Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

オペラ賞ノミネート推薦

2022-08-04 | 文化一般
オペラアワードノミネートに投票した。シーズン最初の2021年9月1日~2022年8月31日までのカテゴリー別ベストを書き込む。聴衆からのそれらも参考にして9月にノミネート選が発表される。

世界の賞なので我々の分からないものも出てくるのだが、過去の受賞を見れば、やはりいいものは選択されている。ニューカムマーとしてアスミク・グリゴーリアンや指揮者のルスティオーニ、演出のロッテデベーアが選ばれている。特に最後のは2017年の「三部作」をミュンヘンで演出したが、既にヴィーンのフォルクスオパーの支配人になっていて、どちらかと言えば企画の人である。ルスティオーニはリオンの音楽監督でミュンヘンに客演しても成程評判がいい。だから押さえているところは押さえている。

先ず指揮者は、疑いようがなくティテュス・エンゲルで、復活祭でしか振らないペトレンコは最早オペラ指揮者としての影響力はない。しかし美術には「スペードの女王」のクリスティアン・フノヤーを推した。演出グループの一人であるが、映像化されたそれを観ても嘗てのジャンピエールポネル時代とはまた異なる美意識を示していて、結構新しいスタイルのように思う。美学的な豪華絢爛としたものだ。ロココシーン以外にも長テーブルにも美意識が感じられた。

演出も「ジュディッタ」のマルタ―ラーで迷いはなかった。「ブルートハウス」のクラウス・グートもよかったのだが、また「マスケラーデ」でのクラッツァーも、「三部作」のロイも「ルードンの悪魔」のサイモン・ストーンも皆実力者である。その中の三人の演出でエンゲルが三つも振っているだけでも彼が音楽劇場における第一人者であることを傍証している。彼の振る新制作に通っていればそれで事済むような塩梅さえある。

バーデンバーデンのコロナ支援についても入れておいた。女性歌手は再びアスミク・グリゴーリアンに匹敵するような歌手はいない。最後に何とか三部作を聴けて大満足だった。

フェスティヴァルに関してはバーデンバーデンしかないが、復活祭とするのを忘れた。生涯成果は、まだこれからだがフリードリッヒ・ハースしかいない。この十年程のオペラ三曲だけでオペラの歴史の頂点に君臨する。この様な名前をどこかに入れない訳にはいかない。男性歌手は見つからなかった。昨シーズンならばカウフマンで良かったのだが、それに匹敵するような歌手は聴いていない。

勿論新制作は今世紀の前半の音楽劇場を代表して金字塔に輝く制作「ブルートハウス」以外にないだろう。最悪、エンゲルが最高の指揮者にならなくても、「ブルートハウス」が選ばれないような賞に何の意味があるのか。残念ながら初日にニューヨークタイムスは来ていなかったか。

オペラカムパニーはシュターツオパーのシュトッツガルトが「ボリス」再演を含めて断トツだろう。再発見にも「ブルートハウス」と敢えてして、「ルーダンの悪魔」を外した。ライジングスターには、「ボリス」を歌ったアダム・パルカで間違いない。既にその活躍の場が広がっている。



参照:
クリスマスイヴの準備 2019-12-24 | 暦
旨味を引き立てる香味 2017-12-26 | 料理
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする