Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

サンタフェを思い出す

2006-07-16 17:04:09 | Weblog
ここ数日,計測自動制御学会のシンポジウムに向けて,発表資料を準備してきた。いただいたお題は,Agent-Based Modeling (ABM) の課題を実務の立場から語ること。そこで,1990年代後半から2000年にかけての一時期を振り返ることになった。

あの頃サンタフェ研究所には,ノーベル賞級の研究者から一攫千金を狙うビジネスマンまで,いろんな人間が出入りして,夢が語られていた(最近はどうなんだろう・・・)。メガ・コンサルティング・ファームがポスドクを何人も雇って梁山泊のような組織を作り,何台もWSを並べて予測やシミュレーションのビジネス化に乗り出していた。

検索すると,当時のセミナーの様子を伝えるウェブページ[1][2]がまだ残っていたりする。そこで活躍していた人々はいまどうしているのだろう。なかにはまだ頑張っている,あるいは成功したケースもあるようだ。複雑適応系のロジックどおり,淘汰が行なわれたということだろう。よく考えれば,まだ5~6年しか経っていない。

当時の熱気を思い出しつつ,ABM の今後の課題について考えた。原稿の提出期限までに,完全にクリアにはならなかったが,もう一つの宿題(WEB2.0! ロングテール! この俺が?)と合わせて,漠然とこれじゃないかと思うものはある。5年前の気持ちを思い出しつつ,この5年間に経験し学習したことも大事にしたい。残された時間はあまりないのだ・・・。



ジャズという通貨

2006-07-16 10:42:21 | Weblog
今朝の日経によると,モントゥルー・ジャズ・フェスティバルでは「ジャズ」という通貨が流通しているという(1ジャズ=1スイスフラン)。残ったジャズのコインを持ち歩きながら,来年また参加するのを楽しみにする,とお客さんの声。

ラーメン屋のポイントカードもそうだが,中身が伴ってこそ,あと一押しの仕組みとして有効になるのだろう。

モントゥルーは気候がいいらしい。参加者の6割がスイスのフランス語圏,2割が同・ドイツ語圏,残り2割が「世界中」ということらしい。通貨はジャズだとして,通用する言語は何なのだろう(…やっぱりジャズ?)。