Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

待てば甘露の日和あり

2008-08-19 | ワイン
先週は赤ワインを開けたいような涼しい日々であった。久しぶりの牛ステーキに、試飲出来ずに購入したピノノワールを試した。

2005年産のA・クリストマン醸造所のSCと呼ばれる上位から三番目のシュペートブルグンダーのワインである。前回は、厳しい夏であった2003年産を絶賛したが、それに比べると酸が強くてバランスはあまりよくない。一般的に2005年産の赤ワインは評判であるが、このレヴェルのワインでは2003年に劣るかも知れない。格上の2003年産のオェールベルクを思い出すと、これだけの酸味があるならば、よりアルコール度が高い格上のシュペートブルグンダーなら期待出来る。2005年産のオェールベルクに期待しよう。

その次には、同じ醸造所のオルツリースリングと呼ばれる2007年産ギメルディンゲンを豚ステーキに合わせて開けた。これはケーニヒスバッハのイーディックの茶室跡での試飲会で食事に最も楽しめたものである。

なんといっても爽やかな酸味と新鮮な柑橘類の風味が食を進ませた。その風味は十分に高級ワインであるが、その価格の9.20ユーロは決して食事の相伴としては安くない。問題は、このリースリングから繊細な味覚を感じられないことで、そうなると容易に飲める日常消費用のワインとしては高価過ぎるのである。9ユーロを出せば、バッサーマンヨルダンの一級の地所のキーセルベルクなど、どんなに繊細な食事にも合わせる事が出来る素晴らしいワインがある事を考えると、競争力はない。

さて、春にも試して、その節は難かし過ぎる印象を得た2006年産ランゲンモルゲンを再び開けた。これは、その酸のバランスから比較的早飲みが勧められて、実際に前回の印象は旨味があまりにも少なく、香木の味やあまりにも肌理の細かすぎる酸が気難しい印象を与えていた。

それが今回は、香りは殆ど変わらないながら、そこはかとない蜂蜜香がその味にも出てきて、甘露として旨味を付け足してきているのに気がついた。

食事に合わせるとなると、その甘みが邪魔するかもしれないが、ぺパーミントやロズマリンなどの香料がほのかに効いたデリカテッセンがよいかも知れない。

そうなると、今まで気難しさを与えていた複雑なミネラル質と香木の香りがより以上楽しめるのである。それは丁度、お汁粉に塩をいれると甘さが増すようなものなのである。

今までの時点で、2006年産リースリングの内で最高の品質の一つであると感じた。そして、三か月の内にこれだけ評価が変わるリースリングであるからこそ、試飲の時にその品質確信を持てれば、最低六本は購入する必要がある事がこれで判るだろう。



参照:
ランゲンモルゲンとはこれ如何に (新・緑家のリースリング日記)
ドイツ旅行記2008年5月 (DTDな日々)
たとえ試飲が出来なくとも [ 試飲百景 ] / 2008-07-22
気付薬は廉い方が良い? [ ワイン ] / 2007-08-13
ワイン三昧 第一話 '05II [ ワイン ] / 2005-11-08
ワインの時の三位一体 [ 試飲百景 ] / 2007-05-11
趣味でミクロを宣う文化人 [ 文化一般 ] / 2007-07-18
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コメント (2)
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