桜坂の家.4 ~ガーゴイル~

2007-01-25 21:34:52 | 桜坂の家

ガーゴイルとは、「雨落とし」つまり樋の彫刻のことです。パリのノートルダム寺院には怪獣型のガーゴイルがあり、そこからパリの街を遠望するシーンは有名です。

彫刻というわけにはいきませんが、住宅でも「雨落とし」をおもしろくすることはできないだろうか、とよく考えます。写真のイラストは、僕が学生時代に「自由が丘の家」の習作のためにデザインしたものです。錆びた鉄のガーゴイルから幾本かの樋が伸び、下に置かれたコンクリートの水槽の中に雨が落ちる。水槽には色ガラスが嵌め込まれており、色ガラスを通して、溜まった雨水がゆらゆら揺らめいているのが見える・・・というようなことをイメージしていたものでした。実際にこれをつくると、あらゆる面で問題がありそうですが、そんな遊び心は大切にしたいと思っています。

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「桜坂の家」では、雨水の流れをデザインに取り入れました。樋をつたって流れてきた雨水は、下部にしつらえられたコンクリートの花壇に流れます。道路に面したこの花壇には、住まい手によって季節に応じた草花が植えられています。天の恵みをうけて元気にそだってくれよ、と少々おおげさなことを思いながら、街並みへのささやかな表情にしました。

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コメント (2)
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