昨日からつくばに来ている。約半年ぶりである。目的は,Logic, Game Theory, and Social Choice を聴講すること。何でお前が? といわれそうだが,自分でも不思議に思っている。いくつかの偶然が重なり,不可逆的にそうなったというしかない。会場は「懐かしい」大学会館。3トラックあって,いずれもゲーム理論や社会選択理論の発表が行なわれている。ただし,大会委員長である金子守先生の意向を反映してか,Limited Cognitive-Inferential Abilities and their Behavioral Consequences が強調されている。単に Bounded Rationality としていない点が「深い」。
最初に,Interactions among monkeys, humans and programs というセッションに出る。藤井(理研),飯塚(阪大),池上(東大)の各先生が,相互作用を生じていかに社会的ルールが生成されるかを,実験やシミュレーションを通じて探求した結果を報告。藤井氏は猿を使って,お互いの優越関係を反映した行動ルールが創発されることを示す。飯塚氏は行動ベースのチューリングテストにおける試行錯誤の重要性を指摘。池上氏は,ゲームの相手に対する多様なメンタルモデルが同等の予測精度で形成されることをシミュレーションで示す。
これまでのゲーム理論が,しばしば相手の利得(選好)に関する理解やゲームのルールを所与・固定的なものとして扱ってきたのに対して,それらがエージェント間の相互作用から創発されるプロセスを問う。こうした考え方を厳密に定式化したものが,帰納的ゲーム理論(inductive game theory)なのだろう。自分に理解できるか半信半疑ながら Jeffrey Kline 氏によるチュートリアルを聞いたが,その輪郭がおぼろげながらわかってきたような気がする。より具体的なイメージをつかむには,明日の午前中に予定された「実験」の報告を聞く必要があるようだ。
ところで,上述の藤井先生には下記の著作があることが,あとでわかった。実はすでに購入済みなのだが,まだ読んでいない。
最初に,Interactions among monkeys, humans and programs というセッションに出る。藤井(理研),飯塚(阪大),池上(東大)の各先生が,相互作用を生じていかに社会的ルールが生成されるかを,実験やシミュレーションを通じて探求した結果を報告。藤井氏は猿を使って,お互いの優越関係を反映した行動ルールが創発されることを示す。飯塚氏は行動ベースのチューリングテストにおける試行錯誤の重要性を指摘。池上氏は,ゲームの相手に対する多様なメンタルモデルが同等の予測精度で形成されることをシミュレーションで示す。
これまでのゲーム理論が,しばしば相手の利得(選好)に関する理解やゲームのルールを所与・固定的なものとして扱ってきたのに対して,それらがエージェント間の相互作用から創発されるプロセスを問う。こうした考え方を厳密に定式化したものが,帰納的ゲーム理論(inductive game theory)なのだろう。自分に理解できるか半信半疑ながら Jeffrey Kline 氏によるチュートリアルを聞いたが,その輪郭がおぼろげながらわかってきたような気がする。より具体的なイメージをつかむには,明日の午前中に予定された「実験」の報告を聞く必要があるようだ。
ところで,上述の藤井先生には下記の著作があることが,あとでわかった。実はすでに購入済みなのだが,まだ読んでいない。
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