引きたてる色

2019-11-28 23:04:18 | M's ark


川口で進行中のM's ark の工事もいよいよ大詰め。内装も徐々に仕上がってきました。

写真のリビングは、タモ材を用いた造作が見ごたえのある空間になりました。
タモ材のもつ色味や風合いを引き立てるように、壁や天井の色をどのようにするかを、いろいろと思案しました。
結果選んだ色がこれ。

いわゆる白ではなく、グレーベージュのような色。少し赤味も帯びています。
余白のある大きな壁と、大工さん渾身の木の造作家具。床はざっくりとした風合いの唐松。
養生シートが外れて、すべての調和があらわれるのが楽しみです。
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秋は静かに・・・

2019-11-24 22:29:56 | 日々


「自由が丘の家」のダイニングの窓。細長い窓なのだけれど、ちいさな中庭に面していています。
パノラマに景色が広がる大きな窓もいいけれど、そっと小さな窓にも、特有の風情があります。

寒暖差を繰り返しながら徐々にジューンベリーの葉っぱが紅葉していく様を、ちょうど額縁で切り取るようにして眺められます。
あらためてしげしげと眺めるというより、食事をしながら、コーヒーで一息つきながら、ぼんやりと見る風景。
日々の暮らしのなかの、そんなちょっとした眺めに季節感が表れるのは、とてもほっこりとします。



ロールスクリーンには葉っぱの影が映り込みます。夏とはちがって、どこか優し気な雰囲気。もうすぐ葉っぱも散っていくでしょう。
住宅街のなかの小さな庭にも、静かに秋は訪れてきます。


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ちょっとこもる場所

2019-11-18 18:48:08 | 奥沢の家


家のなかに、自分ひとりだけがすっぽり入るぐらいの、ほんの小さなスペースがあるのは、なんだかとても楽しいものです。
「奥沢の家」では、夫婦それぞれにそんなスペースがあります。リビングの続きにあるこのスペースは、ちょっとしたデスクコーナーになっています。
ドアもないから、姿が隠れてしまうわけでないけれど、でも壁が視線を遮って、つかずはなれずのちょうどいい距離感。

窓からは、この土地に古くからあった百日紅の木が見えます。木漏れ日の気持ちいい、自分だけの場所。
そんな親密な気分に合うように、アルミサッシに木の窓枠をかぶせ、網戸も木製でつくり、吊り本棚もつくって・・・。
さながらコックピットのようでありながら、しっとりと風情の漂う場所になりました。

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fragments

2019-11-12 22:04:08 | 旅行記


ローマのとある教会。ローマの街なかは騒々しく、車も多く喧噪に満ちているのだけれど、こうした教会の中に入ると、ドア1枚で区切られているだけなのに静けさがあります。
珍しく内装が白い教会。その分、窓は小さくても明るい空間でした。

壁には、石に掘られた古い柱飾りの断片や、天使の彫刻が、白いプラスターで埋め込まれていました。
上の方に開けられた小窓から光が降りてきて、そうした断片の数々を静かに照らしています。



光が当たる面と、影になる部分と。そんな雰囲気のなかで、事物が静かに息づいています。
なにか、ずっとこうあり続けるんだろうなという安心感に包まれます。

新しく造られる家にも、こんな気分が表れるといいな。
そんなことを時折思います。
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茶室

2019-11-08 23:15:22 | 東山の家


これまでの仕事で、何度か茶室の設計をしたことがありました。
もともと茶室建築には興味がありましたから、京都の大徳寺によく見学に出かけました。

茶室の空間は、決まり事が多いようでいて、意外に自由なもの。そんなこともだんだんとわかってきます。
でも、建築デザインの世界でよく話題にのぼる茶室は、実は「変化球」ばかり。うっかりマネをすると、茶の稽古がしにくいということになってしまいます。

上の写真は10年ほど前に設計した「東山の家」四畳半の小間。裏千家の又隠を参照したものでした。もちろん楊枝柱もあります。
千利休の孫 千宗旦が造営したとされる空間は、四畳半の基本形をなすもの。
基本形に向き合いながら設計していると、だんだんとその奥深さに惹かれていきます。

そして時間を経て、いま取り組んでいるのは、コンクリートの四畳半席。
硬質でモノクロームの空間で、床の間も墨入りモルタルで塗られます。
なんだか見たことのない空間になってきました。

定型があるからこそ、その規範から離れる面白さは格別です。
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