Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

グラン・クリュのリースリング

2005-01-14 | ワイン
二十七年前の苗からとった葡萄で作られた。古い苗は収穫量が落ちる反面、少々の気象や環境の変化に堪えるだけでなく、病気にも強い。その年齢はそれを証明する。地所はルパーツブルクのガイスブールで、ドイツのグラン・クリュである。本来ならば辛口で一本€21と高価すぎるのであるが、地元奉仕価格で分けてもらった。一ヘクタールの収穫を39ヘクトリッターに制限してある。2003年は、異常高温の夏であったが、摘み取りは早かった。

流石に地面が違う、ミネラル風味が目立つわけでもなくスッキリしながら濃くがある。さらにここのワインのスマートさがありながら、一部の人に疎まれる吹き上げる香気と突き上がる酸がない。この手の地面のボディー感に最高の繊細が加わったといえようか。モーゼルにはない苔むしたような玉露の深み、ラインガウにはない果実風味。薄荷のような爽やかさが尾を引いて自然な水のように喉元過ぎる。勿論その途中でベリーや林檎の味からほとんど蜂蜜の風味まで楽しめる。つまり鼻で楽しむよりも口内で楽しめる。少なくとも5年経っても落ちるものはない。逆に言えば、これが醸造蔵で厳密に確認されていたことになる。
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2 コメント

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今にも香りそう… (BUBU)
2005-01-17 04:25:44
う~ん。読んでいるうちに飲みたくなってしまいました。リースリングはまさに、「突き上がる酸味」が苦手だったのですが、考えてみれば適当に安物ワインを買っていましたからね。一本21ユーロというと、たまに思いきって買うBaroloより高い…

ワインは価格に正直ですね。
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辛口リースリングは良い物を! (pfaelzerwein)
2005-01-17 20:29:45
BUBUさん、高いですね。しかし問題は、コストパフォーマンスです。そして飲み手にとってその価値があるかどうかはまた別です。ピエモンテのバローロもボディーがあって長持ちで素晴らしいですが、労働の密度が違います。辛口リースリングは、良い物を試していかないとファンには為り難いです。

ワインレストランで適当なワインを飲まされて食べるよりも、豪華で価値が有りますね。このような特別なワインは、超一流の良心的なレストランでも三倍以上の値が付きます。そして本当に良い物は中々流通しません。

ラインガウにもモーゼルにもそのようなものがありますが、プァルツも試してください。CPの高いものに巡り合う為には、試飲の経験を積む事が重要です。遊びがてらに一度どうぞ。機会あればご案内します。先ずは試飲の手解きを纏めてみましょうか。
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