非国民通信

ノーモア・コイズミ

無責任な政治

2009-03-10 22:48:30 | ニュース

えっ?「高速、仙台~静岡が千円」 麻生首相、説明脱線(朝日新聞)

 麻生首相は7日、那覇市で講演し、政府の経済対策の一環で、週末の地方高速道は上限千円で乗り放題になることに触れ、例え話として仙台から静岡までが千円になると述べた。しかし、首都高速道路は別料金のため千円では行けない。目玉の施策でありながら、少々脱線気味の説明になった。

 首相は「休日になったら高速道路料金はどこまで行っても一律千円。例えば仙台から東京へ来て、東京から首都高抜けて、静岡まで行くというと結構な値段すると思いますよ。そういったのも一律千円にします」と述べた。

 一見すると些末なことのようで、記事もそういうノリで書かれていますが、考えようによっては割と重要なことではないかとも思います。曰く「仙台から東京へ来て、東京から首都高抜けて、静岡まで~一律千円にします」と。しかるに実際は首都高が別料金のため、千円では済まないわけです。ちょっとした間違いではないかと、麻生支持層だったら強弁するかも知れません。いやいや、これは重大でしょう。いやしくも内閣総理大臣たる者が、国民に誤ったことを伝えているわけですから。

 私自身は車に乗らない、当然ですが自分で高速料金を払ったこともないものですから、地方高速道路と首都高速道路が別料金とは知りませんでした(自分で買い物をしない人だとカップ麺の値段すらわからないのと同じ様なものでしょう)。そこで今回の麻生首相の発言です、記事のツッコミがなければ私などは勘違いしてしまうところでした。あるいは高速料金に詳しい人でも、まさか高速料金の改定に携わっている責任者が間違ったことを言うはずもないだろうと、うっかり鵜呑みにして「地方高速も首都高速も合わせて千円」になるのだと、そう理解して帰路に就いた人も多々いるのではないでしょうか。

 ところが実際は違うわけです。首相の説明に誤りがある。首相が自ら、国民に誤解を振りまいているわけです。そりゃ、人間なら誰しも間違えることはあります。とはいえ何が正解で何が誤りかわかっていないような状況で判断を求められたとか、急に専門外の質問をぶつけられたとか、あるいは誰がやっても能力的に困難な仕事であったとか、そういう事態ならいざ知らず、今回のケースはどうでしょうか? 自分が旗手になって進めている政策であり、予め決まったスケジュールに沿って、自分のペースで講演すればいい、そういう状況で間違ったことを口にするのは、まぁ無責任としか言えませんね。自分が掲げた政策の中味すら詳細を理解していない、国民にも正しく説明できないようですから。床屋政談じゃあるまいに……

 中には、地方高速も首都高も、両方乗って一律千円になるのだと、そういう期待を抱いて麻生首相を支持することに決めた人もいるでしょう。だって、麻生首相自らそう言いきったのですから。ところが、実際に麻生内閣がやろうとしていることは違うわけです。非道いですね。有権者に嘘を吐いています。有権者を誤解させています。まぁ、その辺は近年の自民党のお家芸、国民を誤解させて支持を獲得しようとするのは小泉劇場時代から顕著であって、麻生首相としても今さら気が咎めることではないのかも知れません。でも国民(あるいは、府民とか)の誤解の上に支持を集めて、「自分には支持がある」とするのも虚しいものではないでしょうか。有権者に正しく政策を伝え、正しく理解してもらった上で審判を仰ぐくらいでないと、責任ある政治とは言えません。その点では今回の一件、麻生内閣の無責任体質を象徴するエピソードだと思いますね。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする