場所の奥行き

2014-09-18 11:53:24 | 進行中プロジェクト

140918

埼玉県朝霞市で建てている住宅。大工さんの工事が佳境にはいってきました。下地を組み終わり、一部、内装用の石膏ボードが張られ始めると、空間のシルエットがはっきりしてきます。この敷地に描いた居場所のイメージがうまくいっているかどうかが、徐々に表れることでもあります。

どのような敷地であっても、何も無い状態ではすべてが一望のもとに見渡せて、何かすべてがさらけ出されているような印象があります。僕がやろうとしている設計は、そのような場所に「奥行きを与えていく」ということだと思います。奥行きというのはずいぶんと抽象的な言い方になってしまいますが、見た目についての奥行き、ということも言えますし、さらに、目には見えない気持ちのうえでの奥行き、ということも言えると思います。

旅行に行った際に、現代建築を見て回るよりも、古くから残っているものを見る方が僕の性にあっているようです。きっと、カタチとしてのデザインを見たいというよりも、先ほどお話した「場所の奥行き」を感じ取ることを愉しみたいからだと思います。

旅行先では、場所の奥行きを感じ取ることを愉しむ。

設計の仕事では、場所に奥行きを与えることを愉しむ。

そんなイメージです。ですから、仕事で現場に行く際には、奥行きを与えることができているかどうか、じっくりと神経を尖らせる、という感じです。

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