非国民通信

ノーモア・コイズミ

共闘はしたいけれど

2006-12-24 00:00:10 | ニュース

民主・鳩山幹事長、共産との共闘見直しに言及

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は22日、党本部での記者会見で「共産党は臨時国会が終わった後、民主党批判を厳しくしている。いま一度、ゼロベースで考えたい」と述べ、来年の通常国会に向け共産党との共闘のあり方を再考する考えを示した。

 共産党の志位委員長は、臨時国会の終盤で安倍首相の問責決議案の提出に民主党が同調しなかったことなどを念頭に「自民党との悪政の共同執行者という姿が浮き彫りになった」と強く批判した。

 鳩山氏は、国会での共闘を来年の参院選の選挙協力につなげる狙いから、社民党と国民新党とは選挙協力を協議している。ただ、民主、共産両党は双方とも選挙協力に否定的。政策の違いが目立つ共産党とは国会での共闘にも民主党内で批判が根強くある。

 これは難しい問題です。安倍内閣の初陣となった大阪・神奈川の補欠選挙ではともに自民党候補が民主党候補に勝利、その際に共産党は独自候補を擁立しており、それが野党側の票割れを招いたと非難する声もありました。しかし、政策が違う政党同士が安易に手を組むのはどうか? 創価学会のように平和主義を捨てて自民党に従うことで党勢拡大を図るのも一つの手段ではありますが、やはり政治家たるもの自分の政治姿勢を党利党略で曲げることはできるだけ避けて欲しいものです。

 とはいえ、自民党の暴走だけは何とか止めなければならない、最悪の事態は避けねばならない、そんな中で「自民党案よりはマシだから」と、消極的な理由で一応の最大野党である民主党を盟主に連合を結成せざるを得ない状況でもあります。

「民主は自民と悪政」 共産・志位委員長が批判

 志位氏は教育基本法改正案の参院採決に際し、共産など他の野党が安倍首相の問責決議案提出を主張したが、民主党が同調しなかったことなどを踏まえ、「民主党のだらしない対応の根本には、愛国心を法案に書き込み、教育基本法10条を壊す点では与党案と同じ内容の改悪案を提出したという大問題がある」と指摘した。

 志位氏は、民主党が防衛省法案などに賛成し、国民投票法案でも与党に歩み寄った点も挙げ、「政府・自公とともに民主党の責任が重大だ」と語った。

 このあたりが民主党側の怒りを買ったのでしょうか。もとより民主党議員には右派、タカ派や新自由主義者、反共主義者も少なくないだけに、その手の連中にとっては共産党と手を切る格好の口実となったのかもしれません。しかし、私も民主党の防衛省法案への賛成には失望しましたが・・・

 果たして共産党は民主党を批判すべきだったのか、それとも批判すべきでなかったのでしょうか?

 「左翼は中国を批判しない」と言われることがあります。その真偽にはいくらか疑いの余地がありますが、仮にそうであるとした場合、なぜ左翼は中国を批判しないのでしょうか? チベットに止まらない人権問題、政府の情報規制、拡大する経済格差、急速に進行する高齢化、環境汚染に党独裁など、中国にも批判されるべき点はたくさんあります。これを批判しないということはどうなのでしょうか?

 誹謗を目的として「左翼は中国を批判しない」と言った場合、その理由として「奴らは中共の回し者だ!」との強弁がついて回ります。こう非難されることを恐れて、とってつけたように慌てて中国批判に走る人もいます。ただ中国を批判しないのは、それを最重要課題とは見なしていない、最優先で取り上げられるべき問題とはとらえてないケースがあるにせよ、決してそれを全面的に承認しているからではないのです。

 世の中には批判されるべき事がいくらでもあります。私のブログでも本当はもっと色々なことを取り上げたいのです。ただ、それは個人の手には余るものですし、私の知識不足、時間の不足、特に付け加えるべき事がない場合など、諸々の事情で泣く泣く取り上げる話題を取捨選択しているのです。

 そんな取捨選択せざるを得ない中で、何をまず第一に取り上げて批判すべきなのか? そうなるとどうしても自分達に関わりの大きい対象を相手にすることになり、関わりの遠い対象は切り捨てることになります。そんなわけで中国の人権問題など、たとえ批判されるべきものでもどうしても扱いきれないものがどんどん溢れてしまう、そうなると結果的に左翼は中国を批判しないと言われる状況が生まれるのかもしれません。他国ではなく自国に深刻な問題が増加している今となれば、それはなおさらのこと、自分の子供が悪事を重ねている有様では、それをさしおいて他人の子供を叱ってなどいられません。

 さて、そこで共産党の民主党批判です。確かに民主党にも批判されるべき点が少なくありませんが、それとどう向き合うべきか? それは左翼と中国の関係と同様で、悪い面を批判せずに見過ごしておけば周囲からの非難を浴びることもあったかもしれません。いかなる状況であろうとよくないものはよくないと、批判の声を上げればそれは筋の通ったやり方とも言えるでしょう。

 しかし、その批判の結果として民主党と共産党が決裂、これは小選挙区制度の下では大きなマイナス、自民党にとって非常に有利に働きます。この結果として次の選挙でも自民党が大勝し、より一層の暴政へと至る可能性も高いわけで、これこそまさに最優先で阻止されるべき事態でもあります。自民党の圧勝という最悪の事態を回避するために、民主党の問題点に目をつぶって妥協しながら選挙協力を続けるべきだったのか、それとも同じ野党である民主党が相手でも悪い面は容赦なく批判すべきだったのか、どちらのやり方も間違ってはいませんが・・・

 

 ←何か感じていただけましたら是非

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする