夜の現場

2020-12-28 21:59:18 | 西東京の家


西東京市で進行中の2世帯住宅の現場は、年末まで大忙し。大工さんの仕事も佳境に入っています。
夜の現場、と言っても夕方の時間帯ですが、冬の早い日の入りで、照明をつけながらの作業になります。

屋根が複雑に入り組むカタチ。設計も大変だったけれども、現場の作業も大変です。
でもその甲斐あって、入り組む天井のかたちと照明の効果が合わさって、幻想的で不思議な空間が浮かび上がります。

2階にある子世帯住居は、親子4人暮らし。天井も床も変化に富んだ室内空間。にぎやかな暮らしがイメージされます。

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クリスマスの家

2020-12-25 17:56:34 | わらびの家


「わらびの家」は、クリスマスに縁のある家でした。
家のプランを最初にプレゼンテーションしたのはクリスマス。
クリスマスプレゼントのよう、と言っていただいたのが懐かしく思い出されます。
そして、設計が終わり、工務店との工事契約もクリスマスでした。

家ができあがって1年以上が経ち、暮らしの様子を時折写真とともにお知らせくださいます。
コロナ禍になることなど想像もしていなかった時期の設計だったけれども、ダイニングのつながりに作った小さなデスクコーナーは、在宅を仕事をされている施主にとって大活躍の場となりました。2畳にも満たない小さなパーソナルスペース。
扉はついていないけど、ダイニングから直接は見通せなくなっていて、ちょっと籠る感じが楽しい。
目線の先の小窓からは庭が見えます。庭には小鳥も遊びに来るようになったとのこと。
室内ではインコも飼い始めました。

ある夏の日、施主から写真メールが届きました。
~仕事をしていたら、なんと小鳥が家の中を覗き込みに来ていました。
わが家の小鳥に挨拶に来てくれたのかなぁとほっこりしました。~
そんなメッセージとともに、こんな写真が。



ちいさな場所に広がっていく豊かな世界。
いいものだなあ。
きっと玄関にはクリスマスリースが綺麗に飾られているんだろうなあ。
今頃は最後の紅葉が風に吹かれるのを見ながら、年末の仕事に大忙しかもしれません。

来年もまだコロナ禍が続きそうですが、日常を大切に、穏やかな気持ちで過ごせますように。





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大ガラスの和室

2020-12-18 21:52:14 | 住宅の仕事


今日は荻窪のM邸へ。
ぼくが村田先生のもとで担当した住宅で、できあがってから20年近くになります。
師の亡き後、この住宅のメンテナンスは僕が担当しています。
今回は、西日の強い窓の遮熱を考慮したカーテン類の打ち合わせでした。

このようにして時々訪問すると、住宅が経年でどのように変化していくのかを感じ取ることにもなり、貴重な機会でもあります。
同時に、まだ担当スタッフだった当時のぼくの至らなさがじわじわと思い起こされ、気恥ずかしい気持ちにもなります(笑)

写真は、一番奥にある和室。坪庭に面して大きなガラス窓があり、障子には樹影が印象的に映り込みます。
造作の要素を抑えた和室で、ぐっと落ち着いた雰囲気。

先生のプロポーション感覚を見るたび、はっとさせられます。





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ちいさな楽しみ

2020-12-14 23:22:37 | 自由が丘の家


今年は、なるべく外出や遠出を控えるべき冬になりそうです。
ぼくの日常もひきつづき、現場に行く以外はアトリエにいる時間が長くなりそうです。
でもそんなふうに過ごしていると、例年以上に木々の変化も新鮮に感じます。

自由が丘のアトリエの玄関前。
前回のブログでお話した大磯の地山のように広がる風景というのは住宅街では望むべくもないけれど、一本のモミジの鮮烈な紅葉は印象的です。
古くからあったモミジを残し、モミジを見るために窓が開けられ、白い壁はモミジの樹影の背景となるもの。
つまり、主役は建物ではなくモミジが主役のデザインでした。
新緑の季節もよいけれど、年に一度こういう眺めがあるのはよいものですね。



変わり映えのない日々。そんな時間を過ごすのも退屈でないというか、いいなあと思える空間づくりを目指したいものです。
いる場所が変わり映えがないといっても、仕事中は頭のなかでぐるぐるといろいろなことを考えるから、案外疲れるもの。
だから一仕事終えてのコーヒータイムは、ぼくにとってはちょっといい時間です。
南に面した窓はたったこれだけなのだけれど、インスタントコーヒーから立ち上る湯気と香気を感じつつ、そこから緑が見えるのをぼぉっと眺めながらコーヒーを飲んでいるのも、なんだか不思議と良い時間です。
ホントは豆から挽いたコーヒーだったら、よりいいのだろうけど(笑)


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風景を切り取る

2020-12-08 22:11:54 | 大磯の家


「大磯の家」ができあがり、お引渡しとなりました。この日は朝から小雨で、家の背後の地山は雨に煙っていました。
東京から離れ、このように山が身近に見える環境は、その日その時に一期一会の風景の見え方があります。
端的に言えば、この家の設計は「一期一会」の風景をいかに楽しむか、ということにあったように思います。
朝起きて最初に見る風景であるとか、顔を洗っている時とか、昼間に和室で新聞を読んでいる時とか、一日のなかにありふれているごく些細な時間が、豊かなものであるように。



庭と建物が一体となった家。それが家づくりの当初からのコンセプトでしたので、計画の初期段階から造園家を交えて庭づくりの打合せも重ねてきました。
こうして建物はできあがったけれども、庭がこれからだから、まだできあがった感じはしません。
年明けから始まる庭づくりが楽しみです。

そんなことを、東京で建設中のお施主さんとお話しした際に、「家ができあがってもまだ楽しみが残ってるなんて、いいですね」と言われたのが印象的でした。
完成した時が一番良いのではなくて、だんだんと良くなっていく家って、いいですね。
そうすると、家のなかで使う道具や器も、気に入ったものを選びたくなる。
良い道具や器は、長く使うのに耐えるだけの質感があります。
身の回りの身近なものが、じんわりと趣きをもって感じられるような場所。
そういう場所をつくりあげるのが理想です。


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