定額前借り金を握りしめたクアトロの父は、映画館へと向かった。いやシネコンと呼ぶべきところであろうが、中高年のクアトロの父にしてみれば、映画館である。この映画館には沢山の映画を選択出来るのだから素晴らしい。「天使と悪魔」「おっぱいバレー」「グラン・トリノ」が同じ時刻での上映でどれを見ようかと迷ったクアトロの父であったが、ここはクリント・イーストウッドのグラン・トリノを選択するのであった。
今日のこの劇場は普段よりもお客が多い。これも定額前借り金の影響であろうか。さらに、グラン・トリノはとても年寄りが多い。と云うよりも若者が皆無であった。クアトロの父もその中高年の中のひとりであることはあまり斟酌していない。
さて、このグラン・トリノなのだが、実に素晴らしい作品である。クアトロの父の中では本年度のベストワンは決まったと思っている。
グラン・トリノは西部劇や日本の時代劇に通じるところが多く、特に武士道の思想を取り入れたような作品である。また、見る者の解釈でいかようにも楽しめる作品であり、奥の深さを感じる作品である。
特に取り上げると、この作中のクリント・イーストウッドのタバコのくわえ方は歌舞伎のような形式美があり実に見事である。しかし、クリント・イーストウッドは大のタバコ嫌いというのだから、役者としての力量の高さを示すものなのだろう。
とにもかくにも、有益な定額前借り金の活用になった映画鑑賞であった。
ある意味ダーティーハリーよりも、かっいいですよね。
(クアトロの父より)
ほんとカッコよかったですね。
クリント・イーストウッドの集大成を見たような気がします。