地下駐車場に車を停める。車を下りて、コートを羽織ると、一目散に出口へと向かう。地上階へと登り、駐車場の支払い窓口を探すが、見当たらない。「いづれは無くなる清算機、カードを使おう」とアピールする自動清算機を通り過ぎて階段を上下する。
財布を忘れて、25KM以上も離れた町で、駐車場の中を右往左往しなければいけなかった。財布が無いと気がついた。燃料も帰り道に給油してと思っていたが、これで一挙に厳しい状態に置かれた。二月一日のカレンダーの安売りに出かけてきたことがとんだ事になった。隣の連結されている駐車場の有人清算所を、通りがかりのおじさんに、思い起させて貰う。何処かで見かけた顔であるが、何処の誰であったか思い出せない。
駐車場出口横の管理のオヤジは、「これは、ここから動けないな」とニヤリとして一銭も持ち合わせていない男を脅かす。そして「出口で呼び鈴を、押して」と。
1229番に停めてある車に戻り、先ずは省エネ走行をイメージする。ボードコンピューターが示す残りの燃料3リットルから割り出した、現在の燃費に準じた走行可能距離は20KMを割っていた。市街地走行を抜けると真っ直ぐなアウトバーンであるので、当然距離は伸びる。しかし往路にて考えていた帰路での給油場所はライン川向こうの隣町であった。
中速を守りながら隣町を過ぎる頃、走行可能距離は相変わらず15KMを下回っている。そして本日の総走行距離は既に38KMを越えている。そのころから、途中の町へと下りて、無料で給油出来るような馴染みのあるもしくは親切そうな給油所を頭に思い浮かべる。残り燃料が1リットルを指す頃には、寄り道をも諦めた。自宅へと少しでも近づくのが最善の方法である。
進行方向直線上に給油所があるのでそこまでなんとか惰性で車を転がして、無料の給油を頼み込む事を具体的に考えた。そこへと二百メートルに迫る場所で、思い切って左折して、出来るだけ速度を落さずにバイパスへのランプへと乗り上げる。
こうなれば、自宅から歩ける距離にある親しい給油所をなんとしても目指すのである。バイパスから再びランプをエンジンを高回転させて登るが、回転数が思いの外上昇する。軽くなっている車両が横へと振られる。
ここまでこれば、腹が据わる。なんとか慣性力を殺さずに隣町まで転がせれば良いのである。そこに至れば、給油しても、歩いて自宅へ戻って財布を取りに行っても良い。そして、とうとう町へと入った、思わず給油所を通り過ぎる。信号待ちをして、自宅へと最期の舵を切った。そして何事も無く自宅へと到達した。
急いで自宅に見つけた財布を掴んで車へと戻る。エンジンは掛かる、給油所まで強引に車を走らせる、到着した。少々高めの燃料を必要なだけ給油した。再び、先ほどの駐車場へと向かった。
財布を忘れて、25KM以上も離れた町で、駐車場の中を右往左往しなければいけなかった。財布が無いと気がついた。燃料も帰り道に給油してと思っていたが、これで一挙に厳しい状態に置かれた。二月一日のカレンダーの安売りに出かけてきたことがとんだ事になった。隣の連結されている駐車場の有人清算所を、通りがかりのおじさんに、思い起させて貰う。何処かで見かけた顔であるが、何処の誰であったか思い出せない。
駐車場出口横の管理のオヤジは、「これは、ここから動けないな」とニヤリとして一銭も持ち合わせていない男を脅かす。そして「出口で呼び鈴を、押して」と。
1229番に停めてある車に戻り、先ずは省エネ走行をイメージする。ボードコンピューターが示す残りの燃料3リットルから割り出した、現在の燃費に準じた走行可能距離は20KMを割っていた。市街地走行を抜けると真っ直ぐなアウトバーンであるので、当然距離は伸びる。しかし往路にて考えていた帰路での給油場所はライン川向こうの隣町であった。
中速を守りながら隣町を過ぎる頃、走行可能距離は相変わらず15KMを下回っている。そして本日の総走行距離は既に38KMを越えている。そのころから、途中の町へと下りて、無料で給油出来るような馴染みのあるもしくは親切そうな給油所を頭に思い浮かべる。残り燃料が1リットルを指す頃には、寄り道をも諦めた。自宅へと少しでも近づくのが最善の方法である。
進行方向直線上に給油所があるのでそこまでなんとか惰性で車を転がして、無料の給油を頼み込む事を具体的に考えた。そこへと二百メートルに迫る場所で、思い切って左折して、出来るだけ速度を落さずにバイパスへのランプへと乗り上げる。
こうなれば、自宅から歩ける距離にある親しい給油所をなんとしても目指すのである。バイパスから再びランプをエンジンを高回転させて登るが、回転数が思いの外上昇する。軽くなっている車両が横へと振られる。
ここまでこれば、腹が据わる。なんとか慣性力を殺さずに隣町まで転がせれば良いのである。そこに至れば、給油しても、歩いて自宅へ戻って財布を取りに行っても良い。そして、とうとう町へと入った、思わず給油所を通り過ぎる。信号待ちをして、自宅へと最期の舵を切った。そして何事も無く自宅へと到達した。
急いで自宅に見つけた財布を掴んで車へと戻る。エンジンは掛かる、給油所まで強引に車を走らせる、到着した。少々高めの燃料を必要なだけ給油した。再び、先ほどの駐車場へと向かった。
お財布がご自宅でよかったですね。どこかに落としていたら眼も当てられない。車の燃料も持ってよかったです。
私も以前大型ショッピングセンターへ車で出かけた時、
買い物をしようとして財布がないことがありました
。
鞄に入れたのは覚えていたので、どうやら鞄の口から車内に落ちたらしい。
「車上荒らしにあってたらどうしよう」
とハラハラしながら車に戻ると、
助手席にカーディガンと共にぽつん。
どっと力が抜けました。
日本は今日、暦上の最後の冬を迎えています。
冬将軍の最後のあがきにコートの襟を立てて外を歩いてきました。
日が悪くて人通りが無く、その頃は携帯電話という便利なものもなく、途方に暮れていたら、奇跡的にも車が一台やって来て。。。。。
セリヴィアで強盗に遭いカードも無ければ現金も無い状況でドイツへと戻ってきた有人の話をしましたっけ?
seedsbookさん、私は町中で燃料切れで車を道路脇に停め、ポリタンで近くの給油所へと取りに行ったことがあります。動かない自動車ほど役に立たない物はないですね。
歩いてもそこまで戻ってこないといけないのが面倒。
自分ではどうにもならず。。。
開けてもらうのに4時間待ちました。^^;
ちょっと質問なのですが。。。
2月末から3月始めにドレスデンに行こうかと思っていますが
フランスと同じ暖冬なのでしょうか?
わくわくしながら読ませていただきました。
日常のちょっとした事件が、こんなスリリングな小説になってしまうのですね。
気に入った表現がいくつもありました。
あと、pfaelzerweinさんはどんなことを書いてもキャラ立ちしてしまうのが最高にいいと思いました。
閉め出しは二回あります。双方とも旅行への出発時の早朝でした。
葉子さん、お恥ずかしい。実際に馬鹿な事を繰り返して居ります。燃料切れ恐怖走行は旅先でも頻繁に行っていて、同乗者からは「止めてくださいよ、押しませんよ」警告を受けています。
アウトバーン上での燃料切れは交通違反行為で、免許不携帯も加算されますね。
仕事柄、似たような経験もあるし。
過日、小生、財布じゃなくって、鍵束を落としました(多分、紛失じゃなく)。
警察には落し物の届出は出したのですが、見つからず。
気づいたのは会社の駐車場に着いてから。
鍵がない!
あとは語らず、です。
お財布もあって、車も燃料切れから救われて、本当によかったですね。
今年の元旦ですが、私も車のガソリンが少なくなって慌てました。私の家は田舎なので、ガソリンスタンドも一斉に休みでした。
なんとかセルフ給油のスタンドを見つけました。
冷や汗ものでした。
またお話を聞きたいものです。
jyakuzuregawaさん、お久しぶりです。
上のコメントにも書きましたように、違反になるのでトランクに専用の燃料入れにリザーヴを入れている車もありますが、事故の場合爆発の危険性があって危ない。
無人セルフでしょうか、それとも有人セルフでしょうか?セルフ以外のスタンドは、欧州では少数ですが、無人化は恐らく二十パーセントに至っていないでしょう。しかしスイスは、郊外が殆どなので無人化が進んでいます。