非国民通信

ノーモア・コイズミ

安倍内閣支持率低下中

2006-12-08 23:13:04 | ニュース

安倍内閣支持48・6% 共同通信の電話世論調査

 自民党の郵政造反組復党を受けて共同通信社が5、6両日に実施した全国緊急電話世論調査で、安倍内閣の支持率は48・6%となり、前回調査(11月25、26両日)から7・9ポイント急落した。9月の内閣発足直後の支持率は65・0%だったが、初めて50%を割り込んだ。

不支持率も35・3%で前回の24・1%から11・2ポイント増えた。

昨年、郵政民営化関連法案に反対し自民党を離党した野田聖子元郵政相ら11人の復党が4日、正式決定した。これについて67・9%が「評価しない」と回答、国民の理解を得られていないことが浮き彫りになった。

 晋三、ピンチです。ま、支持率48%で不支持35%なら十分に安泰ではあるわけで、歴代の総理の支持率だって概ね晋三以下、前任のジョン一郎の支持率と比べると見劣りしますが、実際のところは晋三の支持率だってたいしたものなのです。これと関連して、こんな発言もあったようです。

「小泉政権はアブノーマルだった」 下村官房副長官
 「(小泉前首相がつくり上げた)与党と対立するという構図はアブノーマルだった」。下村博文官房副長官は8日、TBSのCS番組の収録で、道路特定財源の一般財源化の決着の際に、小泉前首相に比べて安倍首相のリーダーシップが見えないと指摘されたことに対して反論した。

 ジョン一郎の人気の源はまさしく憎悪にありました。政治意識に欠ける普通の人々にとってはよく分からない存在であった自民党の古株議員を抵抗勢力と呼んで悪と位置づけ、それと戦う正義のヒーローを装って彼は喝采を浴びました。また普通の人には交流のない未知の国である北朝鮮の脅威を煽り立て、日本を脅かす外的に立ち向かう正義のヒーローを装って彼は喝采を浴びました。そして郵政民営化を巡る議論で反対意見を持つ議員を造反と呼んで非難し、追放することで国民の絶大な支持を集めました。彼は常に仮想的を設定し、それを攻撃することで血に飢えた国民の支持を得ていたわけです。

 その一方で晋三はと言いますと、北朝鮮を仮想敵国と見立てての強硬姿勢で国民の支持を得ることには成功してきましたが、仮想的のもう一つの柱であった自民党内部との対立を演出することには成功していません。自民党支持層の多くは、指導者の名に背く不敬な造反者への苛烈な姿勢を求めていたのに対し、安倍総理は支持者たちの意向に背いて和解の道を選んでしまったわけです。

 票の二重取りの問題はあるにせよ、ただ意見が違うからと追放処分にするという独裁的なやり方の過ちを認めて処分を撤回する、異なった意見の持ち主も受け入れる、意見をすりあわせて合意を探る、こういうやり方は民主的なものであり、一概に悪いとも言い切れません。独裁的な小泉時代から、多少は調整的なスタイルに変わるというのであれば、もうちょっとはまともな政治状況が期待できるようになるかもしれません。

 しかし、話し合いを持って意見を摺り合わせる民主的なやり方よりも、指導者が絶対の権限を持って反対意見を葬り去る独裁的なやり方を支持してきた人々にとって、今回の復党問題は受け入れがたいものだったのでしょう。今回の復党問題、左派右派双方から批判を浴びました。もとより自民党不支持の左派の反感を買うだけなら票を減らすことはなかったでしょう。しかし自民党を支持してきた人々の反感を買ったことは、後々になって効いてくるかもしれません。

 ただ、仮に国民の多数派がそれを求めたとしても、時にはその意向に反するべき時があるのではないでしょうか。国民が反対意見の弾圧を欲したとしても、それに乗るべきではありません。安部晋三の支持率の柱である北朝鮮との関係もそうです、もし仮に北朝鮮との関係が悪化し、全面対決に至るとなれば臣民の熱狂的な支持を得られることでしょう。しかし、それが国民の利益に叶うかどうか? 国民の支持を失うリスクを冒してでも、柔軟な対応をとるべき時がある、そう思うのです。

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