Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

Digitalisierung ändert Alles!?

2017-09-08 | SNS・BLOG研究
文化や芸術については書いても、殆んど政治については語らない。それでも総選挙も近づいてきたことであり、最新の世論調査と新聞記事を読んで一言。最も興味深いのは、難民大量流入問題以前の状況に戻ってメルケル首相の人気が復活したことだろう。その背景には、ハンガリーのオーバン首相やオーストリアの右翼やトルコのエルドアン独裁の様な悪い連中のお陰がある。メルケル首相は女性的な狡さで天才的な政治をしているように思えてきた。

そして国民の主要話題は、お天気だけでなくて、トラムプ、難民、トルコ問題、ディーゼル、アンゲラ・メルケルと四年前よりもより政治的になっているというが ― 実際政治談議ではなくてもこの辺りの話題は立ち話に上るようになっているが、それは身近な切羽詰まった問題であるよりもTVワイドショー的な世間話しでしかない。

それでも数少ないSPD支持者の中では、社会の公平、若い子育て世代への政策、年金と所謂社会民主的な政策も期待される。しかしリアル政治の中では、ドイツ経済の景気とか社会の全体の楽天的な気分の方が大切なので、誰もSPD政権に期待していない。実際に自由党と緑の党の所謂ジャマイカ連立政権となるのかどうかは分からないが、メルケル政権への支持は揺ぎ無いようだ。経済に関してもマイナス金利から正常化へとソフトランディングへと向けて動いているだけで、なにも自由党がそこに必要ではないだろう。

そもそも大連立の第二党には勝目が無いのだが、それ故に新たな候補を立てて、旗手回生を狙ったようだが、SPDの長期低落傾向の中ではシュレーダー前首相程度の余程の人物が出てこないと政権は狙えないということだろう。兎に角TV討論会なども生温くと書いてあるので、結局はシュレーダー、メルケルの討論やその後のZDF攻撃などの闘争は全くないということだ。

面白いのは、極東へと向かったピアニストのイゴール・レヴィットがトランジットのバンコックまでの隣席の空いている飛行機内でも「一体誰がFDPを選択するのだ」と呟いていて、そうなると緑の党はどうしても連立に入らなければいけないということになる。FDPだけならば詰まらない政策も出てくるかもしれないが、AfDよりも弱い緑の党でもそこに入るとやはり違うだろう。AfDに対して「ナチス」と攻撃して、流石に考えたのか、その反対は、「左翼のいい人」ではなくて「普通の思慮深い人」というのを取り上げている。そもそも彼が左翼であることは了解しているが、ソヴィエト出身の人間としてはメルケル首相と同じく左翼党の支持者であるわけがない。

そして、「I Am Not Your Negro」を五回も見たとして、再びAfDに今度は静かに批判する投稿を扱って、ジェームス・ボールドウィンに言及する。勿論その背景には合衆国における時事があるのだが、私がAfDへの立場を表明したのと同じように「奴らの言動」に対する激しい気持ちがそこから浮かび上がってくる。正しく、自らが命題を述べるまでも無く、引用によってそれ以上に大きな表現が可能になるというとても芸術的な表明となっている。流石に一流のまだ若い芸術家の表現である。

I Am Not Your Negro Official Trailer 1 (2016) - James Baldwin Documentary



参照:
Twitter.com/pfaelzerwein
IfD Allensbach
Go home & never come back! 2017-08-24 | 歴史・時事
レヴィットのルジェスキー 2017-08-29 | 音

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Digitalisierung ändert Alles!? (old-dreamer)
2017-09-09 15:49:40
政治の世界、関心はありますが私も書く意欲がありません。一つの理由は政党、政治家の質の劣化、それは国民の身の丈にも関連していると感じるからです。過去を賛美する気は全くないのですが、下り坂の世界を生きている思いが強まりました。
ジェームス・ボルドウイン、黒人でも白人でもない私にも強い刻印を残してくれました。公民権運動時代の映像は滞米中であったこともあり、とりわけ印象的です。昨年9月、未だ現役だったオバマ大統領が、アフリカ系アメリカ人のアメリカ史・文化への貢献についてスピーチした時、彼の短編”Sonny's Blues"からの引用で始めたことを知って、その影響力を改めて認識しました。映画”I AM NOT YOUR NEGRO"は、ぜひ見たいと思っています。
「公民権運動時代の映像は滞米中」 (pfaelzerwein)
2017-09-10 00:00:45
先日ブログを拝読して、当時の社会状況の直接の体験に驚きました。表面的な知識としては知っていても、アフターからの視座しかなかったもので、その現実は全く想像もつかないです。

それでも今回の一連の騒動などを見ていると、一寸したものの言いようみたいなことで世界が変わってしまうような感じがしました。

ドイツにおいても僅か三十年近く前の例えばCSUの政治家などはもっとどすが効いていた訳ですが、今や軽いノリで所謂ネトウヨ的な言動で容易に世界を変えてしまうような発言が飛び交うようになりました。これはやはり空気を環境をしっかりと見極めないといけない必要性を強く感じます。

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