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Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ユダヤの旋律「コルニドル」

2021-07-20 | 歴史・時事
(承前)金曜日の予定が殆ど定まりつつある。劇場でテストを受けれるようにその時刻前にホテルにチェクインするだけだ。切符を買う人とは劇場前で会うことにした。そこで先ずは当夜のプログラムをもう一度振り返る。気になっていた「コシファンテュッテ」のフィオルデリージが歌う「岩の様に」をお勉強する。演奏されるのは分厚い管弦楽のヘルマン・レヴィ編曲版であるが、2日に聴いた印象では、響き以上にその歌手の特徴と共にドラマティックな面が強調されていたので、編曲の意図を知りたいと思った。日本で「魔笛」第一の侍女を歌っている人だがとても強くドラマティックに歌っていたのである。

成程ベーム指揮のシュヴァルツコップなどもとても強く歌っていて、若い時のヤノヴィッツも言葉の明瞭性などで結構奮闘している。前者などはそこまでしなくてものダイナミックスやアクセントがあるがベーム指揮がとても拘りの演奏だから従っているのだろう。カラヤン指揮はやはりその点本当にソフトであって自然な音楽的な間合いを取っている。歌手からすればカラヤンの方がやはりいい指揮者だったと思う。昨年のザルツブルクでのヴィデオでのトライシークの歌も聴き直したが精一杯の歌声を出していることが分かり、又付けているマルヴィッツの指揮もスタイルが違って、改めて悪くはないことを確認した。

苦手な楽曲というのは殆ど無いのだが、その指折りの中に入っていたのが、ブルッフ作曲の「コルニドライ」である。ロマンティックでありユダヤの旋律というだけで重苦しい。2日に初めて実演で聴いたが、ソロストの力量もあってか、やはり掴みどころが少なかった。比較にマイスキーのソロでイェルヴィ指揮HR交響楽団の演奏で聴くと流石に上手い。
Bruch: Kol Nidrei ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Mischa Maisky ∙ Paavo Järvi


その旋律も馴染んだので、この作曲を批判的に扱ったシェーンベルクの小さなオラトリオを聴いてみた。成程こちらの方が面白い。バーンスタインなどは特別にユダヤ的なアクセントをつけて指揮していてあまり参考にならない。

その贖罪自体が契約不履行を促すとして、アンティセミティズムの攻撃対象になっているということだ。何故ここにこの曲が演奏されるかは明白で、ペトレンコにとっては来年のベルリンでのユダヤ人プログラムを先行する形になっている。

メンデルスゾーンのルイブラス序曲も余り演奏されない曲で録音も少ない。ネットではアバド指揮のロンドンでの録音が出て来たが、大分いい加減な演奏で、使い物にならないことが分かった。もう少し調べてみるとメータ指揮ミュンヒナーフィルハーモニカーのものがあった。流石に立派な音楽を奏でている。

あとはアカデミーの楽団で演奏される「ジークフリート牧歌」である。この曲も昔一度お勉強したことがある。初演地のルツェルンでの演奏会の為だったろうか。先日演奏を聴いていてもう一つ分からないところがあったので確かめてみなければいけない。そのアカデミー楽団が金曜日の演奏会でヘルマン・レヴィ楽団と名前を変更する様だ。(続く)



参照:
さしかかる転換点 2021-07-13 | 文化一般
ロストジェネレーション 2021-06-15 | 文化一般
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「社会を動かし乍」の嘘

2021-06-06 | 歴史・時事
月曜日には幾つかの入場券の発売がある。時間を作って挑む。日曜日の予定だったバイロイト音楽祭の一般発売が延期になったので、こちらに集中すると共に、組み合わせの順番が変わった。元々、入券の可否に関係なくミュンヘン郊外に部屋を取ってあるので、そこからバイロイトとザルツブルクへと動く計画を立てていた。

先ずミュンヘンのフェストの入券が容易でないことは分かっていたが、こちらは明るい兆しが見えて来て期待が少しづつ広がっている。それに対して発売日延期だけでなく最も不透明なのがバイロイトで、その空調の無い場所柄、検査と入券の二重苦で、期待薄になってきた。少なくともミュンヘンの宿から出かけて組み合わせるのは難しくなった。

しかし本来ならば最も先にサクサクと決まって乗り遅れた筈のザルツブルク音楽祭が予定通り満席入場許可が出たことから、ざっと残り半数の席が一挙にオンラインで購入可能となった。私の知る限り初めてのことで、特に新制作オペラなどは中々売れ残らないのが普通だ。「ドンジョヴァンニ」初日も買えるだろうが、歌手陣を逐一調べてもブレークアウトするような逸材はおらずこちらから出かける程の価値もなく、ミュンヘンからも少し都合が悪い。

昨年と今年で二分されてしまったからだろうか、百周年にしては可成りプログラムの程度が落ちている。ノーノの「イントレランツ」にしても指揮者がメッツマッハーではあまり期待できない。昨年の方が価値があった。

EU各国は来週から海外の観光客を受け入れる。愈々観光シーズンであるが、バイエルン州などではまだ宿泊前テストの必要性などの制限が活きているようである。これも政治家が何かをやっているかのように規制を左右する権力を見せつける典型的なポピュリズムの政治の表れでしかない。

そもそも検査が感染を防ぐ効果は特定の学校や職場等での限られた場合でそれ以外の全員調査が効果を上げた試しがない。ここに来て英国が今迄は大変な高額を請求していた検査を無料にするとあったが、まさしく最早ジョンソン政権がお手上げで無策を隠すための方策でしかないだろう。社会を動かしながら感染拡大を抑える方法は存在しない。

逸早く安くと積極的にアストラゼネカワクチンの接種を進めた英国が土曜日現在再び新感染増加を明らかにして、新陽性者指数も43とゆっくりと上昇線を描いている。一時は一桁で、ドイツなどは100に近かった。そして今日ドイツの指数は26と大逆転した。そして今後クラスタ―などは局地的に出ても金輪際ロックアウトとなることは無いとされている。その差はビオンテクのワクチンとアストラゼネカの変異株への効果の程の差と考えられる。因みにイスラエルはビオンテクで現在の新陽性者指数は1である。



参照:
ザルツブルクの勘違い 2020-08-10 | 文化一般
相似となっている風景 2021-04-12 | 雑感
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弱者保護への自己犠牲

2021-06-01 | 歴史・時事
CDが届いた。先日マーラー作曲七番交響曲が16,99ユーロだったので、送料無料20ユーロにする為に選んだCDだ。生憎2,99ユーロの三枚組だったが、2セント欠けても無料になった。

安売りの中でのヒットチャート上位になっていて、高評価を得ている。そもそもコルネットの曲を集めた珍しいバロック集で、演奏団体のサイトを観てもそれ程上手そうではなくても結構真面目そうな面々の写真が活動を如実に表していた。

お試しを聴いてもまともで、それどころか録音モニターにも使えるとあって二度お得と、まるで私に向けた様な書くガメツイ奴がいる。私などは余白で購入するので更にガメツイ。故長岡鉄男の喜びそうな音源でそれ程複雑な録音もポストプロダクションも無縁そうである。ハイデルベルクのノート1が英国の演奏者からライセンスを買って製作している。嘗てBASFレーベルに居た人がやっている配給会社である。

月曜日は幾つかの会場などの前売りがなされた。関心があったのはミュンヘンのオペラ、ベルリンのフィルハーモニー、チュッリッヒのトーンハレである。真ん中のは出かける可能性は無かったのだが半数の千人を入れることでどの程度出るかも興味があった。結論からすると、一部では強く抵抗感があるのが分かった。勿論価値のあるようなものは売れているが、ただお愉しみでというエンタメ需要は落ちていると感じる。

ミュンヘンなどはテスト義務も無くなったが、そうしたものは抑制効果として働いている。スピード違反の罰金のようなものなのである。そもそもコロナはただの風邪で健常者にとってはインフルエンザよりも症状が軽い。つまり、マスクをして感染を防ぐとかテストの義務とかは弱者への意識も弱い者に対しての義務でしかない。

しかし、こうした需要の落ち込みは、まだまだ意識の高い者にとっては、人流を減らす為にも控えたいという気持ちが働くのであろう。言って仕舞えば、接種などは健康な人々にはただの害悪でしかない。ただただ弱者を保護する為に自らを犠牲にして集団免疫の壁になる行為でしかないのである。約半数の市民が、働くための犠牲になる行為なのである。

ミュンヘンの宮廷歌手でスペイン出身のアニャ・ハルテロスが意を得たことを語っている。自分自身は「人に感染させない為にはマスクなどをしない、寧ろ自分を守るためにマスクをする人間だ」と。勿論感染拡大を防止しなければ自身も感染することぐらいは自明だが、あらゆる法規制は弱者に対する配慮の無い市民に向けられたものなのである。

これらから、あらゆるコロナ感染予防への規制は基本的な人権に抵触して、出来る限り短期にそして必要最小限に行わなければいけない。接種や陰性証明書などの意味を極力抑制することが肝要である。無駄な自己犠牲を強いてはいけない。



参照:
国境いの向こう側へ 2021-05-19 | アウトドーア・環境
昨夏と比較してみる 2021-05-31 | 暦 2021-04-24 | テクニック
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合意形成の行政機構の確認

2021-03-26 | 歴史・時事
ドイツは指数関数的感染拡大を目前としている。火曜日未明にメルケル首相が求めた五日間連続のシャットダウンは、準備不足で否定された。よって各州が何かをしなければいけなくなった。そもそも五日間ぐらいでは足りなくて二週間程期間を取らなければ最後のロックダウンとはならない。オーストリアは結局六日間で中途半端なことを相変わらず繰り返す。

ラインラントプファルツ州のトライヤー知事は、夜中までやっての決断は自分の仕事の仕方ではないと月曜日の会議を批判した。

一方で、木曜日、金曜日を少なくとも街中は休みとするとヘッセン州知事は言及して、月曜日から緩和のものを撤回するとした。また州全土での夜間外出禁止は出さないとして地域だけとした。

ベルリンは、引き続き緩和を進めるとしたが、指数が125.3になって浮足立ってきている。月曜日からの引き締めが取りざたされるようになった。

また、CDUと緑の党では地方自治から連邦制を超えてEUまでの決定における合意形成の在り方をお互いに確認した。これが今回の「事件」の本当の主題で、行政が共同体からの意見をどのようにボトムアップして最終決断がトップダウンで下るかの民主的な行政システムが試されているという事だ。

昨年のメルケル首相の談話も日本などでは表向きの市民への訴えかけのみが大きく取り扱われたようだが、本当に重要な発言は「(非常事態でも)時間が掛かるかもしれないが、連邦制の中での決定機構の民主主義的なありかたを示した」であった。メディアがそのように扱っていないところは所謂大衆ジャーナリズムでしかないという事だ。日本にはまともなジャ-ナリズムが存在しないのだろう。

先日来の中継の中で、音楽的に気になっているものは、ヤルヴィが指揮したプロコフィエフ交響曲六番がある。見事な演奏だったが、詳しくは聴いていない。ベルリンのフィルハーモニカーの演奏では小澤指揮の全集を持っているが、その辺りとも比較してみないといけないと思う。

日本からのネット配信を観ていると、尾身会長が会見中に咳をしていて口元に掌を当てていた。そのような像が至る所で観られる。マスクをするのは日常茶飯になっていた日本では咳の仕方の指導が無かったのだろうと思う。ドイツでも連休明けに学校でコロナ規則の指導とかの話しがあるが、咳の仕方に関して一年以上に亘ってキャムペーンがなされた。なるほど間接的な感染の証明はあまりされていないというが、握手をしないでも流石に唾をそこいらに付けてというのは矢張り留意すべき規則ではなかろうか。



