クアトロにロカマドゥールがやって来た。フランス・プロヴァンス地方のシェーブル・チーズである。厚さ二センチほどの小判焼きのような形のチーズ。山羊の無殺菌乳の全乳で作られ、フレッシュな程美味しいチーズだ。早速試食してみると、濃厚なミルクの美味しさが口の中に広がり幸せな余韻を残す。
ロカマドゥールとは、断崖絶壁の上に聖地がある観光地の名前である。山奥のこの地を巡礼に訪れ、ここでしか食べれなかったチーズがこのロカマドゥールである。
沖縄でしか食べられなかった海ぶどうのように、流通が発達してクアトロでも食べられることになったこのチーズ。
サクラマスと海ぶどうの幸せな物語に刺激された、クアトロのワイン達も俄然色めきだっている。このフレッシュでエレガントなロカマドゥールの心を捕らえるのはどのワインだろうか。
まず、同郷のワインのカオールは濃厚さと果実味が売りだ。やはり南フランス出のコート・ドゥ・ローヌも素晴らしい芳香で魅了する。ラングドックのヴィオニエの青リンゴのような香りもベストマッチか。花のようなブーケのボルドーのアケイシャも黙ってはいない。クアトロは忽然と恋のから騒ぎである。
一方フランス・ロワーヌのシェーブルは円熟してこそ魅力を発揮する。クアトロに居合わせたロワーヌのクロタンは今が食べ頃だ。
「若いから良いってものじゃないでしょ」ロカマドゥールが疎ましいクロタンだ。
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