ONE TEAM

2023-10-09 22:44:53 | 旅行記


フランスで開催されているラグビーのワールドカップ。
日本代表、惜しくも決勝リーグ進出とはなりませんでしたね。

中学や高校にもラグビー部がありましたが、その練習の激しさたるや、凄まじいものがありました。
練習の厳しさという点において、やはりすべての部活動の頂点に立つものだっただろうと思います。
代表チームのレベルになると、世界中からそんな過酷な経験を積んできた選手が集い、そしてぶつかり合うわけですから、まさにオールアウト、すべてを出し尽くすことになるのだろうと思います。
そんな厳しい練習環境のなかから、おのずとONE TEAMという共同体の精神が培われていくのでしょう。
滅私、すべてはチームのため、仲間のため。

パリ市内も、パブリックビューイングやカフェなどでの放映で盛り上がっているでしょうか。
パリの中心にあるノートルダム寺院。有名な正面からの外観ではなく、側面から見ると複雑なカタチをしています。
ノートルダムはある一人の建築家の設計ではなく、何人もの建築家が時代を経ながら関わり、何世紀にもわたって造られていきました。
自分が生きている間には完成した姿を見ることはないだろう。
そんなことをわかりながら、自分に与えられた役割を吟味し、最善を尽くして次の世代に託していく。

こちらも、静かなるONE TEAMだなあなんて思います。
そんなことを思うとき、この側面の外観が愛おしく思えてくるのです。
大火災の惨事から立上り、着実に改修が進んでいくのを祈るばかりです。
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サン・ダミアーノの庭で。

2023-08-19 22:42:27 | 旅行記


とても暑い夏に訪れたイタリアの街アッシジのことを、よく思い出します。
アッシジはイタリア中部にある小さな街で、聖フランチェスコの生きた街としてカトリックの聖地になっています。
エリオ・チオルの写真集や、作家・須賀敦子さんのエッセイに触れて以来、ずっと訪れたいと思っていました。
とりわけ、街の中心部から離れたところにある、サン・ダミアーノという小さな修道院に思いを強く抱いていました。

小鳥のさえずりを聞きながら、オリーブ畑の続く坂道をずぅっと下っていったところに、サン・ダミアーノがあります。
須賀敦子さんは、このなかにある小さな庭がとても好きだったそう。
「聖キアラの庭」とよばれているそうですが、庭というよりも小さなテラスのような雰囲気で、小さく開けられた視界からはトスカーナの風景につながります。
この小さな庭には、いつも草花が活けられているそうで、しばらくこの場所にいると、心がとても静かになっていきました。



修道院ですから、祈るための部屋があちらこちらにつくられています。どの部屋もシンプルでつつましやかな雰囲気で、小さな窓から入ってくる自然光が穏やかに室内を照らしています。
長く使い続けられていたであろう木製のベンチや書棚がすっかりいい味になって、自然光のなかで美しく浮かび上がっていました。
そうした部屋の隣に、この小さな庭があって、草花もあって、風景もあります。

室内も庭も小さいのだけれども、それがかえって親密で、愛らしく、安心感に満ちた雰囲気でした。
こういうのを、心の寄る辺になる場所、というんだろうなあ。


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ポルトのアンティーク

2023-05-27 22:22:34 | 旅行記


設計が進行中の2世帯住宅の計画があります。その住宅はクラシカルなデザインが当初からテーマになっていました。
クラシカルなデザインと言っても、そのニュアンスは様々です。
新築ですから新しい材料を用いるのですが、木材の樹種の選び方、塗装の仕上げ方などでも雰囲気が変わりますので、いろいろなものを調べてトライ&エラーを繰り返しながら進めています。
そんなプロセスもまたこのブログでご紹介していきたいと思いますが、今回は、旅行先で見つけた印象的なクラシカルなデザインのことを・・・。

使い込まれて素材の風合いに味わいが感じられるものは、とても素敵だなと思います。
ずいぶん前になりますが、ポルトの街を旅した時に乗った市電は、まさにそんな味わいに満ちたものでした。
内装の木材は何度もニスが塗り重ねられてテカテカに。金属製の手すりやハンドルはなんとも言えない風合いを帯びています。
真鍮でしょうか。現在では多くの場合ステンレスやクロムメッキが用いられ、変化しないように造られますが、まさにその逆ですね。
クラシカルでもあり、アンティークの極致だと思いました。

海沿いの大聖堂前が終点。市電を降りて、思わず手でナデナデの絵(笑)
ホントに愛らしい市電でした。ライトが一つ目なのもたまらないですね・・・。
この後、パンタグラフを手動で反対側にパタンと倒して、折り返し運転をしていきました。
どこまでアナログなんだ!最高過ぎる!!

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煙るリスボン

2022-10-02 18:35:53 | 旅行記


建築をやっていると、個人旅行でいろいろなところへ見に行きたくなります。
16年前に行ったポルトガル・リスボンは、独立して事務所を立ち上げたばかりでヒマだったこともあって、10月の気持ちのよい季節での旅行でした。

リスボンは新市街と旧市街がはっきり分かれた街です。それまで、アラン・タネール監督「白い町で」や、ヴィム・ベンダース監督「リスボン ストーリー」などで、ノスタルジックな雰囲気に溢れるリスボンの街並みを期待していましたから、空港からの道すがら最初に見たリスボンの新市街の無味乾燥さには、少々がっかりしたのでした。

その足でメトロに乗り、旧市街へ。深い地下ホームから延々とエスカレーターに乗って地上に向かう、タイムスリップしていくような不思議な感覚。
そして投げ出されるように突如地上へ。
そうして最初に出会う風景がこれ。

夕方、煙る街。エレクトリコと呼ばれる市電がけたたましい車輪の軋む音を立てながら走り去っていきます。
この煙、道端で魚を焼いている煙なのです。え、今の時代に道端で魚焼き!? と少々カルチャーショックを受けつつ、遠いところへ来たなあとしみじみ実感したのを覚えています。
匂いや音といった、目に見えないものが意外にも、物事のイメージを決定づけるように思いました。
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ハイライン ニューヨーク

2022-07-12 22:48:45 | 旅行記


ニューヨークを訪れたときに、ここは素晴らしいなと胸躍った場所がありました。それはハイラインと呼ばれる「空中散歩道」です。
昔、貨物輸送のための高架線となっていたところが、時代の変遷で廃線となり、荒廃し、植物が繁茂し、治安も悪くなり・・・
いわばニューヨークのお荷物のようになってしまったそうですが、その空間性こそ魅力だとして再開発し、都市公園として整備されたものだそうです。
廃線跡が歩道として整備されているのですが、そのデザインが素晴らしく、明るくキレイにし過ぎないところがポイントです。
倉庫街やビルの裏側をうねうねと道は続き、かつてそうであった雑草が繁茂した退廃的な雰囲気もいい感じで再現されているのです。



ニューヨークは街全体としてみると、現代的というよりも古典的、クラシックな雰囲気が多勢を占めます。
まだ現役の木製の高架水槽、レンガ積のビルの外壁、分厚い木の窓枠・・・。
素朴な材料が今でも残り、個性を主張するというよりも、調和があります。
ハイラインを歩いていると、そんな素朴な街並みの風情を間近に感じられるのも楽しいところ。
残したいものがたくさんある。そんなふうに思える街は素敵ですね。
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