patina

2022-04-15 23:13:24 | 自由が丘の家


暖かくなり、一気に新緑が芽吹いてきました。
毎年くりかえす光景ですが、同じように季節が巡ってくるというあたりまえのことに、この春はことさらありがたく思います。

この「自由が丘のアトリエ」も10回目の春を迎えています。
できあがったときよりも、より美しくなるように。
いつもそんなことを思い描きながら家をつくっています。



この木枠のドアは、ラワンという樹種の木材に、防腐の塗料を施したものです。
真鍮のドアハンドルの色が、金ピカから黒ずんで味わいが出てくるのに呼応するように、ハンドル廻りの塗料も少しずつ剥げ落ちてきました。
知らず知らずのうちにさわっているんですね、きっと。
塗りなおした方がよいともいえるけれど、やはりこのままにしておきたいと思っています。
時間をかけて自然にできあがる風合い、いいですよね。この家で過ごすことへの愛着が湧いてくるように思います。
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自由が丘のアトリエ

2022-01-07 22:17:27 | 自由が丘の家

この正月休みに、甥っ子ファミリーが来訪しました。

ぼくの設計アトリエは職住一体になっていて、甥っ子にとっては、普段は入ることのない秘密の間(?)が奥にあるのが、気になっているようです。

こっそりと秘密の間に入った甥っ子。 そこにはたくさんの本といっしょに、設計した建物の模型も並んでいます。

いつもは打合せスペースとして使っている部屋で、甥っ子にある住宅の模型を説明しました。

公園に面した2世帯住宅で、ふたつの世帯に挟まれたルーフテラスでは みんなでバーベキューができるんだよ。 そんなことを楽しそうに聞いてくれます。

 

ぼく、この部屋がすごく好き。小学4年生の甥っ子からそんな言葉を聞くなんて思っていなかったから面喰ったけれど(笑)、そんなふうに思ってくれたのは素直に嬉しい。

でも、なにかいいんだろう?ゲームもオモチャもない部屋だけど。

部屋の窓から見えるのは、甥っ子が生まれるうんと前からずっとそこにあった木々。

そんな眺めが、なんとなく安心感につながるのでしょうか。 甥っ子にとって、ちょっとした原風景のひとつになったらいいな。

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冬薔薇

2021-12-24 18:47:24 | 自由が丘の家


東京はここしばらく晴天が続きます。明日からは寒波がやってくるということで、凍てつくような寒さになるのでしょうか。
冬の庭は草花が枯れて寂しいようでありながら、冬ならではの枯れ色の美しさがあるように思います。
数は少ないけれど、そのなかで咲く花は引き立ちます。

冬薔薇をバードバスに活けて。
なぜか冬には小鳥さんがよく来るんです。
年末が押しせまり、なにかと忙しくパソコンに向かって図面を引いたりメールを書いたり見積書をチェックしたり、というような合間にふと、小窓越しに小鳥の声と姿が見えると、やはりこころが和みます。
建築に草花とか鳥とかなんて関係ないし!と思っていた建築学生時代からすると、想像もできなかったことですが(笑)

Merry Christmas!


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かもめ食堂

2021-09-12 22:15:27 | 自由が丘の家


コロナのワクチン接種をして、ウワサ通りにちょっと調子を崩した時に、なんとなく映画を観たくなって、ひさしぶりに「かもめ食堂」を観ました。
かなり以前に一度観たきりで、断片的な映像は鮮明に覚えていたのだけれど、ストーリーはあまり覚えていなくて、どんなだったかなあと。

学生のときに、一番好きな映画は、と聞かれれば、即座にアンドレイ・タルコフスキーの作品と答えていたと思います。
暗喩に満ちた映像は観ているだけで引き込まれ、ストーリーは難解なのだけれど、これこそが表現体だと思っていました。
もちろん今でもそのような感想はあるものの、それから20年以上も経った今では、もう少し直接的でわかりやすい映画は、素直に楽しいなと思うようになりました(笑)

ひさしぶりに観た「かもめ食堂」は、ココロにすぅっと入ってきました。
シンメトリカルな画面構成に映し出される料理や事物。自然の光に照らされて静かな存在感があります。
そして、BGMがほとんどないんですね。揚げたフライをさくっさくっと包丁で切る音、コーヒーをこぽこぽ淹れる音の心地よさ! 料理にまつわるあらゆる音がシンプルに表現されます。

あ~、これもヒュッゲだったんだな、と今になって思います。
そう、ぼくの設計する住宅のテーマは「ヒュッゲであること。」
窓辺に居るだけでほっこりできるような、そんな場所をつくりたいのです。

そんなことを考えるとき、あらためてお手本のように思える映画でした。




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夕方の風景

2021-06-25 23:02:24 | 自由が丘の家


最近は、庭を楽しめる家を、というテーマで設計のご依頼をいただくことが増えてきました。
風光明媚なロケーションの敷地もあるけれど、多くは街なかの比較的ちいさな敷地。そのなかにほっと息をつけるような場所をつくりたい、という想いとともに家づくりが進んでいきます。

ぼくのアトリエ兼住居は、古くから残る庭に寄り添うように建てたから、一日を通して庭の様子を楽しめるはず・・。
でも、複数の仕事を同時に進めながら忙しく過ごしていると、日中にゆっくり庭でコーヒータイム、なんて余裕がなくなるのも実情です。
仕事がいくつかあれば、そのぶんトラブルや問題も生じますし、う~ん どうしようかな、とあれこれ考えて解決して、ちょっと疲れて庭に出るのは、夕方になってから。
今はまだ夕方といっても明るいけれど、一日が終わりに近づいて、太陽も徐々に低くなり華やかさがなくなってきた時間帯の庭というのは、独特の趣きがあるように思います。
緑は最後に光を受けてより鮮やかに輝き、一方で地面のあたりには闇が宿りはじめて。不思議な深淵さがあるように感じます。あ、もちろん蚊も元気いっぱいですが・・・。

設計案のデザインスケッチでは、木漏れ日あふれる日中のイメージを描いたりするのですが、実は、絵には表現できないこんな夕方の時間に、庭の癒しが現れるようにも思います。
京都の寺とかに行っても、閉門時間の午後4時ぐらいになって、庭に離れがたい風情が現れたりしますよね。

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