齢が若い方が国民のウケが良い、若いというだけで改革を期待されて肯定的に取り扱われる一方で、逆に老年であるというだけで古くさいイメージを押しつけられ、「老害」と呼ばれ、さっさと引退しろとばかりに扱われる有様ですから。そうした中で「若さ」という肯定的なイメージに頼らない政党運営は、ポピュリズムに背を向けるものとして高く評価されてもいいのではないでしょうか。政治は年齢でやるものではないというところを見せてほしいものです――が、この党に集まった連中は年齢如何に関わらずダメな人ばっかりですね。

与謝野・平沼新党は本当に民主離反票の「受け皿」になりえるか(DIAMOND online)

 率直に言って、この新党は、民主党を離れる票の受け皿というより、自民党を離れる票の受け皿となるだろう。自民党に不満や失望感を持つ長年の支持者たちの避難所の役割を果たすと言ってよい。

 与謝野、平沼、園田の3氏は、言わば「プロ好みの政治家」だ。それだけに、一般国民に対する発信力や浸透力に不安がある。小泉純一郎元首相とは反対のタイプの政治家だ。

 民主党から多くの支持者が離反してきているが、その大半は無党派層、浮動票と言われる人たちだ。新党の幹部にとってはむしろ苦手とする有権者だろう。だから新党が民主党離反票の受け皿となることはきわめて難しい。民主党がこの新党の動きに冷静なのは、その点を察知しているからだろう。

 ダイヤモンドですが、この分析は外れていないと思います。彼ら3人が本当に「プロ」に好まれるかどうかは怪しいところですが(良識ある人なら平沼なんか支持しないと信じたいです)、ポピュリストとしての資質を欠いていることは間違いありません。平沼はポピュリズムを相手にしても地盤の強さで選挙戦を勝ち抜く、ある意味ではクラシックな政治力の持ち主ですけれど与謝野は比例区で復活するのがやっとの、選挙に弱い=無党派層からの支持を集める能力の低い議員ですからね。擁立できる候補者の質にもよりますが、現時点でこの政党が大きくなるとは、とても考えられないわけです。

 だいたい、平沼と与謝野では政策上の繋がりがない、たしかに小泉以降の自民党は極右と構造改革のコラボで都市部や若年層に支持を広げましたけれど、それができたのは大政党だったからです。小政党なら一点に集中しないと埋没するだけです。構造改革路線の最右翼として存在感を強め、民主党では物足りない人々の受け皿として勢力を伸ばしているみんなの党とでは雲泥の差があります。しかし小泉内閣下で郵政民営化を推し進めた与謝野と、郵政民営化に反発して自民党を離れた平沼では、政策を際立たせるほどお互いの距離が広がるばかり、結局は中途半端なところに落ち着かざるを得ないでしょう。ただ、新党は何も平沼と与謝野だけではありません。たとえば園田博之など、元・新党さきがけとして自民党一色とは違った経歴を持ち、前原や枝野といった民主党内の反小沢派とも繋がりがあるとされるだけに、意外な働きを見せるかも知れません。

 

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コメント (11)
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