かっこいいクローゼット

2022-07-07 22:39:06 | 古木のある家


家のなかのクローゼットは、いわば裏方の場所。
実用的に棚板やハンガーパイプ類を取り付けたいところですが、あまりカッコよくデザインしようとするスペースでもなさそうです。
でも、ここ「古木のある家」のクローゼットはそんな既成概念(?)を打ち破り、なんだかとてもカッコいいクローゼットになったのです。
まず壁の塗装色がダークグレー系。これがシックです。
壁面に取り付けられた棚板レールやハンガーパイプ類は、ロイヤルというメーカーのものですが、そのクロームメッキの質感が、壁のダークな色調のなかでギラリと映えています。
服がたくさん掛けられてしまうと見えなくなってしまう光景だけれども、家の完成直後の束の間の神々しい空間!
床はこの後カーペットが貼られることになっています。
裏方こそ気持ちよく。大事にしたいところですね。
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窓辺のキッチン

2022-04-01 18:49:03 | 古木のある家


桜が一気に満開になったかと思えば、もう桜吹雪に。早いものですね。
でも、そんな束の間の光景だからこそ、かけがえのないものとも思います。

上の写真は「古木のある家」。古くから残る庭木を残して建て替えた家です。
2階にあるキッチンには出窓があり、そこから柿の木が見えます。5年前のちょうど今ぐらいの時期に撮った写真で、まだ新芽が出る前です。
新緑を愉しむのにはあともう少し待たなくてはなりません。

濃い色の床のフローリングや、レトロな色調の壁のタイルなど、この家にはどこか懐かしい気配が漂います。
出窓から見える眺めも、ずっとあり続けた古木を慈しむような雰囲気があります。

このキッチン空間は、キッチンのデザインそのものが主役なのではなく、もしかしたら出窓から見える眺めが主役だったかもしれません。
もっと言えば、懐かしい記憶に寄り添うような空間こそが、この家のテーマでした。
出窓の下には料理本なども収納され、調理をしながらここで過ごす時間がゆっくりと流れるように。
そんなことを思い描きながらつくった空間です。

5月になれば窓いっぱいに新緑が広がることでしょう。少し光沢を入れて塗装した天井面には緑が映り込み、室内は緑の気配でいっぱいになります。
だんだんと暖かくなり、そんな季節を待つのも、また楽しみです。
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家をたのしむ。

2020-04-06 21:51:25 | 古木のある家


東京でいよいよ緊急事態宣言が出されることになり、非日常感が増すばかり。
なるべく自宅にいるように。ストレスにもつながっていくようなそんな流れが、少しでも楽しいものであるといいですね。

「古木のある家」は都内の住宅地にある家です。古い木々を残し、それらに面するように居場所を散りばめていきました。
もともと、家での生活を積極的に楽しもう!というお考えの施主でしたので、いろいろなアイデアに溢れた家になりました。
庭に面した大きなデスクコーナー、ハンモックを吊るせるリビング、七輪で焼き鳥をできる土間、こもるようにゴロ寝できる畳スペース、ダークゾーン?なライブラリー などなど。
暮らしを楽しむことが凝縮されたような空間になりました。



写真は家ができあがったばかりの頃。この頃は、なるべく外出を控えるべき、という時が来るとは想像だにしていませんでした。
でもそんな今、この家の真価が発揮され始めたかなあと思います。
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古いものを残す

2020-01-20 21:59:41 | 古木のある家


家を建て替えるとき、以前からずっとあった何かを残すことがあります。
多くの場合、それは庭の木々であったり、昔風のガラス戸一枚だったりするのですが、そんなふうにして以前からあったものを残そうとするのはとても自然なことでもあるように思います。

家が新しくできるのは、とてもワクワクすることですし、気持ちも高揚するものだと思います。
でもそれ以上に、できあがった家で長く暮らすためには、安心感や、気持ちが穏やかになるような場所であることが、なにより大切なのではないかと思っています。

古くから残るものにちょっと寄り添うような感じ。そんなものがあるだけで、安心感や、心穏やかさがもたらされるように思います。
ずっと見慣れた木々を窓から眺めながら過ごせるコーヒーコーナー。家の外観は、そんな木々の影の背景になるように。
そんなふうにしてつくった家がありました。
都会のど真ん中の家ですが、独特の癒された気分になります。

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ヘリンボーンの床

2019-03-27 22:28:06 | 古木のある家


「古木のある家」より。
カーペット敷のウォークインクローゼットから廊下に出ると、ほの暗い空間にヘリンボーン張りの床が黒光りしています。
古い庭木をなるべく残して建て替えたい、そんなご要望から始まった家だから、打ち合わせを重ねるうちに、全体的にクラシックというか、古色ある気分に包まれた家になりました。

小ぶりなサイズのヘリンボーン用のフローリングを、大工さんがひとつずつ丁寧に組んでいきます。角度が合わなくなるときれいに張れないので、大工さんの腕が肝要になります。
コツコツコツ・・・と音を響かせながら、大工さんが黙々と作業を続けていたのを思い出します。

新築の家だけれども、以前からずっと在り続けたような佇まい。
新しくもあるし、古くもある。
個性的でもあるし、凡庸でもある。

昔に読んだ、画家・有元利夫への評で、暗闇があると同時に光が溢れ出す不思議さ、というようなことが書いてありました。
切れ味よい言葉で表現されるコンセプトから遠く離れて、あらゆるものが同時に在ることををきちんと表現できたらいいな、と思います。
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