Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

史実に立つ頭打ちシナの現実

2009-05-23 | マスメディア批評
ジョン・ラーベのことが記事となっている。同じ史実に纏わる二つの映画の中国での大反響をマルク・ジーモンスが伝えている。片や未だ嘗てないドイツ映画の成功であり、片や中国商業映画史上最大の成功作品なのである。

特に目新しい面はないようだが、中華作品「南京、南京」の内容にも触れており、両作品のトレーラーなどを纏めてネット掲載してあるので便利である。

それによると中華作品では大日本帝国陸軍の兵隊の目で描かれる小型カメラ視線での情景が少なくないようで、虐殺を加害者の人間的目で描いているらしい。

これで思い出すのは、朝日新聞などが田中角栄の金脈外交によってなされた日中国交回復時に取ったような中日人民の友好的関係の視線なのである。「罪を憎んで人を憎まず」と言うか、何一つ意味を齎さない「人類兄弟、世界は一つ」の掛け声そのものなのだ。

そうした「現実」が白黒映像でドキュメンタリー風に「史実」として描かれるところにプロパカンダが存在している事に間違いがない。経済的な影響力を背後に「南京虐殺は悪であるが日本人は悪くない」との中共の検閲の方針は、「良心的なナチ」にも掛かるが、それによって両敗戦国の否決権を持つ常任理事国入りまで支持して世界に中華思想を打ち出した新体制へと移行しようというのだろうか?

こうしたプロパガンダは、まさに国交回復時の日本の大新聞社が取った政策報道そのものであり、それに違和感をもち得なかった大衆は同じ誤まりを再び繰り返すに違いない。

要するに戦略的な関係とする以上に、友好とかなんとか言うプロパガンダの裏にはなんらかの利権などの魂胆が存在すると見るべきである。だからここに紹介されているネットなどでの「犠牲者は絶対許さないぞ」とか「日本人のために史実を取り繕いやがる現代の売国奴」とこの中華人映画監督を脅す者の意見に、典型的な被差別意識に立脚する民族主義者や国粋主義者のトラウマに落ちる被害者意識が強く表れる。そうしてこうしたどこにも存在するヤクザ者の意見に対して、中共映画協会の副理事は新聞紙上にて、「芸術の創造力は、公の場において護られるべきであり、決して文革の三角帽子への嘲笑のようなものと同じとすべきではない」とその映画を支持する。

そしてその映像表現への取り組み方自体がマルクス主義に倣ったシュールレアリズム的な「表現の効用」に準拠するようであり、一方のドイツ映画に措けるそれが美学的に開かれた歪なものである対照がとても面白い。芸術家を含むどのような層のシナ人にとっても現実認識の方法に大差は無く、如何に伝統に立脚した毛思想が偉大であり、近代シナを形勢している事実に間違いはないと示されているとするのは早計だろうか。少なくとも、日本の修正主義者を含む学識文化人とはまた異なる意味で、シナ人にとって自然科学を含めたあらゆる知的活動分野での活躍は明らかに頭打ちなのが現実ではなかろうか。



参照:
John Rabe bittet um Verzeihung, Mark Siemons, FAZ vom 19.05.09
自由主義者の戦後社会学 2009-05-05 | 文学・思想
未だ覚醒しない兄弟との確執 2009-04-19 | 歴史・時事
独・ユダヤ・シナ・日本の愛憎 2009-04-14 | 歴史・時事
「ドイツ問題」の追憶の日々 2009-04-13 | 歴史・時事
情報の洪水を汲み尽くす阿呆 2009-04-12 | マスメディア批評
知性に劣る民を卑下する美徳 2009-04-06 | マスメディア批評
「南京事件を描いた映画「ジョン・ラーベ」の日本公開を求める署名 」 
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