カトラリー

2016-09-02 22:48:53 | 日々


偶然にランチに入ったお店で、出てきたのは柳宗理のカトラリー。
使い込んで、ステンレスの表面に細かなキズがいっぱいある。

単一の素材で造られたフォークやスプーンなどの無垢さには、かなわないよなあといつも思います。
そして、使い込まれてナンボというタフさも魅力。
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日本画的な

2015-12-11 11:33:23 | 日々


そろそろ冬らしくなってきたかなと思いきや、季節外れの暴風雨。ニュースで西日本の嵐の様子を見ていると、地球規模の気候変動の一端なのだろうと感じずにはいられません。
風雨にさらされる建物は、より一層、環境に対してタフなものが求められるのだろうと思います。
一方で、耐えるだけでなく、季節の変わり目を趣あるものとして楽しめるようなものでありたいと思います。

家は、できあがってから、どれだけ趣を宿すことができるかに価値があると思います。
つい最近まで青々としていた葉っぱが、さぁーっと黄色や赤色に変わり、床や壁に樹影を映しこむ。そんな風情を、どれだけ身近に感じられるように家ができているかが、僕にとっては重要な尺度です。



今日の風で、綺麗な紅葉もだいぶ散りました。
その儚さや、モノクロームの光景に近づいていく様は、どこか日本画的のようにも思います。

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2015-04-11 11:54:41 | 日々

 
 4月にはいってからというもの、東京では雨が続きます。
 
 雨の日は外に出かけるのが少し億劫にもなりますが、しとしとと降る雨を室内から窓越しに見ているのも、どこか気持ちが落ち着きます。
庇から垂れる滴が、テラスの舗装面にあたってトントントン・・とリズムよく刻む音も、聴いていて心地よく思います。
音楽家ブライアン・イーノがアンビエントと呼ばれる音楽をつくりだしたきっかけが、入院中の病室から聞いた雨音だったということを聞いたことがあります。
雨というのは、独特の感情をもたらしてくれるものだと思います。

 先日、住宅雑誌の取材がありました。雨続きのなかで運よく晴れた日に撮影は行われました。
陽の光で物事は明るく照らされ、影がくっきりと浮かび上がる。住宅にとっては華やかな雰囲気になります。
雨の日に撮影することもあるんですか、と聞いてみたところ、それはほとんど無い、とのことでした。
それはそうですね、雨の日の絵面ですと、誌面が沈んだ雰囲気になってしまいますものね。
でも、ホントは雨の日って、けっこういいんだけどな。

 京都にある桂離宮については、建築の専門書から、造園、文学に至るまで、とても多くの書籍が出されてきました。
当然、様々な着眼点から桂離宮をみることになります。
そのなかで、桂離宮と雨について書かれた文章を読んだことがありました。
雨の日には葉っぱに丸い水滴が多く浮かび上がります。その風情を楽しめるように植える木々の配置を工夫してある、というものでした。
桂離宮はゲストハウスのような役割の建物でしたが、そこで「過ごす」ことを楽しむということは、あたりまえにやり過ごしてしまいそうな身の回りのものに、ようく目を凝らして、そこにある美しさや趣を発見しようとしたものだったのだと思います。
そう、美しさや趣は、つくりだすのではなくて、発見するものなのかもしれません。

 上の写真は、僕の設計アトリエの窓から見た今日の眺め。この場所に居ることが長いから、窓辺を居心地の良いものにしたいと思ってつくったものです。
庇は大きく張り出しているので、雨の日にも窓を開けていても降り込んでくることはありません。
雨の音色と、玉の滴が身近に感じられます。葉っぱの足元の闇はいっそう深く。
どうということはない眺めだけれども、しばらくいると効いてくる、そんな居心地の良さが好きです。

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ロイヤルミルクティーをつくりながら

2015-01-08 23:27:31 | 日々


明けましておめでとうございます。
本年もブログにお付き合いくださいますよう、よろしくお願いいたします。

 のっけから新年ぽくない絵面ですが、そう、ロイヤルミルクティーをつくっているところです。
ミルクパンに紅茶の葉っぱとミルクを入れてぐつぐつ。こういうことは、ちょっと気に入った道具が手元にあって、たまには使おう!という気分にならないとなかなかやらないのですが(笑)
で、やってみるとなかなか楽しいものです。

 写真のミルクパンはホーロー製で、ポーランドでつくられたというものが、どこかのアンティークショップで安く売っていたので購入したものでした。
とりたててどうというものではなく、とても安いものでした。

 でも、ポーランドという、僕にとっては行ったことのない遠い国からやってきたということへの、なんといいますか、郷愁のようなものを感じたのです。
また、ホーローが釉薬らしくとっぷりと持て余し気味に焼き付けられているさまが、なんともどんくさくてかわいい。
さらには、縁と取っ手の部分に、深緑色の釉薬が塗られているのがなんとも渋い。かわいいのか渋いのか、どっちやねん!
きっと柳宗悦だったら、素晴らしき民芸デザインに認定してくれたことでしょう。

 写真の奥に見えるのはル・クルーゼのお鍋。こちらはメジャーな製品で、ホーローつながりですね。
たしかにこれで料理を作ると、味が変わります。
そして、この鍋を使うことが、やはり楽しい。

 大学生になってアパート暮らしを始めるにあたり、身の回りのものをとりあえず近くのスーパーなどでまかなった記憶があります。
割と物持ちが良い方なので、その頃に買ったお玉だとかフライ返しだとか、いまだに現役のものもいくつかあるのですが、共通して言えるのは、「愛着がわかない」ということ。
どんなに安くたって、どんなに高くたって、愛着がわかなければ意味がない。

 そんなことに気付き始めてから、身の回りのものを少しずつ、気に入ったものを選ぶようになりました。
もちろん高級品ということではなく、自分に合ったものを選ぶ、というところでしょうか。


さて、今年はどれだけの「気に入るもの」に出会えるだろうか。
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床のオイル塗装

2014-08-11 21:42:41 | 日々

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オノ・デザインのアトリエの打合せルームには、ブラックチェリーの無垢板のフローリングが張ってあります。少し表面がカサついてきたこともあり、盆休みを利用してオイル塗装をしました。

自然素材のオイルを購入し、まずは床を雑巾がけ、そして塗りすぎに注意しながらオイルを塗っていきます。30分ほどしたら、布きれですりこむように拭き取っていきます。1室ということもありますが、思いのほか手短で簡単な作業です。床に這いながらオイル塗をしていると、一本一本の板の表情やキズを間近で感じ取ることができ、愛着がわいてきます。

塗り終わると、ひとつ色味が濃くなって味わいが出ました。光を受けて静かに息づいています。特別なものは何一つない。必要なものだけを選び抜いて丁寧につくった空間。時に手入れをしながら、育てていく感じ。そういった空間と生活を共にするのは、なんだか楽しいものです。

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