参照:
大戦以来のドイツの危機 2020-03-19 | 歴史・時事
メルケルの啓蒙的演説 2020-12-13 | マスメディア批評


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殆ど移民の為に酸素吸入

2021-03-08 | 歴史・時事
コロナ禍は終息に向かいつつある。そのような時に出てきたロベルト・コッホ研究所ヴィ―ラー所長の発言は注目される。

「方々の病院医師が、人工呼吸器をつけている九割は移民の患者で、多くはコミュニケーションに困っている、そしてそれはタブー化している。」というもので大衆紙ビルドに掲載されたものだ。そのように語ったことは間違いないようで、根も葉もない事ではないのだろう。

その見出しを見た者は、誰でももうそれなら規制などに協力する気持ちが失せると思うに違いない。なにも移民の人の命を軽く扱うという事では無くて、更にイスラム信仰とモスクでの礼拝などが係っているとすれば、それ以外の人々が幾ら努力しても死者を減らすことは難しいと考える。

コッホ研究所の見解としては、然したる数字のある事での発言では無くて、幾つかの大都市の病院では過半数がそのような人で溢れているという事は事実としている。

そしてそれは先日流れていたようにネアンデルタール人のDNAの受け継いでいるかどうかで南アジアの人種には危険なコロナとかあったが、その地域の死亡率は決して高くない。ターゲットとされるトルコなどはドイツの三分の一である。

要するに人種的な問題ではなさそうで、社会層の問題だというのは、合衆国における死亡率などでも表れているように、ホームオフィースも儘ならない人には感染の危険が高いのは当然である。しかし人工呼吸器をつけて死亡する様な年齢で働き続けている人は流石にそれほど多くはない筈で、その見解も辻褄が合わない。あり得るとすればやはりモスクに集う人たちなのだが、それに対してはモスク協会長が強く反発していて、モスクに集う人々は世界的に模範的に衛生が保たれているとしている。

ヴィ―ラー所長は、問題を解決する為に政治家に働きかけたが、微妙な問題として誰も動かないという事が言いたかったようだ。同時にそうした発言がどのような社会的な渦を巻き起こすかも知っている筈だ。

するとなぜこの時期に敢えて発言したかが様々に憶測を呼ぶことになっている。やはり社会的な緩和施策と相応しているとしか考えられない。毎日死亡者が300人も出るような時点で、それを無視するような施策は取れないが、欧州の他国の様に国民がそれを受け入れられるかどうかによる。同時に社会的なコロナ耐性の格差があることを認知させることはとても重要だったも思われる。それは死亡者数が減少することで解消されるものでは無いだろう。

(承前)土曜日のミュンヘンからの中継の第二部が断然良かった。出演は、次期監督に決まってから最初の登場のサイモン・ラトル指揮BR交響楽団にその合唱団が加わり、場所をガスタイクからもう一つのホームグラウンドヘラクレスザールに移して行われた。最初にコロナ条件によってプログラム変更のパーセルの合唱曲を持ってきて、それもメアリ女王の為の葬送曲と後半にハースの成功作「無駄に」を組み合わせるとても気の利いたプログラムだった。

先ずはなによりも活躍の無い合唱団をしっかりと使う事だけでも素晴らしく、又その歌を活かしつつ自分自身の得意の領域で指揮するというものだ。ハースは今最も多くの曲で成功している作曲家で、そのアイデアだけでなく音楽作品としての支持も強い。今回の曲は演奏途中に暗闇で続けられるというもので、前半の曲と合わせて今日の時点でのプログラミングとしてもお見事だった。こうしたところはサイモン・ラトルの右に出る者はいないであろう。曲と演奏に関しては何度か堪能してから改めて触れたいと思うが、BRも一晩に場所を移動して生中継するという予算を掛けただけのことはある。こうした企画を実施できるのは正しくBRのような大きな組織のある放送交響楽団で、サイモン・ラトルがやりたくてもベルリナーフィルハーモニカ―などの保守的な私立楽団では到底できなかったことなのだ。(続く



参照:
録画録音した中継もの 2017-08-31 | 音
暗黒に射す一条の光が 2020-12-23 | 暦
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指数50から100の狭間

2021-03-04 | 歴史・時事
スポーツ時計を買う事にした。健康維持などを考えると決して高いものでは無いと思うようになった。殆ど壊れた時計は2015年5月に13000円で購入した。今度は210ユーロほどで倍の価格になりそうだ。前回はGPSのついた時計は初めてであって、どれほど使いこなせるか分からなかった。しかし今回は事情は分かっている。丸五年しか完動しなかったが、年2600円、月300円、月12回以上使っているので、一回当たり25円つまり20セントほどでパン一個もしない。許容できる価格だ。実際には電池を中共から取り寄せたりで10ユーロほど嵩んでいる。

恐らく今回の商品はそれよりは長く使えるのではないかと思う。一回当たりの額もほぼ分かり、更に機能が益しているので、本格的に山などでも使える。気温計と気圧計もついていて、高性能GPSと組み合わせると本格的な使用方法が可能となる。印象からすると五年前にはそこまで機能拡大すると額が全く異なっていたと思う。

壊れた時計は胸バンドで心拍計になっていたのだが、今回は腕のアンチョコの計測しかできない。しかし、毎回同じコースを使う限りたまに使うよりもトレーニングの為にはならないか。安全上の計測も最終的にはその程度では無理なので、いつも目安で使える方がよくはないか。

レヴューなどを見ると、専門家の研究として腕で測る方法では、条件にもよるが一分幾つかの誤差は当然で、低く出るのが普通のようだ。MTBなどではまた半分にしか出ないものもあって、理由は腕の所で動くと誤差が大きくなり、腕の振りの横Gが強ければ強い程、つまり早くは知れば走るほど誤差が出るようだ。最も高性能とされているアップルウォッチでも変わらないらしい。

重さも今使っている64Gのごついものに比べて、50Gで若干薄そうなので使い易いだろう。ソーラー電池のものもよさそうだが、先ずは断念した。余分な機能が付いていて、それも少し違うと思った。

