Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

鳥の肢で薬禍を制す  

2005-11-19 | 雑感
ガチョウを食べる聖マルティンの日からは一週間も経ってしまった。レストランでお決まりの肉と赤キャベツに芋団子などを食べ逃した。ドイツの固い赤ワインが良く合う。まだ機会はあるので楽しみにしたい。何故ならば、既に買え控え、食べ控えが顕著で徐々に値崩れするからだ。それでもBSEの様に20ヶ月未満の牛は判定出来無いのとは違い、鳥は感染すれば直ぐに弱って死ぬ。健康な鳥だけが流通すれば安心である。

そんな事を考えていると、ガチョウの肢が鶏と同じ値段で手に入った。一脚が1ユーロしない。先ずは、これをザウワークラウトの上に豚の腹肉と乗せて食した。これにリースリングワインを合わせた。大変満足できたので、改めてガチョウの肢を今度は、赤キャベツの上に乗せて、安物のスペインの赤ワインに合わせた。

このワインが通し番号が入っている逸品で料理ワインとしても欠かせない。肢一本とワインと赤キャベツで〆て、4.5ユーロに満たない。マルクに換算すると9マルク未満で決して安くはないのだが、諸物価高騰の折、比較的経済的である。明らかに肢が残されて放出されたと言う感じである。鳥インフルエンザの危機が迫っており何時まで鳥類を食せるか分からないので今の内に思う存分安く食べておきたい。

既にバーゼルのロッシュ・タミフルやグラクソのレレンツァなどは、ジュネーヴのWHOが唯一価値のある薬としてあげたので、通常の2.5倍ほどの売り上げとなっているようである。実際にそれはワクチンではないので突然変異したヴィールスの感染を予防出来ないが、通常のインフルエンザの蔓延や発症を抑える事が、鳥インフルエンザとの混合合体の可能性を下げるようである。激増する死亡数からすると薬品で発症を充分に押さえ込むのは無理な様である。風邪引きには注意しましょうというキャンペーンもインサイダー取引をするとなると興味ある情報となる。何れにせよ、ワクチン開発までの期間を短くする改善された方法が年内には完成するという。食べた後の肢の食べ残しの骨を煮込むと、今度は温かく美味なスープになり、抵抗力をつけてインフルエンザ予防が出来るか。

暫くすると遥かなブルゴーニュから新酒が届く。来週ぐらいにはスーパーに直送されて店頭に並ぶだろう。安くてアルコール度の高いこのワインもクリスマスには欠かせない。勿論これを最も喜んで買うのは、アルコール度と価格を値踏みして、温まる事をモットーとする計算高い酒飲みである。救世主鍋の救援活動のようなものだ。こうして、聖マルティンが貧しい訪問者にコートを裂いて分け与えたという恩恵の如く、我々に安いワインと食べ物として与えられる。差し詰めスーパーが聖人で我々がキリストと言う事になろう。



参照:
子供提灯行列 [ 生活・暦 ] / 2004-11-12
コマンタレヴー, Mme? [ 雑感 ] / 2005-10-11
コメント (7)    この記事についてブログを書く
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7 コメント

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…計算高くない、です。。。 (うさ)
2005-11-19 07:30:28
続けてのコメント、憚られつつ、一言お邪魔しまぁ~す。(カテゴリー違いに登場してスミマセン!)



ボジョレーヌーボー、日本には一番先に届くのに、隣国にはノンビリなんですね。

そこまでしても、ドイツ人は誰も見向きもしないってことなんでしょう。

でも、やっぱり安いんですね?

…くすん。私は大奮発(?私にしてはという基準です)をして飲みました。

今年のは美味しいってラジオで聞いたので、この値段(←pfaelzerweinさんのお得な美味しい晩餐と同じくらいです)なら他のほうがいいかなと迷いつつ、イベントもんということで楽しみました。

お味はやっぱり、正直言って、予想通りアンマリ好みではありませんでしたけど。

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酒としては嬉しい (pfaelzerwein)
2005-11-19 08:43:11
ラジオを聞いていると、待っている人はどこかに居るみたいです。ブルゴーニュの商売熱心と言われてます。



