LGS62日目。Kline 先生の「帰納的ゲーム理論」のチュートリアルを聞きながら,その考え方はきわめて自然なものだなと思う。人間は自ら経験したことから学び,ときには忘却しながら,限られた認知能力を用いて意思決定する。このいわば当たり前の前提を,厳密なゲーム理論に展開していくという驚き。記号論理学を用いた論証にぼくは正直歯が立たないが,行動経済学や進化経済学とはまた違う(しかしその精神においてどこかつながるような)新しい社会科学の息吹を感じる。
明日は大学で月末までに処理すべき仕事に取り組む。さっさとすまして,LGS 最終日に再び聴講に行きたい気がするが,果たして・・・。
もっとも,この会議でもほとんどの報告が,伝統的なゲーム理論のパラダイムにしたがっている。じゃないと,論文が書けないでしょ,ということかもしれない(ぼく自身も,別の文脈で似たようなことをいった記憶がある・・・そういったわりには,たいして書いていないわけだが。ネットを検索したら,この理論の創始者である金子先生が早稲田大学で行なった講義録が見つかった。また,啓蒙的な書物として下記の本を忘れるわけにはいかない(ぼくも数年前に読んだ)。ゲーム理論や経済学の門外漢には難解なので,amazon の書評は否定的なものが多い。標準的な理論を効率よく学んで単位を取りたい学生(あるいは論文を書きたい研究者?)には不評ということか。一部ニックネームに紛らわしい偽名?を使った書評もあり,惑わされてはならない。
ゲーム理論と蒟蒻問答金子 守日本評論社このアイテムの詳細を見る |
明日は大学で月末までに処理すべき仕事に取り組む。さっさとすまして,LGS 最終日に再び聴講に行きたい気がするが,果たして・・・。