日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



年明け早々NYで、アメリカ財政博物館(Museum of American Finance)を見学した。
(2010-04-03 アップ NY旅行記 アメリカ財政博物館(Museum of American Finance)その1、2)
(そういや、このNYシリーズ最近アップしてないなと反省)

カルフォルニアのゴールドラッシュの金塊とか、アメリカ紙幣の歴史とか、初期に導入されたコンピュータの系譜などの展示物・映像群に、かなり刺激を受けた。
残念ながら「サブプライム」「金融工学」など、一連の事件を引き起こし、世界中を巻き込んだ事象についての言及はなかったが(笑)

ということで、このへんをアメリカに限らず、世界的にずらっと俯瞰できるような読み物を探していた.
のだけれど、そのものズバリを発見。
それが、この「マネーの進化史」

読み始めたら、ただ「マネー」だけじゃなくて、そこから派生・発展していく「信用制度」「債券市場」「株式市場」「保険」「不動産市場」などを、歴史的事実をベースとし的確にピックアップして掘り下げて行く、凄い本だった。


例えば、いくつか興味をひいた部分を列挙していくだけでも、その面白さが伝わると思うので、以下。

日本ではほとんど知られていない「ジョン・ロー」とは、どんな人物で何をやらかしたか

「保険会社」はどの「国」のどんな「発案」から誕生したか

エンロン事件へ至る経済バブルの歴史(笑)

「デリバティブ」は当初、どういう分野を想定して誕生したか

経済ゲーム「モノポリー」は、意外な誕生意図で当初作られた。

初の「住宅ローン」の「証券化」を、「いつ」「誰」が行ったか

なぜそれが貸し手を「儲かりそうな」気分にさせたか、「誰」がそれをさらに煽ったか
etc......

作者は、歴史学者ニーアル・ファーガソン(ハーバード大教授)。
マイケル・サンデルといい、ハーバードはやはり凄いねえ!

読み始めたのは6月末だったということもあって、今年上半期の一押しBOOKと言わせてもらいたい。
「経済」に何らか関わりのある人全てにとって必読書ではないか?

彼がこの前に書いた「憎悪の世紀」(上)(下)にも目を通してみたいと思っている。
重いテーマなので、やや気は引けるが=原題「The War of the World: Twentieth-century Conflict and the Descent of the West,」

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



     


 
編集 編集