メルケル首相は指数35を断念した様だ。残る50以下で緩和、100以上でロックダウンとなるのだろう。テストを恐らく四月から抗原検査を週二回全国民に提供することで、追跡調査がその範疇で出来るという事になったようである。

接種による指数がまだ入っていないのが不満であるが、来週明けから幾つかの小売りや美術館などが開くことになる。ロックダウン自体は28日まで続き、50以下が二週間とか続けば文句なしに四月から催し物やスポーツなどが再開されるだろう。

但し、美術館や小売りの入場制限が最初の80平米では一人当たり10平米、つまり八人まで、更なる空間には一人20平米まで必要になるので1000平米でも54人しか入れない。それどころか現在のように指数50を超えているので、一人当たり40平米が必要になる。美術館なども実質的に貸し切りである。

指数35は家庭間の集まりの制限解除にのみに例外的に残された。来週から一人一週間一回までは抗原検査が可能となる。催し物などは二週間待たなければいけないが、会場が飛行場などと同じく検査を準備することも可能となる。

今回の決定が価値あるものとなるには、少なくとも全土に亘って指数50以下が続いている状態であろう。同時に接種も三月中に80歳以上が終えていることから、ダイナミックに進むことにもなる。

アストラゼネカを中心にワクチンが二百万以上残ることになるので急いで接種をすることが求められている。



参照:
裏蓋を開けて凝視する 2018-03-09 | テクニック
日曜日の朝寝がよい 2016-12-12 | アウトドーア・環境
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変異株の影響は如何に

2021-02-19 | 歴史・時事
変異株が鍵を握っている。一部指数の下がり方が怪しくなっている。バーデンヴュルテムベルクとラインラントプファルツしか50以下に至っていない。三月初めまでに目標に到達できるかどうかヘッセンなどはやきもきしだした。

デンマーク国境のフレンツベルクなどでは変異株の影響で急上昇した。全国に回るとは思われないが、こうなると二つに一つしかない。変異株の影響でロックダウンを伸ばすか、変異株の影響は英国同様に抑えれるとして、予定通り徐々に緩和して行くかしかない。

車中のラディオは、文化的施設は各々の基準を厳しくしてあって開いていくことが文化的に大切だとしていた。ラインラントプファルツでは、戸外で500人、室内で250人の数字が出ている。感染の指数からすれば35が妥当のようだ。3月4日までの二週間に優秀な州がそこまで至るかどうか。至れば変異株の影響は限定的となるだろう。更に二三週間様子を見て開ければいい。

ミュンヘン自体は問題ないにしてもバイエルン州がそこまで至るかは分からない。矢張り新演出「ばらの騎士」初日は無観客になるだろうか。今回は珍しく知事のゾーダーが緩和にそわそわしている。政局を見据えてこの辺りでコロナ対応評価を確定させたいと思っているのだろう。どう考えても彼の思うように綺麗に段階的な緩和が可能とは思われない。矢張りポピュリズム政治家でしかない。あのマスク信仰であるからこそマスクを外すレストランの再開は難しいと話している。早く尾身流を習ってきなさい。ヴァイスヴルストと芥子を片手に、片手でマスクを外せと言いかねない男だ。

バーデンバーデンからのハウスシュピールの初日は、前夜祭に続いてヴァイオリンのテツラフが出て、フランクのソナタとアンコールにベートーヴェンを弾いた。フランクは昨年同じ祝祭劇場でキャプサンのチェロでユジャワンがピアノを付けていたので、勿論編曲とは異なるもののピアノに不満があり過ぎて聴いていられなかった。しかしベートーヴェンはなかなか良かった。

既に言及した様なガラガラな音は名器でなくて新しいヴァイオリンから出てきていることが分かった。しかし弓は古いものを使っているらしい。彼の大ピアニストリヒテルがヤマハを使っていたのと同じ様な意味で新楽器を使っているようだが、それが前夜祭のシャコンヌやベートーヴェンでの様に活きることもあるので面白い。音程がだら下がりになったりしてもあまり気にならないのはそうした音楽性にある。

ニュースはフランス側が国境閉鎖への動きに敏感に成っていて、指数280などの変異株の影響が疑われる所で大掛かりなテストを始めていると報じていた。国境では双方とも通勤が多く、昨年の春の閉鎖でもそれは可能な限り交通していた。しかし今回はチェコ、ティロルなど本格的に閉鎖することで少しでも変異株の感染拡大を妨げようとする意志が強く働いている。金曜日のロベルト・コッホ研究所の見解はどうなのか、我々の生活を大きく左右することになりそうだ。強いては中欧における一つの基準ともなって行くかもしれない。



参照:
コッホ研究所会見に注目 2021-02-18 | 文化一般
待て、勝負ありの感 2021-02-17 | 音 
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ワクチン接種後の工程

2021-02-05 | 歴史・時事
東京オリムピック界隈が騒がしい。そろそろ中止を決めないといけないのに水曜日に東京オリムピック実行委員会が手引書を出したことから、一挙に爆発したようにも思える。ドイツェヴェレの報道を読むと、そこには「選手も全ての関係者は自己責任で日本に来るように」となっているようで一挙に東京オリムピック潰しが始まったようだ。

暖かくなった。パン屋では初めてマスクについて指摘があった。その前の爺さんがこちらを見ていたようで、それも切っ掛けだったろう。引っ掛かった。下のマスクを見せてやった。勿論FFP2では無くサージカルでしかないが、規則ではそれで構わない。「プロテストだよ」と言ってやった。

車中のラディオはワクチン接種後の工程についての話しが出ていた。倫理委員会の見解としても接種後の人々が何かの自由を得るのではなく、接種の段階によって一律に施策上の制限が解かれるというものになるようだ。

ワクチンの有効率は最大95%なので残りの5%には絶えず危険に曝されることになる。つまり接種済みの無感染者が勝手気ままに動くことである一定の人々がより多く危険に曝されることになる。それを避けるためにも制限は一斉に緩和されていくというものだ。最初から数%の人を強制収容所に入れる政策にならなかったことと同じ意味である。

その意味からは、自分自身は抗体が出来ていると思っている人物も少なくとも最低の規制には準拠して行かなければならないことは確かで、「手前の勝手だろう」とは言えないのである。

ヴィーナーフィルハーモニカーがザルツブルク音楽祭ロゴの入った布口当て姿の写真を曝していた。馬鹿丸出しだが、職務で着席するまではマスクをするようになっているのでその為に使っているのだろう。オーストリアやバイエルン州ではFFP2基準なので私の様に二重マスクにも使えない。そもそも飛沫で感染するのは会話中とか前にいる人ぐらいで、あとは咳をクシャミを腕で抑えていれば用が足りる。空気感染を考えた場合にサージカルも布当ても殆ど用をなさない。PCR検査で頻繁に管理していても確率の問題だ。

注文した車のテールライトを交換した。警報が消えなくなっていたので、それに騙されて長く放っておいた。最後に長距離を走ってから暫く経っているので、覚えていないが、晩秋から切れていたのは確かだろう。追突されるようなことが無くて良かった。後ろから警報を鳴らされたので調べてみて良かった。



参照:
ストッキングを被る男 2021-01-22 | 雑感
厳しい二月を前にして 2021-01-28 | 暦

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先が見えぬ今日この頃

2021-01-12 | 歴史・時事
無事に朝のお勤めを果たした。氷点下4度はやはり寒い。地面の湿気が地中から凍っていて、表面が氷化して滑るのよりも硬い。更に放射冷却で乾いていて身体は軽く感じる。跳ね返りは大きいがそれなりに靴のグリップは効く。ゆっくりと走る癖がついていて行けないのだが、それ以上求めても仕方がない。パン屋と肉屋でも予定通り買い付けて、漸く新年の仕事始めのような感じである。

就寝前からミュンヘンのBR放送交響楽団の死亡した指揮者ヤンソンスの後任人事の話題が流れていた。元ベルリナーフィルハーモニカーの芸術監督で現ロンドン交響楽団の指揮者サイモン・ラトル卿が就任のようだとあった。情報源が怪しかったので信用出来なかったが、昼前に正式発表となった。

昨年から最も後任として下馬評にも挙がっていたのだが、長年のファンとしては今更ミュンヘンで何をするのだろうかという印象だった。実際にそこでの共演の放送などを聴いていても新天地というだけの期待は全くなかった。その点秋にデビューしたオクサーナ・リニヴにはとても大きな期待が掛かった。勿論新ホールを建設予定のミュンヘンとしては今迄の流れを一新するだけの衝撃が必要だった。

結果、工期が遅れている新ホール建設を当初の計画通り進めるにしてもビックネームを必要としたというのも頷ける。ラトルならば文化などに興味の無いゾーダー知事でもこれならば使えると思うからだ。そういう政治的な動きで嘗てはフィルハーモニカーにチェリビダッケを冠して新会場ガスタイクを人で埋めた。それ以上にベルリンに対してミュンヘンが同等若しくは上であるような顔をするのがミュンヘンの政治だった。今回もそうした背景があったことは間違いない。キングメーカーとなったバイエルン放送協会の支配人ヴィルヘルムはメルケル首相の片腕だった人物でその辺りの目利きはしっかりとしている。

さて我々音楽芸術に係る者としての視点はまた別の所にあって、ミュンヘンでのコンサートが大きな芸術的な意味をもってベルリンをも刺激するだろうかどうか。嘗ての捻者とは違いラトルは世界中にメインストリームとして君臨できるスターであるから、勿論ベルリンへの影響も大きいと思われるが、その芸術的な意味合いに関してはとても疑問である。

同様なことはこの間ロンドンで行っていたプロジェクトなどにも明らかで、こちらの大きな期待には応えてはくれなかった。それどころかロンドンでの新コンサートホール建設も宙に浮いているらしい。新コンサートホール周辺の地域文化構想と共にハッキリしたコンセプトが交響楽団にも求められる。

今迄の情報からすればラトルがベルリンでやったような大衆化が一つであるのだが、その音楽的なコンセプトと上手にマッチするかどうかは疑われるところで、その点は国立オペラにおける新支配人ドルニ-と音楽監督ユロスキーとの方が劇場を使って広く語り掛けるだけのコンセプトを持ち合わせていると思われる。

就任は2023年のシーズン開幕からであるからまだ二年半以上あるので、地区開発の話しと共に具体的な話しは出てくると思われる。今回の調印後の談話においても、BR交響楽団の過去の指揮者クーベリックを挙げて、更に今まで使っていたヘラクレスザールというボックスシュー型の話題が出てくるところに、ラトル自らもこの大きなプロジェクトに自らのあまりにも高いコミュケ―ション能力を行使しているのが明らかだ。

ルツェルンからメールが来た。内容は二月十九日になって夏の音楽祭は初めて注文の作業を始めるという事である。最初は一月には夏の情勢が分かると考えたのかもしれない。しかし、到底無理で、一月延ばす、そして一般発売とならないだろう。満席で売れるような状況は到底計れない。先ずは限られただけ売って、余裕があればという事にしかならないだろう。夏のマスクだけは御免だ。



参照:
壊れた30年物ミーレ洗濯機 2020-12-30 | 生活
コロナ陰謀論の非合法化 2020-12-04 | 歴史・時事
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持続性を考えて判断

2021-01-07 | 歴史・時事
洗濯機が来る準備とか、NASのファイルの関連付け修正とか時間が掛かる。面倒だが仕方がない。

首都圏に緊急事態宣言が出て、音楽会が如何だとかあるので、今迄の経験や知見から纏めておこう。東京都は既に新陽性者指数54になっていて、100を超えて200へと近づいて来ると思われる。因みにベルリンでは既に山を越えて150である。

ベルリンで音楽会が出来なくなったのは11月3日のロックダウンからだとするとその時の指数は204で、それまでの延べ陽性者数は十万人中1226人、死者9人だった。東京は其々495人、4人。

