今年から来年にかけて、いくつかの住宅の設計を終え、工事が始まります。それらの仕事のご紹介をしたいと思います。
上の写真は、東京・南馬込に建つ2世帯住宅。ふたつの世帯が左右に並んで住まうかたちで、2軒の家があわさったような木造3階建ての計画です。細い路地の奥に建ち、まわりは崖や家々に囲まれた敷地です。そのなかに必要なスペースを高密度にプランニングしていくことはとても難しかったけれども、両世帯に程よい距離関係を築くことができたように思います。3階にはロッジア(屋根の掛かったテラス)を備え、居心地のよさそうな屋外スペースをつくることができそうです。いよいよ年明けに工事が始まります。
上の2枚の写真は、東京・成城に建つ、こちらも2世帯住宅です。木造2階建てで、上下階で世帯が分かれています。約100坪のゆったりとした敷地には、植栽もふくめて計画をしていきます。家のなかから庭を気持ちよく眺められるように、窓の位置や付け方に気を配りました。ソファに座りながらゆったりと庭を見下ろす窓の傍らには本棚も造りつけました。そして、ダイニングから続くロッジアにはベンチを造りつけ、コーヒータイムや雑誌を見たり、そんな暮らしのなかのちょっとした場面を居心地のよいものにしたいと思いました。この住宅は来春に着工する予定です。
上の2枚の写真は、静岡・富士市に始まった計画です。お施主さんは、以前に僕たちの事務所で設計をした「富士のふたつの家」を実際にご覧になり、設計をご依頼くださいました。このようにしてつながっていくのは、とても嬉しいことですね。敷地は、小さな用水路と林に面した静かな場所でした。用水路のちょろちょろと流れる音が静けさを助長しています。そんな敷地の様子を眺めながら、メキシコの建築家ルイス・バラガンの自邸のことを思い出しました。水の音と、緑と。そんな環境を採り入れながら、静けさに満ちた落ち着いた住宅になるよう、設計を磨いていきたいと思います。
今年もいよいよ終わります。年末年始には、行きたかった展覧会に駆け込みで行ってこよう!(笑)
それでは、皆さんもどうぞよいお年を。