ちょっとこもる場所

2019-11-18 18:48:08 | 奥沢の家


家のなかに、自分ひとりだけがすっぽり入るぐらいの、ほんの小さなスペースがあるのは、なんだかとても楽しいものです。
「奥沢の家」では、夫婦それぞれにそんなスペースがあります。リビングの続きにあるこのスペースは、ちょっとしたデスクコーナーになっています。
ドアもないから、姿が隠れてしまうわけでないけれど、でも壁が視線を遮って、つかずはなれずのちょうどいい距離感。

窓からは、この土地に古くからあった百日紅の木が見えます。木漏れ日の気持ちいい、自分だけの場所。
そんな親密な気分に合うように、アルミサッシに木の窓枠をかぶせ、網戸も木製でつくり、吊り本棚もつくって・・・。
さながらコックピットのようでありながら、しっとりと風情の漂う場所になりました。

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天井の高さ

2018-10-19 21:53:25 | 奥沢の家


2階建ての一軒家の場合、いわゆるLDKは1階あるいは2階のどちらかになります。
どちらが良いということはないのですが、それぞれの特徴を生かしたいと思います。

1階でしたら、庭など屋外スペースにつながる、水平方向に広がる静かな雰囲気を。
2階でしたら、天井のかたちが表れた、動的な雰囲気を。

写真は「奥沢の家」のリビング。3寸勾配の屋根のかたちが、室内に天井の高いところ、低いところを自ずと生み出します。2メートル弱から3メートルまでの高低差があります。
家の構造にしたがった作為の無い空間デザインですが、結果的に表れた天井の高いところ、低いところに、どんなスペースを配するかが楽しみなところ。
動的でありながら、包まれたような安心感もあります。
地面から離れて宙に浮いた高さから、外の緑を少し見下ろすような暮らし方も、風情があっていいものですね。

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冬の日の訪問

2017-12-13 22:29:30 | 奥沢の家


もうすっかり寒くなってきた晴れた日、竣工して間もない「奥沢の家」を訪れました。
植栽も整い、枕木の敷かれた前庭を通って玄関にアプローチするのが、とても楽しい雰囲気です。



このあたりの住宅街はすべて防火規制がかかりますが、その規制線をかわしながらプランニングし、木製の玄関ドアがついています。
多目的に使える土間から前庭を見返すと、とても広々と感じます。
やがて5月には、紅葉の鮮やかは眺めを楽しむことができるでしょう。



その大きなシンボルツリーの紅葉を囲むようにして、家のカタチはできあがっています。
低く抑えられたダイニングの窓と、屋根の形をした斜めの高い天井。
重心の低い落ち着きと、開放感の両方が、ちょうどよく調和したようで、嬉しくなりました。

明るくて穏やかな空間。じんわりと居心地の良い家になることを願ってつくった家です。
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百日紅の見える窓

2017-09-14 18:33:22 | 奥沢の家


東京都の奥沢で進めてきた住宅が、いよいよ完成します。
引き渡し前の束の間に、できあがったばかりの空間で、ひとり過ごしている時間は楽しいものです(笑)
まあ、できあがったばかりよりも、それから何年も後のこと、だんだんと味わいが出てくることをイメージして設計しているので、できあがったばかりのピカピカの室内は、あとから振り返るとなんだか味気ないものには感じるのですが・・・。

この住宅はご実家の建て替えの計画なのですが、古くからあった百日紅の木を残しました。
まだ赤い花がきれいに咲いていて、それが書斎コーナーの窓から見える眺めは心地よいものです。
防火規制のある地域ですから、防火用のアルミサッシを使うのですが、それが味気ないものにならないように、窓回りに造作をしつらえました。木製の網戸、そして本棚。
小さな、しっとりと落ち着いた窓辺の空間になりました。




リビングの窓からは、新しく植えるシンボルツリーが眺められる予定です。

古い木と、新しい木と。
それらが暮らしに趣きを与えてくれることと思います。
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