ざっと陽性者数は三分の一ぐらいだろうか。つまり会場に千人寄れば0.8人程が陽性者である。しかし日本の検査数は一桁異なるので当時のベルリンの状況と変わらないと思う。そして人数制限で五分の一ぐらいでも公演を続けようとドイツでも試みられた。しかしロックダウンライトでシャットダウンとなった。

その時に国内ツアーを前にしたベルリナーフィルハーモニカーのキリル・ペトレンコは、催し物禁止に対してお門違いとコメントを出した。我々も直前のキャンセルに泣いた。しかし、客観的に考えれば春の公演とは比較にならないほどの危険性はあったのは事実である。アンチョコマスクなどでは空気感染は防げない。N95では息苦しくて音楽どころではない。

都内の状況はとても悪く催し物どころではなくシャットダウンが必要な状況だと思われる。医療崩壊が進めばそれどころではない。一方で、ここで無理にでもやっておかないと、先はとても長い。夏以降学校などが感染の温床とされていて、実際にドイツでも冬休みを挿むことで実証され、引き続き休校となる。繰級までが議論されるほどだ。

感染が広がれば広がるほど収束は遠くなる。ドイツにおいても二月、三月は催し物は厳しいと思われる。メルケル首相が目標とする指数50に近づく地域も増えている一方、50以下で催し物を五分の一以下で再開するにはワクチンによる収束の工程表が必要になって来る。

日本政府は非常事態宣言は指数35程を目標にしているというが、通勤通学が無くならない限り難しい。特に二月は日本も欧州と変わらない様に乾燥して空気感染が盛んになる。首都圏での催し物は遅かれ早かれシャットダウンを余儀なくされる。首都閉鎖されない限り、感染は全国津々浦々へと広がって、再び戻って来て長い月日を必要とするようになる。

お別れにミーレの洗濯機の写真をもう一度。1990年当時から環境を前面に出していたのがドイツの家庭電化だと分かる。四点の水の減量、プログラムに合わせた水の使い方、洗い物によって入れ時、洗剤の減量など現在当然の様に思われている事が書かれている。そしてそれらのことは制御が変わっただけで今でもベーシック製品の売り物となっていることに違いない。

ミーレは車で言えばメルセデスベンツのようなもので老舗とその時代に遅れないのをモットーとしているのがよく分かるあり方だ。何年使うかだけが、考えもので、車もやはり高価なものはそれだけ長持ちする。



参照:
壊れた30年物ミーレ洗濯機 2020-12-30 | 生活
疑わしいロックダウン 2020-10-29 | 歴史・時事
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コロナ陰謀論の非合法化

2020-12-04 | 歴史・時事
ルツェルンからメールが入っていた。予約した公演に関するもので、つまり予約を受け付けて、作業に入るのは来年になるという事だ。何処の国も二月以降のことは未知の世界である。幾つかのシナリオはあって、最悪の場合は医療崩壊からロックダウンが続いて中々明けないという最悪の状況で、スイスも場所によってはオーストリアと同じようにその危険性は残っている。要するに来年の夏にも後遺症が残るという場合は有り得る。

同時期のザルツブルクの音楽祭の予定が発表を遅らせたのもバイロイトのそれを遅らせたのも、またベルリンのフィルハーモニカーやバーデンバーデンの祝祭劇場も年末まで計画が決まらない。様子見で最も工程を別けるのはワクチンの接種状況だと思う。

ワクチンの接種が舞台関係者に進めば少なくとも舞台はPCR検査無しに完全に平常化される。客席も接種証明などよりも先に感染の鎮静化がどの程度の接種が進んだ時点で進むか、若しくはベット数占有率がもう上昇しないかが分かって来る。その時点で客席も完全に解放されることになる。

年末年始にはそこまでは分からないだろうが少なくともコロナ対策新方針が示されることで催し物などは正常化へと大きく前進するだろう。

湿気が高く雨まで降っている。土曜日の朝は回復しつつ雪になりそうだ。朝のお勤めが厳しくなる。ジャガイモでも食して備えておきたいが、胸にも圧迫感があって明らかにコロナ症候群である。兎に角アルコールにも手が伸びないぐらいだから調子がおかしい。

コロナ施策反対運動の「クヴェア―デンカー」の非合法化が囁かれる。連中の首長らしきものがインタヴュ-で流れるととても酷いもので、弱者の為に強者の自由が脅かされるのは許せないとなる。もうこれだけで、なにもユダヤ人協会が苦言を呈しないでも、ネオナチ扱いしても構わないだろう。流石にこうした主張は、同様のPEGIDA運動におけるその主張のような共感を得るものは殆どない。自然淘汰とか、弱肉強食の論旨を超えているのは、今ここでそうした患者がICUで強制的に呼吸をしている事実背景があるからだ。

PEGIDA運動の扇動者だった指揮者のティーレマンなども流石にそこまでは主張していないが、自らの経済的損益を国に補償しろとヴァイオリニストのアンネゾフィームターなどと主張して文化大臣に一蹴された。寧ろ現在は飛行機ツアーでのドサマワリ興業に批判的な発言をしているようだ。そして今クヴェアーデンカ―の波はそのドレスデンを飲み込もうとしている。

殆ど自業自得と笑ってしまうのは、同じザクセンのバウツェンがコロナ陰謀論のメッカの様で、其処が今度は指数400を超えてドイツにおけるホットポイントになっていて、死亡者も11月だけで50人も亡くなっているというからスゴイ。矢張りああいう事態にデモなどをして整理する警察官などにも感染を広げているとそうなることは分かっている。そういう街は外から閉鎖して貰いたいぐらいである。



参照:
理不尽そのものの主張 2020-07-27 | マスメディア批評
あまりにも壊れ易い世界 2020-02-23 | 音
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催し物の緩和も大きな要素

