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日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






元NHK報道記者から、ネット上での論客として有名な池田 信夫氏。

今回のテーマは、「空気」
若者でも使うこの言葉に秘められた、「日本人」のエートスに迫ろうとするのが本書。



「空気」を読んで組織内の調和を保つ。
それは日本社会の強みでもあった時代もあったが、このグローバル時代には全く具合が良くない。
タコツボ組織の集合体の日本企業は、「空気」で論理的な主張や反論を抑えこんだ結果、成長の機会を破壊するケースが頻発、現在に至っている。

自分的にも、目の前で展開されている「恐怖」がこの本で具体的に指摘されており、読んでいてまるで「ホラー小説」(笑)
以下、メモ。

こうしてだれもがおかしいと思いながら既成事実が積み上げられ、「ここで撤退しよう」という指導者が(軍人、文民ともに)
「空気」に排除され、最後に残ったのは、とにかく前例を踏襲するだけの無能な軍人だけだった。
p.154

結果として演繹的・論理的に戦略が決まるのではなく、戦況から帰納した参謀本部の「空気」で作戦が立てられ、それが現場に
伝達されると師団や連隊の中の「空気」を守るようになし崩しに物事が決まっていく。
そのとき重視されるのは、客観情勢や見方の戦力から論理的に導かれる作戦ではなく、将軍の「顔をつぶさない」ように利害調整することだ。
作戦の結果より動機を重視することも、日本軍の特徴である。
ノモンハン事件で勝手に前線に行って指揮を取った辻 正信は、無謀な作戦の最大の責任者であるにもかかわらず不問に伏され、かえって陸軍統師部へ栄転した。
p.150

上記のような「狂気」が、第二次世界大戦だけではなく、現代2013年でも十二分に発揮されている、と作者は指摘している。
自分的には日本軍関連書籍には全く興味ないが、自然にその部分にクローズアップされてしまうのは、自分の環境が影響しているのだろうか?


この「空気」は先に指摘したように、日本企業はもちろん、大震災だった311以降、原発問題で迷走する「政府」もわかりやすい事例。
冒頭に書いた通り、「ネット上での論客」であることにより、この現代の「タブー」にはっきりともの申すことが出来ている。
この点でこの本は2013年に読む価値がある1冊になり得ている。


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