愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

広島県尾道市 済法寺(さいほうじ)磨崖石仏

2012年12月18日 | 石仏:山陽

尾道千光寺山西斜面に建つ曹洞宗「済法寺」は「げんこつ和尚」と呼ばれた「物外不遷和尚」の寺として知られるが、また其の裏山斜面に多くの磨崖の羅漢像が刻まれていることでも知られている。

尾道は狭い坂の街としても有名なように、この「済法寺」も僕の車では門前までは辿り着けず、近くのスーパーに車を置き狭い路地坂道を歩いて訪れた。

<墓地斜面より見た済法寺境内と尾道の町並み>

済法寺も大きいお寺で、裏山斜面の急崖にしがみつくように多くの墓地が幾段にも有り、斜面に突き出した大岩には十六羅漢石仏などが刻まれて居る。

境内からも斜面の大岩に刻まれて居る石仏は確認できるが、斜面墓地への通路を登って最初に出逢う大岩には実に多くの羅漢さん。

羅漢像は概ね100cm~150cmの中肉彫りの坐像が大部分を占める。

石仏好きを辞任する僕も羅漢の個々の名前までは殆ど知らないので尊名個々の説明まではできませんが・・・

斜面頂上付近の大岩には見下ろす様な禅定印の釈迦如来坐像・・・・大きな舟形光背の中、二重光背を持ち、像高135cm。

この斜面はきつく、足元も覚束無い僕は望遠レンズでやっとここまで。

主尊釈迦如来より一段下の羅漢さん達・・向かって左手は飛雲に乗り合掌して居ます。

済法寺七代住職・牧元喝童和尚の享和年間(1801~1803)、江戸中期以後名を馳せた尾道石工により刻まれたものです。

近隣の豪商などの喜捨により裏山を曼荼羅図に見立てた様です。

動きもあり、ちょっとグロテスクに見える像も有りますが、写実的で力量のある尾道石工の素晴らしい技量の程がよく伺える石仏が多い。

畿内では見かけられない優秀な近世石仏だとされて居ます。

撮影2012.12.1



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。