2020-11-27 | 歴史・時事
事件ものの話しから「刑事コロムボ」を観た。指揮者が登場するものの記憶があったので、コンダクターで検索すると出て来た。題して「黒のエテュード」であった。ショパンの曲がそこにあるが、その自殺の動機とか何とかよりも、指揮者像の描き方とか謎解きの方があまりにも安易な感じで面白くなかった。交響団指揮者というとやはりもう少し期待してしまうからだろう。表層的な人間にしてももう少し賢そうな言動を待つのだが、このシリーズの他の知的殺人者に比較しても物足りない。ロケ地のハリウッドボウルの指揮者なんてその程度にしか思われていないのだろうと察した。一番印象に残ったシーンは、金満家の娘の奥さんが指揮者の旦那がピアニストの女の番号を空暗示しているのに気が付いた瞬間の表情である。当時よく出ていたブライス・ダナーというブロンドの細面の大きな青い目の表情である。

京大の八割おじさんの話しが面白い。現在の日本の状態を解析して、第二波から第三波が続けてやってきていると称している。つまり第二波以降も緩和が進んで一挙に来たという形になるらしい。これで分かるのは夏以降ウォチャーを続けている隣国オーストリアの状況である。

まさしく欧州では数限られる第二波が夏の間にやって来ていた国である。理由は、オペラやヴィーナーフィルハーモニカー、ザルツブルク音楽祭に代表される春から夏の緩和の延長に真夏の波があったのにも拘らず、9月、10月と引き締めることも無く第三波の頂点が第二波と干渉して大波となっている。

具体的にはリンツやヴィーンでの夏季の帰国者の感染とされたものと実はザルツブルガーカムマーグラートでの感染源は異なりそうで、後者の方は8月中旬以降は可也制圧されていたように思われる。実際にザルツブルクが第三波に呑まれたのは大分後で、その谷部から結婚式などで大発生していた。第三波の特徴が都市型であるとすれば、根強く残っていた種が潜み続けていたのかもしれない。

同様な例はドイツの場合それ程みられなくて、ワイン街道のここでも八月初めは指数が1を割って零に近づいていた。しかし零にはならなかった。その後10以下で推移して、クラスター潰しが出来なくなったのは、勤め先のルートヴィヒスハーフェンなどで突発的に上昇するようになってから徐々に郊外へと広がって行った。現在のスパイヤーが363と連邦上位にあるのはそれゆえである。多くの人がBASFなどから電車で通っている。

何処の国もヴァカンスシーズンで撲滅などとは考えなかったのだが、クラスター潰しが出来なくなったところと出来たところの差はついたであろう。一般的にコッホ研究所の指数50というのは追跡調査が出来なくなる数字を示していて、実際はその前に設定した25から50へは数日も掛からなかったところが多い。

日本も大都市の東京や大阪また北海道などは既に25を超える勢いで、日本全土でも11を超えている。ドイツの場合はそこから50を超えるまでに5週間、オーストリアの場合は3週間ほどで、その間に華々しくザルツブルク音楽祭が開催されて、オペラの新演出公演がなされていた。さて日本はこれから年末までにどこまで行くのか、とても注目される。

八割おじさんが言うように催し物などの緩和も大きな要素であることは最早否定しようがない。音楽祭で感染者が出たとかでないとかは殆ど関係が無いことで、実際には感染はそうやって広がって行っている。そして死者の数も増えていく。

個人的にも寒さの加減か再び胸がスカスカするようになってきた。時々喉の奥がむかむかして血の気が喉の奥から出てくる。恐らくコロナがうろついているのだと思う。全身症状はそれほど悪くはないのだが、このスカスカ感は特有のもので気持ちが悪い。



参照:
プファルツ風ポテトサラダ 2020-08-13 | 料理
音楽会マスク着用様々 2020-09-20 | 雑感

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あとは辛抱だけでは

2020-11-10 | 歴史・時事
予想通り天気が良かった。陽射しが気持ちよい。今年の11月は10月並みで、記録的な温かさになるのではないか。コロナ禍の中では嬉しい。

マインツのビオンテクがワクチンBNT162b2の最終臨床試験を昨日終えたと発表して、来週合衆国で認可。九割に効いて、副作用も確認され無かったようだ。薬であるから二年後に最終結論は出るようだが、そもそも接種するべき人間は限られているので、それほど大きな問題ではないだろう。重要なのは、危険因子のある人間にどんどんと打って行って、社会的弊害を取り除いていくことでしかない。

独保健相は、失望させてはいけないのでと前置きして、万が一遅滞が生じても新年の第一四半期には接種可能と語っている。どれぐらいの勢いで捌いて行けるかは分からないが、ある程度感染速度を制御しながら同時にベット使用数を一定以下に保つ指数が弾きだされるだろう。

つまり実際の感染者数は増加し続けてもベット数が保たれていればそれだけ摂取の効果が表れてきているという事で、最終的には現在の実効再生産数よりも重要な指数が目安になる筈だ。要するに重病化が避けられる点でバランスを取りながら接種を続けていく。どこかで感染者数が下がって其の侭急増加しない所へと落ち着く。

ざっと想像すると、2020年の夏程度の社会水準は保てるようになると思う。催し物などに関して大胆な予想をすると、ザルツブルクは今年の水準が再び可能になる。バイロイトは制限付きで開かれるか。

気になるのは復活祭か。ベルリナーフィルハーモニカーも徐々に間隔を短くしていて、ワクチン接種が始まれば健康者の感染と重病化との比率だけだから、最早舞台の上や奈落での感染は恐れる必要は無くなってくる。そこにザルツブルク方式のPCR検査を徹底させれば、問題は殆ど無くなる。客席側は、潜在的感染者が増えるので人数制限は今以上に重要になるだろう。但しこちらも感染自体をそれほど恐れることが無くなれば、危険因子を持つ者は先ずはワクチンで、あとは社会全体の指数に従う事になる。経済性はあまり期待できないが、芸術性はあまり問題にならなくなるかもしれない。

漸く夜明けが見えてきたと思う。あとは辛抱だけではなかろうか。年内はまだまだ厳しいが、可能な限り死者を出さないような大胆な施策が必要だろう。先が見えて来たならば軽くブレーキだけでなくて、更に深く踏み込んでもいいと思う。

