Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

邪魔になるZDFクルー

2018-11-07 | 文化一般
一走りして汗をぬぐいながら肉屋に立ち寄る。店前で若者が屯していた。挨拶もしないのでどういった連中かなと思っていたが、店内に照明が立っていたので聞いてみるとTV撮影だという。地元のSWRかと聞くとZDFだという。どちらもMainzからだが、後者は世界に流されるので全国規模だ。前者はローカル番組が主体となる。ドイツで一番有名な肉屋さんの一つだからTVでも頻繁に取り上げられているが、ZDFはあまり記憶になかった。

ボストンでの復活交響曲を聞いた。ざっとBGMで流す限り、部分的なシステムの強調などが聞かれたが、全体の印象として凡演だった。理由はそこの交響楽団を上手く鳴らすだけではとても音楽的な高みへは到達しないというのが明らかだ。逆にマーラーでもゲヴァントハウスの方がギクシャクしたところが面白いので、若干非力なこの交響楽団には小澤ぐらいの指揮の方があっていたかもしれない。その意味からショスターコーヴィッチ全集などもあまり期待できない。合唱を使った前プログラムの新曲を入れるのはいいアイデアだと思うが、これもそれ以上ではない。アンドリス・ネルソンズにはやはりゲヴァントハウスに集中して欲しい。

そのゲヴァントハウスとのスーパーオペラ上演を期待していたが、意外に実現するかもしれないと思った。理由は来年の元旦もドルトムントで第九を演奏するように、前支配人スタムパとネルソンズの協調関係というのが存在して、ネルソンズともネゼセガンともサロネン同様の専属契約を結んでいたからなのである。これはやはり大きな意味を持つ。当然のことながらネルソンズがバーデンバーデンでゲヴァントハウス管弦楽団を振ってオペラを上演するアイデアは既に存在することになる。問題はライプツッヒの劇場とそこのシルマー監督との関係でしかないだろう。ネゴシアンとしての手腕を示すならば実現可能ではなかろうか?
Konfetti-Salut zum Abschied von Intendant Benedikt Stampa


従来通り夏はペテルスブルクからゲルギーエフ一団が、復活祭はベルリナーフィルハーモニカーがとなると、ネゼセガンのオペラに加えて、空きシーズンにネルソンズ指揮ゲヴァントハウスがどうしても欲しい。そうなればスーパーオーパーのメッカとなる。それ以外にもサロネンフェストやブーレーズフェストなどを加えれば、ロシアからのみならず世界各国からの訪問客が期待される。

それにしてもスタムパは先シーズンで勇退していて、本来ならば今シーズンからバーデンバーデンとなっていたはずなのだが表向き一年休養したのには事情がありそうだ。やはり、今までのプロジェクトからのプログラムを前任者が最後までやることと、新任者による大きなお披露目があるということだろう。さし当たって、来シーズンのオープニングが気になる - ヴィーナフィルハーモニカーがまた呼んで貰いたいといっていたから、来年はルツェルンに続いてのゲヴァントハウスのブルックナーの八番でのオープニングだろうか。その前の春の発表でペトレンコ指揮のオペラ公演が発表されるのだ。

兎に角、同じような楽団を他所まで演奏会に訪ねると出し物が重なりそうになる。新春のルクセムブルクでのユンゲドイツュは狙っていた席が一般発売とならず希望価格の席は良くなかったので断念した。割安席は定期会員に回っていたようだ。そこでエルブフィルハーモニカー行きが決定した。泊めてくれるともあったのだが念のために序に宿も予約しておいた。

エルブフィルハーモニーも早く完売した。その前に催されるSWR管弦楽団の演奏会はどうも上部は閉鎖されているが車椅子席以外でも83ユーロで売れ残りがある。あそこまでソニーが広報をしても売れ残っている。プログラムもチャイコフスキー五番、シュニトケを組み合わせただけなのでかなりコンサヴァティーヴだ。詳しくは分からないが、上の演奏会の「春の祭典」に比較すると売れないのかもしれない。



参照:
イアーゴに騙されるな 2018-11-06 | 文化一般
もぞもぞとした地所の味 2018-11-05 | 試飲百景

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2 コメント

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ネルソンズ (jun)
2018-11-08 09:02:00
おはようございます。
先日ブロムシュテットEテレのブルックナー9番の件をお伝えしましたが、他の2プログラムも2週続けて放送するようです。今回は演奏の中身についてふれていませんが、ずいぶんオケが上手くなったな~もしかしたら編集しまくり?と疑いを感じ、一気に心が冬になった気分です。真実を知りたいと願いつつ、人生は疑うことから始まります。NHKは他の番組でも感動を作り込む。そこが嫌いです。涙を誘う公共放送。肉屋のZDFに座布団一枚。

ネルソンズのマーラーは、そのままライプツィヒとボストンの特徴が表れているのかもしれません。鳴りかたの異なり過ぎる団体と聴衆の文化が影響。僕はマーラー苦手な部類なので論理的ではありませんが。
先だってハーディングがブルックナー5番をベルリンで指揮しましたが、その少し前にパリと北欧で同じプログラムやっていて、最初の2つはラジオで聴きました。ベルリンに向けての練習だった?個人の感想だけれど、そのパリの演奏が酷くて(笑)統一感のない個人主義丸出しのばらけた音楽。さすがフランス。しかし面白かったのは、音楽ってなに?という気分になれました。。
サロネンは来年いよいよリング全部演奏しますね。しかしプロムスでのワルキューレ1幕が残念な結果だったから期待しないようにしています。テンポが遅くバラけた雰囲気。さすがプロムス。さすがアングロサクソンです。

すいません。考えないで書いたら酷い文章になってしまいました。
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ジャーナリズムの透徹した視線 (pfaelzerwein)
2018-11-08 16:48:52
メンタルに訴え掛ける手法が肝心ですよね。多くの人のつぶやきを見ていると方向性は最初から定まってますが、余計にジャーナリズムの透徹した視線とそこからの「教育性」は欲しいです。映像を見るかどうかは分かりませんが、それほどの外しは生放送でも僅かで、編集もあっても最小限でしょう。N響は例えばボストン響と比較するといいかもしれません。響きの出来上がりやアンサムブルの流儀、ネルソンズが振らないでも、ヤルヴィが振っても間違い無く変わらない核の相違を観察すれば現時点でのN響の位置づけが可能かと思います。

ボストンの響きはコントラストとしてはシック過ぎて物足りなかったです。週末の「くるみ割り人形」は聞いてみますが、さてどうでしょう。ゲヴァントハウスも間違いなく上手いレパートリーですからね。

サロネン指揮プロムスは駄目でした。そちらの方にレパートリーを広げるとすればバーデンバーデンでの下準備となるのでしょうか。独仏ものは本場での上演となり結構厳しいとは思いますが。オペラの指揮は難しいです。
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