Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

2022年、年初に当たり

2022-01-07 12:51:59 | Weblog
そろそろやめようかと思ったものの、ずっと続けてきたことであり、昨年の回顧と今年の抱負を書いてみよう。

2021年度は「特別研究」期間で、大学での講義は3・4年生のゼミだけ。その他の業務も大幅に軽減された。ということで、たまりにたまった研究在庫の掃き出しを目指したが、目に見える成果は査読論文1点、書籍1点であった。

発表できた論文は、青山秀明さん、藤原義久さんとの共著で、経済物理学でビールのブランド間競争を分析したもの。すでにこのブログで紹介を分析しているので、ご関心のある方はそこにあるリンクからダウンロードして下さい!

この研究は4月18日付の日本経済新聞の記事で紹介いただいた。記事の見出しに「『ムダ』の進化で生物共存」とあるように生物学の話題がメインだが、社会における類似現象と解釈され、一種の傍証として取り上げていただいた。

(その記事で取り上げている「多様性の持続」については、消費財市場における現象としても独自に探求したいテーマではある…)

もう1つの成果は書籍で、稲水伸行さん、笹原和俊さんとの共編著『プロ野球「熱狂」のメカニズム』が出版されたこと。詳細については、当時のブログ記事をご覧いただきたい。出版社やamazonへのリンクもあります!

この本は、読売新聞の書評で取り上げられた。評者の稲野和利氏(ふるさと財団理事長)には「分析対象や分析手法などに課題は残るもののプロ野球の事例を超えて今後の応用可能性を強く感じさせる」と書いていただいた。

この本で私は、佐野幸恵さんとともにプロ野球ファンのツイート分析を担当したが、様々な課題が残る。いっそうの分析に加えて、プロ野球を超えた「熱狂」の研究も進めたいという想いから研究費を申請中だが果たして…

2022年は、投稿中の論文に加え、「あと少し」で完成する論文、着々と分析が進んでいる研究等々が控えている。さらにそのあとに、論文を集めたりデータを集めたりして、ウォーミングアップ中のテーマが待っている。

すぐに締め切りが来るのが瀧川裕貴さんと進めている研究で、報告書提出締切が迫る。現代社会の階層と消費行動の関係を探求する研究で、永年の関心事だ。もう1つが『マーケティングは進化する』第2版で、初校の段階。

いずれにしろ「出版してなんぼ」の世界。2015年以来細々と続けてきた Business Journal での連載は、私の寄稿があまりに遅いせいか、昨年、運営会社から打ち切りの通告があった。まだウェブで閲覧できるようだが…

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