ビオンテクの代表で米ファイザーをパートナーとしてワクチンを開発したウグール・ザーヒン博士は、トルコ人のケルンのフォード社への出稼ぎ労働者の倅である。こういう移民の人達がドイツの社会を支えて、文字通り世界を救う。マル・トライヤー知事が、「ラインラントプファルツ州の誇りだ」と春に言っていたその通りである。



参照:
疑わしいロックダウン 2020-10-29 | 歴史・時事
決して一人にはしません! 2020-03-14 | 女
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疑わしいロックダウン

2020-10-29 | 歴史・時事
車中のニュースが全てだった。前夜からのロックダウン計画の中身が明かされていた。11月4日からとあった。それで当夜のアルテオパー公演は無くなった。色々と考えることはあったが返金の事ばかりを考えた。もう金券はかなわない。エンタテイメントを禁止とかあったので、文化芸術は違うとは思ったが、またアルテオパーが改めて今日の日付で開催を明記していたが徒労だ。

バイエルン州が秋休みに入って仕舞うというので11月2日からの繰り上げられるようだ。国会決議を条件にしたというが、様々な反対意見が渦巻いている。11月11日に先ずは情勢分析をして続行をするというが、目標値指数50に下げるのは厳しい。そもそも前回の会合の時にまさかこれほど早く指数が50を超えるまで上昇する感染度は誰も予想しなかった。

商店や床屋だけは、学校と並んで開くようだが、家庭でのパーティの感染がさらに増えて学校などでのクラスター化が増えるであろう。専門家の批判もあり、コッホ研究所などは飲食業での感染は少なく、寧ろ安全としている。

マスク作戦と同じように政治家が何かを号令を掛けることを仕事としていて、科学的な根拠とは異なるところで社会的な施策がなされるからで、春のロックアウトに比較すると感染状況が全く異なるので直ぐに大きな効果が出るようなことはないと思われる。だから予備に更に二週間を見込んでいるに過ぎない。

それでも今回のシャットダウンは、坂道を下りるダンプカーのようだと言われていて、先ずはブレーキを踏むことで、そのあと麓まで無理なブレーキを掛けることなく安全に下りれるとされている。問題は、次の第三波をどこに見積もるか、その時点でどれほどのワクチンが接種されているかである。春とされているが、そこまでも少なくとも夏の間のようには進行しないであろう。

フランスなどでは、PCR検査の増加が陽性者数の増加に結び付いていると言われているようだが、どこの国も春とは比較にならない数の検査が行われていて、その陽性率も落ち着いていたのだが、ルモンド紙九月初めには既にWHOが危険域とする5%を超えていて、大阪府のそれと変わらない。因みにその時点ではドイツの陽性率は0.73%しかなかった。その後に伸びたとしても十月第三週で3.62%へと上昇したのに対して、スイスは23%へと跳ね上がっている。

令のスェーデンも上昇していて同じように新感染指数は高くなってきている。問題のオーストリアもテスト数を増やしたというが、九月初めに5%を超えていたので、既にその潜在的な感染は進んでいたと思われる。



参照:
ロックダウンへの歩み 2020-10-28 | 文化一般
他人迷惑なプロテスター 2020-10-27 | 雑感
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カヴァティーナまで

2020-08-26 | 歴史・時事
10月の公演を審査する。ミュンヘンでは次期音楽監督ユロスキーが一月間活動する。表面上はアカデミーコンサート二回とルツェルンへのツアー、更に「ヴォツェック」再演を四回指揮する。近い所に居れば行くのだが、裏ではバリーコスキー演出「ばらの騎士」の舞台準備がある筈だ。ベルリンやロンドンでの日程は知らないが、来年の準備に時間を割くのだろう。

あとは幾つか9月、10月で出かけたいところがある。座席削減でどれもこれも入手が難しいかもしれない。先ずは定期会員向けに配って、余ったものが一般売りに出る。定期会員も辞退者は少なくないだろうが、四分の一とかの入れ方であると中々余らない。さあどうなるだろう。

ザルツブルクからの中継録音を聴いている。映像流れているものでも耳で聴きたいというものも少なくない。ベルチャ四重奏団の中継がそれでプログラムも良くは知らなかった。ラズモフスキーのハ長とへ長の間を作品番号無しのヴェーベルンで繋げている。休憩が無いという事でこうした構造も有り得るだろう。

最初の紹介のアナウンスが明らかにチェロとヴィオラを間違えていて、クリストフ・コルチャフスキーをチェロで創立メムンバーとして東欧風としていたが、一体何が言いたかったのか分からなかった。可成りミスリードで、私でさえどうしても四重奏の響きにボロディン四重奏団のそれなどを聴いてしまう。何よりも収録のマイクロフォン設置も音楽的に洗練していなかった。あまり分からない人たちが収録にも集まったという事だろうか。そもそも今まで聴いて、この新装された中ホールの音響があまり良くない。この設置ならばエベーヌ四重奏向きではないか。

録音したものを聴き返すとアンコールの「カヴァティーナ」までそれはそれなりに聴かしていた。中々楽器間の絡みとその音響を正確に伝えるのは一回の本番を録音しただけでは難しい。この四重奏団の合奏芸術の妙が愉しめないとそれは矢張り惜しい。

愈々ザルツブルクの感染状況が他のオーストリア都市と同じように指数で50を超える水準に至っている。ヴィーンは100を目指している。国全体で21とロシアを追っている。つまり16のスェーデンを軽く追い越した。そのやっていることをその管弦楽団の扱い方だけでも見れば明らか。インスブルックなどが落ちてきているのが何よりもの朗報だ。フォアアールベルクは11とかで安定している。やはり市民がどこまで横着な人間かがよく分かる。やはり気質の違いが大きく出ていると思う。それにしてもフランスが何時の間にか43と上がりルクセムブルクの52の後ろが見えてきている。フランスも50を超えると危険国に指定される可能性がある。パリでやっているように街の中でのマスク義務などで効果が出るとはにわかに信じ難い。



参照:
マスクを素早く着脱 2020-07-11 | 文化一般
アラテデスコの響き 2020-06-25 | 音
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