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ザ・ハウス YouTube記事

2025-04-28 22:11:06 | アート・デザイン・建築


建築家として登録しているザ・ハウスの新企画「あのメディアに掲載された建物について聞いてみた!」の第一回目として、「大磯の家」を取り上げていただきました。
『シンプルに暮らす小さな家(エクスナレッジ)』の本表紙になったU様邸について登録建築家・小野喜規さんにネホリハホリ聞いてみました!という企画です。

原稿なしのインタビューなので、思ったこと考えたことをそのままお話をしています。よろしければぜひご視聴ください!
ザ・ハウスYouTube あの本で紹介された建物について聞いてみた



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ルドンの色

2024-11-12 21:55:53 | アート・デザイン・建築


このブログにたびたび登場するオディロン・ルドンの絵画。
19世紀後半から20世紀初旬にかけて生きた画家ルドンには、以前からずっと憧れをもっていました。
ぼく自身が、20世紀末に多感な時期を過ごし、「世紀末芸術」に深い関心があったことも、関係があるのだと思います。

絶望的で退廃的な、モノクロームの画風。
これだけ聞くと見るのもイヤになりそうですが、その画風に漂う静けさや孤独、そして時に表れる愛嬌は、深く心に沁み込んできます。

ルドンは50歳になってから、大きく画風が変わりました。
弾けるような鮮やかな色彩のパステル画。
なぜそのように画風が変わったのか、いろいろな説があります。
晩年になってからの長男の誕生、過去との決別・・・
いずれにしても前向きなことだったようです。

ぼくも今年ついに50歳になりました。
建築家人生としてはまだ折り返し地点です。(建築家は40代にしてまだ若手と言われる、スロースタートの職業なのです!)
ぼくもルドンのように、新たな作風の展開を楽しみたいと思います。

胸の内に思い描くテーマは、ロマネスク性、ということ。
このテーマをより自覚的に、設計のなかに沁み込ませ、それがやがて、その建物で過ごす人々にとって「寄る辺」となることを願いたいのです。


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ガウディからはじまる。

2024-09-29 21:53:03 | アート・デザイン・建築


 大学で建築を勉強したいと希望する高校生が、ぼくのアトリエに遊びに来てくれました。
都内でいくつかの話題の建築を見学し、その後ぼくのアトリエへ。見学してきた建築、すごくカッコよかったです!そんな素朴な感想を聞いているだけで、とても嬉しくなります。
住宅の設計を中心に仕事をしているぼくの小さなアトリエ。小さな空間で、少人数のメンバーで設計を進めていくのは、独特の充実感があります。
模型やスケッチや図面など、少しばかり実際の仕事の風景を見てもらいました。彼にとってちょっとしたいい思い出になってくれるといいのですが・・・。

 話の流れで、ひょんなことからスペインの建築家ガウディのことに話が及びました。実はぼくの卒業論文のテーマはガウディでした。当時は、友人や先輩からは「今時ガウディとかやって、なんか役に立つの?」とよく言われました。
ぼくにしたってよくわかりませんから、言葉を濁すことしかできませんでした。でも今では、ガウディの建築にはこれからますます大きな可能性があるとはっきりと思います。
そんな話をしながら、ぼくが学生だったときにガウディの建築に取り組み、見学したときのことを思い出していました。

 写真は、バルセロナにあるガウディ設計の集合住宅「カサ・ミラ」の屋上。不思議なカタチの煙突がニョキニョキ生えています。
この造形、あらためて見るとホントにすごいですね。煙が上りやすくするための実験をしながら見つけたカタチだそう。それが不思議な宇宙人のようにも見えるのも愛嬌ですね。

 よく見ると、下から覗きこむ大学生の頃のぼくの姿が(笑)訪問してくれた高校生の彼も、やがて旅行に出て夢中で建築を見て回るのでしょうか。そんな時期が、絶対に必要です。
ガウディの建築は、名作といわれるものはだいたい未完成なのです。未完成なのに名作と言われるのも不思議ですが、建築は時代とともに変化していくべきものだから、完成なんて永遠にあり得ないのだよ、と言われているようです。
実際に、ガウディのいくつかの建築は、全体像が描かれないまま造られました。そう、あのサグラダファミリア、でさえも。
 技術革新により、あと数年後には完成するという話ですが、だからこそ、完成しないことの意義についても考えてみたくもなります。



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書籍の取材

2024-06-18 16:54:29 | アート・デザイン・建築


少し前のことになりますが、書籍の取材で2軒の住宅を訪れました。
5月の気持ちのよい日の撮影取材となりました。
新緑の庭を通して窓越しに入ってくる光は、室内の壁をほのかに緑に染めています。
窓辺に置かれた家具や小物が、その質感を美しく見せてくれていました。



たんなる日常の光景だけれども、じんわりと趣きをもって感じられることが、本当にかけがえのない素敵なことだなと思います。
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ジョットの家

2023-10-15 22:23:00 | アート・デザイン・建築


絵のなかに描かれた建物に惹かれることがあります。
そのひとつがこれ。ジョットの絵のなかの建物です。
ジョット・ディ・ポンドーネは、ルネサンス絵画の礎を築いた画家として有名ですが、絵の背景に描かれる自然や街並みに、不思議な魅力があるのです。

簡素な箱の組み合わせのような外観に、大小の窓が開けられています。
平屋建てなのか2階建てなのかははっきりわかりませんが(まあ、適当なんでしょうね 笑)、正面の大きな窓はきっととっても大きなサイズなのでしょう。
その窓の先にはシンボリックな木が植わり、斜面から風景が一望できそうな雰囲気です。
室内の様子はよくわかりませんが、壁の渋い色といい、気持ちよさそうな窓辺がありそうな雰囲気といい、そして赤い屋根の塔の可愛らしさといったら!

可愛いらしいといえば、ルネサンスよりも前の時代の宗教画は、人物の個性や感情を表現するということはありませんでした。
ジョットが、人間本来の個性や感情を絵に表したという点でも画期的なのです。



母子像の絵画。優しいマリア様のお顔と、ほら、牛たちも微笑んで。
平明で簡素で優しい絵。

絵画に限らず、ですが、そんな気分をもつものが、ぼくは大好きです。
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