遠野から北上市の宿への帰り道、県道284号線で「重文旧小原家住宅」の看板を見かけて立ち寄った南部曲り屋。
ここは花巻市東和町、北上川支流の猿ヶ石川、その上流域の静かな里山、赤松林の台地にある旧谷内村の小学校跡地。
昭和50年、所有者から東和町が寄贈を受け、現在地に移築されたようです。
因に、あの『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』などの童話や「雨ニモマケズ・・・・・」で有名な農民作家「宮沢賢治」記念館からは12km程、東寄り。
前回紹介の千葉家曲り屋などとは比ぶべくも無いが、あれは特別、この旧小原家住宅が曲がり屋としては標準サイズなのだろうか・・・・。
正面L字の開口部が玄関口土間、左手突き出し部が厩で、右側主屋根部が居住区域。
葺き下ろしの主体部茅葺き屋根と、突き出し部の妻屋の調和が美しい。
旧小原家については明確な資料がなく、由緒及び住宅の建築年代とも明らかではない様ですが、この地方の一般的な農家で厩(馬屋)の突出部が非常に小さく、曲家として古い形態とされ、江戸時代中期の宝暦年間(1751~1764)頃の建築だと推測されています。
古い時期に直家から曲家に改造されたもので、曲家の発生過程を窺うことのできる貴重な遺構であるとされ、国の重要文化財に指定されている。
現在地元の人々の管理のもと誰でも自由に見学出来ます・・・、因に冬季(12/1~4/30)は閉鎖されて居ます
撮影2012.9.21