違う大手のスーパーでは昨日既に並んでいたと聞きました。私は値段で毎年同じスーパーで買いますけど、大抵は三週間以上は売れずに箱積みされて残っています。2ユーロ以下で13%以上アルコールはお買い得。料理にもバンバン使えます。



ワインとして飲んでも詰らないけど酒としては嬉しいですね。
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アルコールとしては嬉しい (エンテツ)
2005-11-19 20:58:53
日本の清酒界で「水のような」味わいの新酒が普及するのは、大幅な設備産業化のための資金回転をはやめる必要にせまられ、寝かせずに春の新酒のうちに売ってしまおうという業界側の事情もあったように聞きます。皮肉なことに、それは、ボジョレーヌーボーが進出しやすい環境をつくったようでもあるような。



ねかせてコクの出る、秋からいまごろの清酒を好むガンコものは田舎者というかんじでありまして、チョイと肩身が狭い。でも、いまでは機械生産の清酒が一年中「新酒」状態で安く売られ、酒飲みには、アルコールとしては嬉しいけど……といったところ。しかし、脱機械化の少量生産の酒蔵は、秋冬の口開け用にイマ売り出しているところもあって、やはり、これはウマイ! これが「酒」というものでしょうの気分。
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生産者にとって旨味 (pfaelzerwein)
2005-11-20 02:52:38
「水のような」味わいとか焼酎ブームとかは似ているかもしれません。新酒とか旬のものとかと云うフレーズも大きいようです。



収穫が済んだ所で、手間を掛けずに手っ取り早い現金収入ですから、単価は安いながらヌーボーは生産者にとって旨味があるのでしょう。



解禁日からくる輸送費は、生産者に落ちるものではないのでしょうが、総じて上手いマーケット戦略です。



外が冷えた時期に暖まった部屋で冷やして「くいっと」いく感じです。



「秋からいまごろの清酒を好むガンコものは田舎者」の飲む図も宜しいですね。
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ウクライナ人は「酒飲めば大丈夫」と言ってますよ (とんぼがえり)
2005-11-20 06:23:09
こんにちは。おいしそうな文章に惹かれて出張してきました。



結局タミフルの日本での使用突出の主因は、脳インフルエンザへの警戒感の強さに収斂されるのかもしれません。おそらくロシュの日本市場への営業強化もあるでしょうけどね。元々他国に比べて、日本はインフルエンザ自体に神経質なのかなという印象も持ちました。これを契機に、厚生労働省の施策や日本の投薬事情にもスポットが当たっていくと面白いんですが、どうなるでしょうか。



私は基本的にあまり飲まないのですが、ここのところ東京も寒くなってきて、久々にお酒が飲みたくなってきました。

日本のボジョレーブームも妙な所に迷い込んでしまったようで、せめて綺麗なモデルさんがにっこりなんていう写真にしていただきたいものですが(笑)

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news01.asp?kiji=7481



<追伸>

記事中にリンクを張り忘れてたんですが、うちの主エントリリンクです、一応。あの後もまた関連記事を上げたりして、タミフルには私もかなり振り回されてしまいました。

http://naruse.exblog.jp/2190342/
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Unknown (とんぼがえり)
2005-11-20 06:30:52
>おそらくロシュの日本市場への営業強化もある



ごめんなさい、これ違うかも。ロシュが自分の日本法人を閉めて、中外製薬と提携する前から、日本でのタミフルの売上は高かったようだから。余裕があればまだいろいろ調べたいんですが、なかなか難しいですね。
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この違いは極端 (pfaelzerwein)
2005-11-20 07:15:18
貴重な情報や地方版からのお写真を有り難うございました。



それにしても良く情報を纏められましたね。重宝します。しかし中外も株価が倍になってますからね。初めから聞いてはいたのですが、投機市場は凄いです。たしかにタミフルの場合は、ヴィールスが確認されてからしか医薬品として投与されない筈ですが、使い方が違うのでしょうか。



ドイツの場合は、処方箋を持って薬局で買うのですが、今年七月までは殆んど出なかった薬らしいです。インフルエンザワクチン接種は良く聞きますが、この違いは極端ですね。





実は私もボージョレー風呂を想像しておりました。温まりますよ。

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