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新国立劇場バレエ「シェイクスピアダブルビル」マクベス世界初演初日批評(No.2679)

2023-04-29 20:54:39 | 批評

素晴らしかったウィル・タケット振付&マーティン・イェーツ補筆作曲者=編曲者=指揮者「マクベス」


  事前には「ミュシャ作曲」だけが強調されていたバレエ「マクベス」だが、私高本が初日を聴いた限りでは、補筆作曲者=編曲者=指揮者イェーツ の力が大いに発揮された、と感じる。違っていたら、ご指摘頂きたい。

「新演目を振付」は振付師が最も実行し甲斐のある仕事


前々芸術監督=ビントレー のプログラムノートを読む限り、作曲家との綿密な打ち合わせを実行、に見える。これは、バレエ作曲家=伊福部昭 からも生前直接聞いている。足音入る箇所にビオラ入れて消したりした、とのこと。メンデルスゾーン「夏の夜の夢」のランチベリー編曲はこの手の編曲。
だが「マクベス」のイェーツは、振付師の要求する「時間を埋める=作曲する」である。それが「ミュシャ風で統一」されている。

オッフェンバック作曲オペラ「ホフマン物語」の ガンズブール・エーザー・ケイ・ケック の各補筆に相当 = ミュシャ作曲バレエ「マクベス」の イェーツ補筆


新国立劇場「ホフマン物語」批評はこれ。新国立劇場「ホフマン物語」楽日批評 - Piano Music Japan
シェイクスピアダブルビル、ギリギリまでタイムテーブルが出なかった。直前まで2人で打ち合わせ、と推察する。


イェーツ語る。「ミュシャはイーゴリ・ストラヴィンスキー、ベラ・バルトーク、レオシュ・ヤナーチェク、ボフスラフ・マルティヌーといった作曲家の影響を受けてきました。」私高本が聴く限り、ヤナーチェクの影響が一番大きい感じである。ストラヴィンスキーの影響は私高本は感じない。

マクベス(福岡雄大)とマクベス夫人(米沢唯)の存在感が圧倒的に高く9割以上の感触、2人の動きと音楽が寸分の違いも無い


素晴らしい!
マクベス夫人もマクベスも悪人。お姫様や王子様では無い。毒々しい表情が濃い。王様も殺す。同僚ダンカンも殺す。マクダフ夫人と子供2人も殺す。音楽は暗い基調だが、テンポの伸び縮みも自在。ダイナミクスも大きい。
マクベス夫人とマクベスの服は「血の色=赤」基調で毒々しく派手。2人「だけ」目立つ。殺しのシーン4回(マクベスと手下が殺害3回、マクベスを殺害1回)はハイライトシーン。見応え充分。特に王様をマクベスが直接殺害シーンは是非是非見て欲しい。長い長い尺で作られている。タケット振付が特に強調したいポイント。

物足りなかったのはただ1点。

シェイクスピア「森が動いた」が男性コールドダンサー6名は足りない!


6名では森では無い。林が良いところ><
16名は出して欲しい><


カーテンコール。ブラヴォーの嵐+スタンディングオベーション。1階最前列中央ブロックは半分以上がスタンディングオベーション。世界初演がこれなら大成功である。

タケット、イェーツ、福岡雄大、米沢唯 の総力が結集した舞台




ここまでは良かった。
後半のメンデルスゾーン「夏の夜の夢」。序曲から演奏が萎えている><
指揮者イェーツが「もぬけの殻」状態。
舞台上のダンサーは全力で踊っている。音楽がただ鳴っているだけ。序曲終わって数曲後、1階最前列中央ブロックの客が「椅子を蹴り上げる音を響かせ」退場、そりゃそうだ、この音楽酷いからなあ。終演後はブラヴォー&スタンディングオベーションあり、だが、スタンディングオベーションはマクベスの半分以下。つまらない音楽延々1時間聴かされたからねえw

後半「夏の夜の夢」は指揮者=冨田美里にして下さい。私高本チケット購入の5/5だけで良いです。お願いします(ペコッ

2023.04.29所見
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