クアトロのような気軽なお店でも、ワインをボトルで注文し「お味見をお願いします」と云われると緊張するお客様が多い。ワイン担当のクアトロの父も、お客様を萎縮させるのが目的でしているのではありません。それでは、何でこんな面倒な儀式が必要なのでしょうか。パーティー・シーズンを前にテイスティングのこつの一部を伝授します。
(クアトロというお店での見解です。他のお店で通用しないことがあるかもしれません。また、テイスティングとはワインを注文した後の儀式です。ワインの選び方がとても大事なのですが、その話はまたの機会とします。)
うやうやしく注文したワインのラベルを見せて「お客様、こちらのワインでよろしかったでしょうか」とまず云われます。間違いありませんと答えた段階で、ワインの交換はまず出来ないものと思ってください。ワインが傷んでいる場合を除いて、テイスティングで好みではないといっても交換は出来ません。それでは、傷んでいるかどうかをテイスティングするのか、品質管理を客にやらせるのかと思われますが、テイスティングのポイントは別にあります。結論は、そのワインがそのワインに合った温度で持ってきたかどうかを見て貰いたいのです。お店もその点を考えて用意しております。しかし、個人によって好みもあります。その点をチェックしてもらえればいいのです。テイスティングなんてその程度のことです。緊張しないでチャレンジしてみましょう。無理をして、コメントを云わなくてはと思う必要はありません。もちろん、コメントを云えれば得することがあるのですが、そのコメントの言い方にもちょっとしたコツがあります。ブログでは小出しにすることにしています。またの機会に公開させていただきますが、クアトロにご来店いただき、クアトロの父の手が空いている時は、じっくりテイスティングの仕方を直接伝授します。どうぞ、声を掛けてください。
いよいよワインを抜栓し、ちょっとだけグラスにワインが注がれ「テイスティングをお願いします」といわれ、「何でこれっぽっちしか注がないんだ」などとは云わず、一応は色を見て、濁っていないかをチェックし、グラスをちょっとゆすって香りを嗅ぎ、変な香りがしないかぐらいをチェックしてからおもむろに液体を口に入れ、ここで温度に問題がなければ「結構です」と云えば良いのです。白ワインなのに冷えが足りなかったら、「もう少し冷やしてから注いでください」とか、赤ワインなのに冷えすぎているようでしたら、「もう少し室温にもどしてから注いでください」と云えば良いのです。「乾杯をしたいので、チョットだけ注いで残りは温度を調整しておいてください」とか云えるともっとカッコいいでしょう。
まずは、ワインは温度によって味わいが変わるということを知るだけでも、テイスティングも苦ではありませんし、ワインを飲むのが楽しくなります。