安倍/福田内閣の「目玉」とされる舛添厚生労働大臣が,自らの発言に抗議した市長らを罵倒している。「小人の戯れ言」あるいは「バカ市長」など,なかなか刺激的な表現だ。テレビに映る舛添大臣の目は,これほどの快楽はないというぐらい嬉しそうに輝いていた。
事の発端は,社会保険料の徴収で少なからぬ自治体職員が不正を働いたため,業務を銀行に移管させるという大臣の発言にある。こうした問題が起きていない自治体の首長が,職員のモラルを下げる発言だと噛みついた。それに対して大臣は,そんなことをいっている暇があったら,自分の自治体をちゃんとしろと言い返し,上述の発言に至ったわけである。
職員が不正を起こした市町村もあれば,そうでない市町村もあるのは事実である。しかし,舛添大臣から見れば,この問題は自治体組織の管理能力の欠如として一般化され,個々の市町村レベルの差異など,瑣末な問題に過ぎない。国務大臣たる私はかくも高所から問題を考えているのに,細かな問題を言い立てるなど「小人の戯れ言」にすぎない・・・と。
研究には一般化,抽象化は欠かせない。政治や経営でもある程度そうだろうが,その許容範囲はかなり違うはずだ。複雑なものを相当程度複雑なまま扱うことが要求される。その意味で,優れた学者が優れた政治家,経営者になるとは限らない。リーダーには鳥瞰と虫瞰の両方ができると周囲に感じさせる立ち振る舞いが必要だ。首相を目指しているという舛添氏にとって,意味のない攻撃性を露呈したことになった。
しかし,罵倒するときの舛添氏の喜びに満ちた目を見ていると,もっと深いレベルの何かを感じる。それは,外見上美人と見られる女性が,他の誰かを「ブス!」と罵ったときに周囲が感じる感情に近い。華麗なる経歴から,舛添氏の「頭がいい」ことは誰もが認めるだろう。黙っていればわかることを,他者をなじることでなぜ強調したいのか(逆効果になるリスクを冒してまで・・・)。表面からはわからない,何か不安があるのだろうか・・・。
事の発端は,社会保険料の徴収で少なからぬ自治体職員が不正を働いたため,業務を銀行に移管させるという大臣の発言にある。こうした問題が起きていない自治体の首長が,職員のモラルを下げる発言だと噛みついた。それに対して大臣は,そんなことをいっている暇があったら,自分の自治体をちゃんとしろと言い返し,上述の発言に至ったわけである。
職員が不正を起こした市町村もあれば,そうでない市町村もあるのは事実である。しかし,舛添大臣から見れば,この問題は自治体組織の管理能力の欠如として一般化され,個々の市町村レベルの差異など,瑣末な問題に過ぎない。国務大臣たる私はかくも高所から問題を考えているのに,細かな問題を言い立てるなど「小人の戯れ言」にすぎない・・・と。
研究には一般化,抽象化は欠かせない。政治や経営でもある程度そうだろうが,その許容範囲はかなり違うはずだ。複雑なものを相当程度複雑なまま扱うことが要求される。その意味で,優れた学者が優れた政治家,経営者になるとは限らない。リーダーには鳥瞰と虫瞰の両方ができると周囲に感じさせる立ち振る舞いが必要だ。首相を目指しているという舛添氏にとって,意味のない攻撃性を露呈したことになった。
しかし,罵倒するときの舛添氏の喜びに満ちた目を見ていると,もっと深いレベルの何かを感じる。それは,外見上美人と見られる女性が,他の誰かを「ブス!」と罵ったときに周囲が感じる感情に近い。華麗なる経歴から,舛添氏の「頭がいい」ことは誰もが認めるだろう。黙っていればわかることを,他者をなじることでなぜ強調したいのか(逆効果になるリスクを冒してまで・・・)。表面からはわからない,何か不安があるのだろうか・・・。